中島川(なかしまがわ)は、長崎県長崎市を流れ長崎港に注ぐ二級河川。江戸期には「大川」ともいわれていた。
中島川 | |
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玉江橋より上流を望む | |
水系 | 二級水系 中島川 |
種別 | 二級河川 |
延長 | 5.8 km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 17.9 km² |
水源 | 矢筈岳(長崎県) |
水源の標高 | 371 m |
河口・合流先 | 長崎港(長崎県) |
流域 | 長崎県 |
多数の橋が架設されており、このうち、石造2連アーチ橋の眼鏡橋は国の重要文化財に、桃渓橋と袋橋(いずれも石造アーチ橋)は長崎市の有形文化財に指定されている。複数個所が護岸工事されており、川岸へ下りる階段も設置されているため、観光などの目的で歩くことも可能。放流されている鯉などを水辺から間近に見ることができる。
江戸時代の石造アーチ橋は全て、人口が増加していた寛永から元禄期に掛けて架設されたものである。当初は屋根付きの木廊橋を生活道路、寺社の山門に通じる参道として架設されたものと考えられている。しかし木廊橋は洪水に弱く、大雨や台風で川が荒れるとそのたびに流失していた。1634年(寛永11年)黙子如定によって洪水にも耐えうる眼鏡橋が架設されると、その技術は派生して新しい石橋が架設されるに至り、木廊橋は石橋へと架け替えられて行った。石橋の架設技術は派生して新たな石橋への架設へと繋がり、普及したと考えられている。
最初は地名や架設者に由来した俗称で呼ばれ、江戸期には阿弥陀橋から銕橋までをそれぞれ第一橋から第十五橋と番号順に呼んでいたが、正式な名称は定められていなかった。現在の橋名の多くは1882年(明治15年)頃に当時の長崎区議長で漢学者の西道仙が選定したものといわれている。
石造アーチ橋は17世紀に架設され、江戸期に架設されたものが昭和期まで残っており、眼鏡橋が1960年(昭和35年)に国の重要文化財、阿弥陀橋 - 袋橋までの石造アーチが1971年(昭和46年)に長崎市指定有形文化財に指定されていた。しかし1982年(昭和57年)の長崎大水害で江戸時代の橋は多くが被災し流失した。現在中島川中流から下流に架設されている石造アーチ橋のうち、桃渓橋、眼鏡橋、袋橋以外はすべて新しく架けなおされたものである。ただし、流失した橋の親柱は一部が架けなおされた橋の側に残されている。
江戸時代以前、中島川は西浜町から新地町の側を流れて海へと流入していた。このとき川から運ばれた土砂が溜まるため、江戸時代には絶え間なく浚渫工事が行われていた。しかし明治時代になってから浚渫工事が行われなくなり、河口へ流れた土砂が出島にあった長崎税関付近の港湾主要部を埋めるようになった。問題解決のため当時の県令北島英朝により中島川の整備工事が行われ、1890年(明治23年)より中島川は流路を曲げて江戸町と出島の間を経由し港湾不要部へ流入するようになった。このとき、出島岸壁の埋め立て工事が行われ、出島は市街地と陸続きになった。
1982年(昭和57年)の長崎大水害では江戸時代から残されていた多くの橋が流失、流失を免れた眼鏡橋なども一部半壊の被害を受けた。災害復旧の際、最初長崎県は防災の観点から川底の掘削と川の拡幅工事、それに伴う半壊した石橋群の撤去と石橋のあった場所に近代様式の橋を架設する提案を行った。しかし地元住民団体が文化的財産としての橋の保存を訴え反発したため、県は方針を変更し川の両側にバイパス水路を作ることによって川の拡幅による氾濫防止と石橋群の保存・再生を両立させる形となった。放流されていた鯉を水族館にて保護した上で重機による作業を実施。1983年(昭和58年)10月に眼鏡橋、続く1984年12月に袋橋と桃渓橋の復旧工事が完了し、残る6橋は1986年(昭和61年)5月に再架設された橋が開通した。復旧工事の際には自然石を使って景観に配慮しつつ護岸工事を行ったほか、川の流れを妨げにくくする対策として、流失した橋を従来より持ち上がりの大きい橋として設計している。この際、流失前は角柱だった6橋の高欄が擬宝珠付きの高欄となった。
バイパス水路は1988年(昭和63年)に右岸バイパスが建造された、左岸側は住宅街の立ち退きなどの問題があったため着工が大幅に遅れ2006年(平成18年)にようやくバイパス水路が建造された。バイパス水路には堰を設け、一定以上の水量になるまでは右岸バイパスへ水が流れるように設計されている。左岸バイパスの建造と同時に右岸バイパスの上には公園も作られた。更にバイパス水路完成後、2006年(平成18年)から2009年(平成21年)にかけて下流にある中央橋の橋脚撤去と橋桁を薄くする措置が取られた。
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