岩谷産業株式会社(いわたにさんぎょう、英: Iwatani Corporation)は、本社(本店)を大阪府大阪市中央区に置く産業・家庭用ガス専門商社であり、LPG分野で日本の市場占有率1位の総合エネルギー企業である。燃焼機器・調理器具・健康食品などの販売事業もおこなっている。
大阪本社外観(本町ガーデンシティ) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 大証1部(廃止) 8088 2013年7月12日上場廃止 |
略称 | イワタニ |
本社所在地 | 日本 大阪本社〒541-0053 大阪市中央区本町3丁目6-4 本町ガーデンシティ 東京本社〒105-8458 東京都港区西新橋3丁目21-8 |
本店所在地 | 〒541-0053 大阪市中央区本町3丁目6-4 本町ガーデンシティ |
設立 | 1945年(昭和20年)2月2日(創業:1930年(昭和5年)5月5日) |
業種 | 卸売業 |
法人番号 | 8120001077357 |
事業内容 | ガス・化学・機械・金属・食品・情報・資源 |
代表者 | 代表取締役会長兼CEO 牧野明次 代表取締役副会長 渡邊敏夫 代表取締役社長執行役員 間島寬 |
資本金 | 200億96百万円 |
発行済株式総数 | 2億5,136万5千株 |
売上高 | 連結:9,062億61百万円 単体:5,870億69百万円 (2023年3月期) |
営業利益 | 連結:400億35百万円 単体:119億55百万円 (2023年3月期) |
経常利益 | 連結:470億11百万円 単体:263億05百万円 (2023年3月期) |
純利益 | 連結:320億22百万円 単体:203億99百万円 (2023年3月期) |
純資産 | 連結:3,122億30百万円 単体:2,082億23百万円 (2023年3月期) |
総資産 | 連結:6,560億03百万円 単体:4,403億93百万円 (2023年3月期) |
従業員数 | 連結:11,351人 単体:1,351人 (2023年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 12.08% 公益財団法人岩谷直治記念財団 7.18% 日本カストディ銀行株式会社 (信託口) 4.39% GOVERNMENT OF NORWAY 3.80% 株式会社三菱UFJ銀行 2.32% 株式会社りそな銀行 2.05% 有限会社テツ・イワタニ 1.74% 岩谷産業泉友会 1.62%※1 日本生命保険相互会社 1.56% イワタニ炎友会 1.37%※2 (2023年3月31日現在) |
主要子会社 | 関連企業参照 |
関係する人物 | 岩谷直治(創業者) 齋藤興二(元社長) 野村雅男(元社長) 谷本光博(元社長、現取締役相談役) |
外部リンク | https://www.iwatani.co.jp/jpn/ |
特記事項:経営指標は 2023年3月 第80期 有価証券報告書 ※1岩谷産業泉友会は、岩谷産業の従業員による持株会である。 ※2イワタニ炎友会は、岩谷産業と取引関係にある企業等による持株会である。 |
創業者の岩谷直治が、神戸で運送会社勤務を経て、1930年(昭和5年)にカーバイド・酸素・溶接棒の製造・販売をおこなう岩谷直治商店を大阪に開く。
戦後間もなく改組し、1953年(昭和28年)には日本で初めてとなる、家庭用LPGを「マルヰプロパン」という名で販売を開始、本格的なエネルギー供給に乗り出す。1969年(昭和44年)には、供給ホースの要らない家庭用ガスコンロ「カセットフー」(現商品名は「カセットこんろ」)を販売、イワタニの代表商品に育て上げると共に、エネルギー総合商社としての地位を確立させる。
総合エネルギー事業を中心にエネルギー分野、エレクトロニクス分野などで多角事業を展開している。総合エネルギー事業では、LPGとして知られる「マルヰガス」やLNG、ガス器具の販売をはじめ、カセットボンベ・カセットフー(カートリッジガスボンベを使用する燃焼器具)の製造販売、プリムス社のアウトドア用品(主としてプリムス・ストーブ)の輸入販売、ミルサー(フードミル)、あっとスライス(スライサー)といった調理器具の販売、アララクリーン(洗剤)の販売、健康食品(黒酢・スッポンなど)・フィスラー社の調理器具の販売、ミネラルウォーター宅配事業を手がける。産業ガス・機械事業では、ヘリウムや水素、エアセパレートガス(窒素や酸素等)といった工業用各種ガスの製造販売、半導体や関連機器の販売、溶接材料、産業用ロボットの販売、エネルギーステーション設備の販売・施工事業を展開する。マテリアル事業では、アイラップや灯油缶、ゆたんぽなどの生活用品をはじめ、ペット樹脂、ミネラルサンド(ジルコン・チタン鉱石など)、ステンレス等の金属加工、園芸用品など幅広く取り扱う。
古くから水素を取り扱っており、太陽光発電やDMEなどの新エネルギーシステムにも取り組んでいる。水素の国内トップメーカーで国内シェアは約4割を占めている。国産宇宙ロケットへの液体水素供給や、大規模な水素製造プラントの立ち上げ、燃料電池車の分野でもトヨタ自動車やホンダなどに燃料電池車の開発当初から、水素ステーションの供給をし普及に向けた一端を担っている。また、『水素を熟知した会社』をコンセプトに、水素エネルギー普及の一端を担っており、日本や欧米各国でのビジネスに関わっている。また、2023年時点で国内唯一の液化水素サプライヤーであり、千葉、大阪。山口の3拠点体制で液体水素の製造を行い、全国への安定供給を行っている。2016年には川崎重工やシェルジャパン、電源開発と日豪間の水素サプライチェーン「HySTRA」を設立し、実証実験に取り組み2022年に実証プロジェクトを完遂。コスモエネルギーホールディングスとも水素ステーションの普及に向けて取り組む。
三水会とその後身社長会である水曜会及びみどり会の会員企業であり三和グループに属している。
1964年(昭和39年)に行われた東京オリンピックの聖火台では、同社のLPGが使用された。
2023年12月1日、石油元売のコスモエネルギーホールディングス(コスモHD)の株式約1,740万株を旧村上ファンド代表の村上世彰が関係する投資会社2社および村上の長女である野村絢から1,053億円で取得したと発表した。既に保有する株式と合わせ株保有比率は19.93%となり、コスモHDの筆頭株主となった。
2024年3月27日、公正取引委員会からの承認が得られたことを受けて、旧村上ファンド関係者から更に25万株を追加取得した。これにより、コスモHDの株保有比率は20.07%となり、同社を持分法適用会社にした。同年4月23日、コスモHDとの間で資本業務提携を締結した。
本社
研究所
支社・支店・事務所
子会社
岩谷記念財団を設立して「エネルギー及び環境に関する優れた研究に対する助成」・「自然科学分野における人材育成と国際交流への助成」などを行っている。
また、岩谷産業のキャラバン隊が、次世代の環境対応車として注目を集める燃料電池自動車と水素自動車を使い、日本列島を南から北へ縦断しながら各地の学校などにも立ち寄り、クリーンエネルギーについて分かりやすく解説し、地球温暖化への配慮の観点からの環境保全の大切さも訴える活動も行っている。
スポーツに関しては、チームが好成績を挙げていないため、一般への認知度は高くないが、1988年(昭和63年)から2010年(平成22年)まで社会人アメリカンフットボール(Xリーグ)西地区2部所属のクラブチーム「サイドワインダーズ」のスポンサーとなっていた。バブル景気崩壊以降の世相の中、企業スポーツにおいては、宣伝効果が見込めなければ早々にスポンサー契約を打ち切る、あるいは単なる名義貸し程度の支援しか行わない企業の多い中、社会の景気動向に左右されず、22年に渡りスポンサー契約を継続した。企業チームを除き、同じXリーグ内で、このような長期に渡ってクラブチームを支援している企業は他にアサヒビールが見受けられる程度である。
長年に渡り、浜木綿子を同社のイメージキャラクターに起用しており、浜が主なご当地鍋料理とその地方に合わせた、おいしさを表現する言葉を口にするカセットコンロのCMの他(2012年には孫の五代目市川團子と共演している)、近年では海部剛史が武士に扮したバナジウム天然水のテレビCMが放送されている。
なお、1997年から2000年にかけて同社ブランドで発売した単機能型電子レンジにおいて、部品の欠陥による発煙・発火事故のおそれがあるとして、2011年より同製品の無償点検を告知する、お詫びCMが放映されている。
ほか
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