古物商(こぶつしょう)は、古物営業法に規定される古物を業として売買または交換する業者・個人のことである。
なお、古物をレンタルしたりリースしたりする場合であっても、顧客に貸与するまたは顧客から返還を受けることが同法の「交換」に該当し、古物商に該当する(後述の「古物」ではない物品を仕入れてそれをレンタルなどする業態は、古物商に該当しない)。
扱うものによって、中古自動車や中古パソコンなどの「販売・レンタル店」や「金券ショップ」「リサイクルショップ」「リユースショップ」などと言われるものがある。
盗品の売買または交換を捜査・検査するため、営業所を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署。生活安全部が担当する)の許可が必要となる。
したがって、中古車販売・リース店や、リースの終了(リースアップという)した中古パソコンや計測機器などを販売・転リースするリース会社などは、古物商の許可を得ている。
許可が下りると、金字で「古物商許可証」の字が印刷された黒または青のハードカバーに、被許可者の情報が記載された厚紙を貼り付け、二つ折りにした手帳型許可証(通称「鑑札」)が交付される。 鑑札番号、許可公安委員会、主として取り扱う品目、被許可者氏名または屋号を入れ、店頭に掲げる許可票(古物商には許可票の店頭掲示義務がある)は交付されないため、許可を受けた者が様式に従って製作せねばならない(様式は古物営業法施行規則第11条で規定されている)。
古物とは、古物営業法第2条第1項で次のように定義される。
よって一般の消費者等がその使用のために小売店等から一旦譲受した物は、実際の使用の有無を問わず原則として同法の「古物」である。反対に、流通段階における元売り、卸売、小売までの売買関係における物品は、一般に当該物品の使用を目的とはしていないため、その新旧を問わず「古物」ではない。いわゆる新古品(型遅れ流通在庫保管品)も「古物」ではない。
また「古物」には商品券(ビール券、図書券、文具券、お米券等を含む)、乗車券(鉄道、バス等の乗車券、特急券、指定席券、回数券等を含む)、郵便切手、さらに航空券、入場券・観覧券類、収入印紙、プリペイドカード(鉄道、バス等の購入用カード、テレホンカード、タクシー券、有料道路の通行券等が含まれる。
次の物品は概ね「古物」からは除外される。これらを除いてほとんどの物品(動産)が「古物」の適用対象になる。
古物営業法施行規則第2条に規定する古物の区分は次のとおり。なお、この分類は古物商の許可に掛かる区分に過ぎず、物品等が古物であるかの構成要件該当性を左右するものではない。
古物営業とは、古物営業法第2条第1項で次のように定義される。
以上より、営業であって、前述の「古物」を、買い取りかつ売却(レンタルを含む)するもの、交換するものおよび手数料等により委託売買するもの、は原則として古物営業に該当する(これらの売買をインターネット等の通信手段により行うものを含む)。
なお、古物の買い取りをせずに古物の売却(レンタルを含む)だけをする営業は古物営業に該当しない。古物を買い取りではなく、無償または対価を受けて引き取りそれを売却等する場合も古物営業には該当しない。また、同一の個人または法人が、その古物を売却した相手から当該物品を買い戻す場合も古物営業には該当しない。
例として、単に一般の個人が自ら小売店等から購入した物品をインターネットオークション等で売却する場合は、古物営業には該当しない。(ただし、消費者等、中古店等の古物商、またはリサイクルショップその他から古物を購入しそれを売却する場合や、営業性がある場合にはこの限りではない)。古物を買い取りかつ売却し、かつ営業性があれば個人であっても古物営業に該当する。
リサイクルショップは、無償または引取料の対価を受けて引き取った物品を修理再生等して販売する形態に限っては、古物営業には該当しない。ただし、古物の買取も行う場合には古物営業に該当する。
古物商間の古物の売買又は交換のための市場を開く者は古物市場主に該当する。バザーやフリーマーケットについては、営利性や営業性を総合的に判断して、古物営業を営む古物商が取引に利用していると言った古物市場該当性がない場合には、古物市場には該当しない。
インターネット等のオークションサイト等は古物競りあっせん業に該当する。
なお、衛生上の観点から、リサイクルショップ(ネットオークションや通販サイトも含む)において、特に家電製品を扱う店では、陳列・販売の際、除菌消毒や分解・修理を行って販売する店舗も散見されている。
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