室堂(むろどう)とは、修験者が宿泊したり祈祷を行ったりする堂であり、山岳信仰や神奈備がある神体山では建立されることが多い。またはそこから派生した地名・列車愛称。
本項では「立山室堂(立山の登山拠点)」について解説する。
飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にあり、一帯は中部山岳国立公園の特別保護地区および特別地域である。近年では、室堂といえば室堂ターミナル周辺の室堂平一帯を指す。
室堂は立山黒部アルペンルートのコース上にあり、立山や剱岳の登山の拠点となっている。室堂ターミナル付近にあるミクリガ池やミドリガ池は立山火山の火口湖であり、地獄谷では現在でも火山性ガスや硫黄などの噴出物がある。周辺に遊歩道が整備され観光スポットとなっている。この地下から湧き出す温泉は、周辺のホテルや山小屋などの宿泊施設に供給されている。
室堂平の南部には室堂山という山があり、立山カルデラの展望台が設置されている。整備の行き届いた遊歩道が整備されており、観光がてらの散策ルートとなっている。
本来「室堂」とは室堂ターミナルから徒歩10分ほどのところにある江戸時代の建物のことで、元来は修験者が宿泊または祈祷を行った堂であり、のちに立山に登拝する宗教登山者の基地となった。建材として美女平のタテヤマスギが使われている。この建物は「室堂小屋」あるいは「立山室堂」と呼ばれ、国の重要文化財に指定されている。
新たな室堂山荘を隣接地に新築した上で、それまで山小屋として使われていたこの室堂小屋の建物は大規模な復元修理が行われた後、貴重な歴史的建造物として保存され、内部が有料で一般公開されている。現存する建物は加賀藩の援助で18世紀に建てられたものだが、最初のものは14世紀に建てられたと考えられている。
室堂平自体が火口跡(マール)の盆地であり、この地域のほとんどが立山火山噴出物の安山岩から成るが、それに混じって花崗岩の巨石も見られる。これはかつて存在した氷河によって立山・浄土山などから流れ落ちた迷子石と考えられる。
室堂平は風の当たり方や背後に高山がある盆地といった条件から雪溜まりとなっており高山植物が多く見られるエリアとなっている。 9月末頃には一面チングルマやイワイチョウの草紅葉が見られる。
立山玉殿は室堂駅の東100mほどに位置する「玉殿岩屋」に湧く『立山開山記』にも記載されている湧水をいう。1968年(昭和43年)、立山黒部アルペンルートの立山連峰を貫く立山トンネル掘削作業中に雄山の直下の破砕帯から日量2万t、水温2 - 5°Cの地下水が噴出した。この水が室堂バスターミナル後方の場所まで引かれ水飲み場が設けられている。また、この水はホテル立山の水道水としても利用されている。ほか「立山黒部サービス」ではこの湧水を全国に販売している。なお、市販されている湧水では全国で一番高いところで採取されている。水飲み場は5月下旬から10月下旬まで利用できる。1985年(昭和60年)、立山玉殿の湧水として、名水百選の一つに指定された。
周辺は森林限界のハイマツ帯でライチョウの生息地となっている。またタテヤマリンドウ、チングルマなどの多くの高山植物が自生している。
下記以外の方法では本格的な登山となる。
アルペンルートが閉鎖直前となる11月下旬、開通直後の4月の室堂一帯は、アクセスが容易な雪山の環境であり多くの冬山登山者やスキーヤーが訪れる。しかしながら室堂は、急峻な峰々に囲われた地形であり、しばしば斜面から室堂に向かって発生する雪崩に巻き込まれることによる死亡事故が発生する。
また、死者は生じていないものの、1968年(昭和43年)には冬季閉鎖中の雷鳥荘の建物が雪崩の被害に遭い、春先に建物が「蒸発」していると報告される出来事も発生した。
室堂一帯(弥陀ヶ原)は、気象庁が常時観測する火山の一つとなっている。過去に噴火による死者は発生していないまでも、1967年には、キャンプ中の登山者2人が火山ガス(硫化水素)中毒により死亡している。また、2012年からは、一部で噴気活動が活発化したことから、室堂から地獄谷周辺にかけた遊歩道が閉鎖されている。
NTTドコモ北陸は、2008年(平成20年)3月25日0時で、立山室堂地区における「mova」の利用を停止した。4月1日以降は3Gサービス「FOMA」などしか利用できなくなった。NTTドコモグループが2Gのサービスを打ち切ったのはこれが初めてであった。現在はXiも利用可能である。
ソフトバンクモバイルでも同様に、同年3月24日0時に2G(SoftBank 6-2)のサービスを停止し、4月1日に3G(SoftBank 3G)のサービスを開始した。
なお、auはこれ以前より3Gの利用が可能であった。
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