レディオヘッド(英語: Radiohead)は、イギリスのロックバンド。1985年に前身にあたるバンドを結成。1992年のメジャー・デビュー以降、外部ミュージシャンの起用は多いものの、同じパーマネント・メンバーで活動している。
レディオヘッド | |
---|---|
左からトム、ジョニー、コリン、エド、フィル | |
基本情報 | |
別名 | オン・ア・フライデー |
出身地 | イングランド オックスフォードシャーアビンドン=オン=テムズ |
ジャンル | |
活動期間 | 1991年 - |
レーベル | |
公式サイト | Radiohead Public Library |
メンバー |
彼らのルーツであるポストパンクやオルタナティヴ・ロックの大枠に、ポストロックや電子音楽、ジャズ、クラシック、現代音楽などを混交した多彩な音楽性や、アルバムごとの急進的な実験性・変化が特徴。また、ソロ活動も盛んである。 アルバム総売上は3,000万枚を超えている。
2011年「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第73位。
名前 | プロフィール | 担当楽器 |
---|---|---|
トム・ヨーク (英語: Thomas Edward Yorke) | 1968年10月7日(55歳) イングランド ノーサンプトンシャー | ボーカル ギター ピアノ キーボード |
ジョニー・グリーンウッド (英語: Jonathan Richard Gordon Greenwood) | 1971年11月5日(52歳) イングランド オックスフォード | ギター キーボード オンド・マルトノ ストリングス |
コリン・グリーンウッド (英語: Colin Charles Greenwood) | 1969年6月26日(54歳) イングランド オックスフォード | ベース サンプリング |
エド・オブライエン (英語: Edward John O'Brien) | 1968年4月15日(56歳) イングランド オックスフォード | ギター サンプリング コーラス |
フィル・セルウェイ (英語: Philip James Selway) | 1967年5月23日(56歳) イングランド オックスフォードシャー | ドラムス パーカッション |
オックスフォード郊外のアビンドン=オン=テムズにある男子全寮制パブリックスクールのアビンドン・スクールでメンバー5人は出会う。それぞれ別のバンドで活動したのち、1985年に「オン・ア・フライデー(英語: On A Friday)」というバンドを結成。ジョニー以外のメンバーはスクールを卒業後オックスフォードを離れ、バンドは解散状態になる。
1991年、大学を卒業したメンバーがオックスフォードに戻り、バンドを再結成する。同年にEMI傘下のパーロフォンとメジャー契約し、バンド名をレディオヘッドに変更する。1992年にEP『Drill』でメジャーデビュー。翌年、1stアルバム『パブロ・ハニー』からのシングル『クリープ』が若者から熱烈な支持を受け、世界的なヒットとなる。この当時はUSオルタナティヴ・ロック、UKシューゲイザーなどの影響が頻繁に語られるような、トリプルギターにベース、ドラムという比較的オーソドックスなロックバンドであった。
ギターロックをより押し進めつつもアコースティックソングやサイケデリック・ロックからの影響を昇華した2ndアルバム『ザ・ベンズ』(1995年)により、人気を不動のものとする。この作品からプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチと組むようになる。
この頃から次第にロックミュージック以外の音楽と接近していき、メンバー各自が様々な楽器を使い分けるようになる。1996年明けには映画音楽・サイケデリック・トリップ・ホップなどからの影響をシングルのB面や限定シングルカット「Lucky」などに表出し始め、1997年にはそれらの実験的な試みの結晶ともいえる3rdアルバム『OK コンピューター』(1997年)を発表。このアルバムは全世界で大きな評価を獲得し、1990年代のポップ・ミュージックを代表する金字塔としばしば評される出世作となる。
アルバムの世界的な成功により名声を得たメンバーだったが、評価を得たそれらのサウンドを捨て去り、当時ポップミュージックの分野ではほぼ手つかずのジャンルであったエレクトロニカ・現代音楽などに大きく傾倒。長いスタジオ作業の果てに「商業的自殺」とも言われた4thアルバム『キッド A』(2000年)を発表し、大方の予想を裏切り再度成功を収める。実験的な電子音楽とバンド・サウンドを融合させ、前作『OK コンピューター』からの劇的な変化を遂げた作品となった。
翌年には『キッド A』と同時期に制作された5thアルバム『アムニージアック』(2001年)を発表。1920年代のスウィング・ジャズを取り入れるなど、ジャンルに捕われない音楽性をより明確にした。同年に初の公式ライブアルバム『I Might Be Wrong - Live Recordings』を発表した。
6thアルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』(2003年)では、これまでの実験性を包括したうえで改めてバンドサウンドに立ち返った。このアルバムを最後にEMIとの契約を終了。契約金額で折り合わなかったことが理由と報じられている。同年、ジョニーが初のソロ作品としてテレビ・ドキュメンタリー『Bodysong』のサウンドトラックを発表。翌2006年にトムが初のソロ・アルバム『ジ・イレイザー』を発表。
2005年から新作に向けた活動が再開され、2006年には欧米でのツアーも行われた。2007年10月1日、突然公式ブログにて7thアルバム『イン・レインボウズ』を発表。期間限定の専用サイトを通じ、MP3形式で先行ダウンロード販売が行われた。購入価格は買い手が自由に決める方式となっており、話題になった。同時に、豪華版のディスクボックス(ダウンロード版と同内容のDisc1にDisc2を加えた2枚組CD、同内容のアナログ盤2枚、ブックレット、化粧箱で構成される)も40ポンド定額でリリースされ、2007年12月3日より発送開始となった。その後、TBDレコード(北アメリカのみ)、ホステス・エンタテインメント(日本のみ)、XLレコーディングス(それ以外の全世界)と契約し、通常のCDフォーマットでもリリースされた(内容はダウンロード版、豪華版Disc1と同様)。
2008年に初のベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ』と同タイトルのベストDVDをリリース。バンド自身は曲順やアートワークなどの制作全般に関わっておらず、EMIが残されたアルバム契約を消化するために行われた。
2009年より、トムがレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、ナイジェル・ゴッドリッチらと共に新バンド「アトムス・フォー・ピース」(ソロ・アルバムの曲名が由来)を結成。セットリストはソロアルバムの曲を中心に、他バンドのカバーや新曲をちりばめたようなもので、各所でライブを精力的に行っている。
2010年よりフィルがソロ・アルバム『Familial』を発表。また、フジロックフェスティバルにアトムス・フォー・ピースが出演した。
2011年2月14日、突如公式サイトにて8thアルバム『ザ・キング・オブ・リムズ』の完成を発表。専用サイトにて、アルバムダウンロード(MP3又WAV)と豪華版ニュースペーパー・アルバムの予約受付を開始した。7月4日には『ザ・キング・オブ・リムズ』のリミックスシリーズの発売が決定。完全生産限定12インチ・アナログシングル(輸入盤のみ)と、デジタル・シングルでの発売となる。「リトル・バイ・リトル」と「ロータス・フラワー」のリミックスが収録された。
2011年春、2013年夏、2015年夏と断続的にスタジオ入りが報じられており、ジョニーはインタビューで新作には未発表曲の「Lift」が収録される予定だと答えている。
2015年、映画『007 スペクター』の主題歌候補として「スペクター」を歌うが、最終選考でサム・スミスに敗れた。
2016年に9thアルバム『ア・ムーン・シェイプト・プール』が発表されたが、上記の「Lift」は収録されなかった。
2019年には、ロックの殿堂入りを果たした。
レディオヘッドのメンバーは、ジョイ・ディヴィジョンやマガジン、スージー・アンド・ザ・バンシーズ 、U2といったポストパンクや、ピクシーズやR.E.M.やソニック・ユースといったオルタナティヴ・ロックに早くから影響を受けてきた。また、トムは小学生の頃にはクイーンなどを好み、エルヴィス・コステロなども聴いていた。1990年代半ばにはマッシヴ・アタックやDJシャドウなどのエレクトロヒップホップからの影響をうかがわせ、それらは『OK コンピューター』に顕著である。他に『OK コンピューター』にはマイルス・デイヴィス、エンニオ・モリコーネなどや、ビートルズやビーチ・ボーイズ、ピンク・フロイドなどからの参照が見受けられ、メンバーもそれを公言している。
『キッド A』で、メンバーはグリッチやアンビエントなどのエレクトロニカの手法に関心を見せ、ワープ・レコーズのオウテカやエイフェックス・ツインといったアーティストの音楽性に接近していった。またそれ以降、モダン・ジャズのアリス・コルトレーンやマイルス・ディヴィス、チャールズ・ミンガス、アート・ブレイキーなども好んで参照し、カン、ノイ!、クラフトワークなどのクラウトロックの影響も顕著である。特にジョニーはいわゆる現代音楽や、オリヴィエ・メシアン、クシシュトフ・ペンデレツキ などの独特の方法論を持った音楽家からの影響も大きい。
レディオヘッドの楽曲は、基本的に作詞/作曲のクレジットがメンバー全員(Radiohead)となっている。これは、曲の大枠やデモの多くを作るのはトムだが、そこからさらに議論を重ねてそこに肉付けしたり、逆に削ったりすることで楽曲の元を作っているからである。録音についてもパート別に順ぐり録音したりするのではなく、メンバー全員とプロデューサーでアレンジを議論し、個々がパートにとらわれずに音楽を作っている。パートごとの演奏者もまちまちで、あまり問題とされない。ストリングスやブラスバンド主体の曲などでは、楽隊を呼んで録音するため、そもそもメンバーが譜面やアレンジを指示するだけで演奏しないこともあり得る。歌詞については、基本的にほぼ全てがトムによって作詞・推敲される。
グラフィック・アーティストのスタンリー・ドンウッド (Stanley Donwood) は、『ザ・ベンズ』以降、レディオヘッドの全作品のアートワークを手がけている。彼はトム・ヨークの大学時代からの友人であり、トムの社会活動にも一緒に参加している。
基本的にアートワークはアルバムごとに一定のテーマが決められている。シングルのジャケットやツアーでのグッズなど、次のアルバムをリリースするまではそのテーマに沿ったものが作成される。
シングルと各国ごとの収録曲内容等、更なる詳細は英語版Wikipediaのディスコグラフィを参照。
レディオヘッドの作品には、ダウンロードのみで発表される楽曲(アートワークも含む)も存在する。
日本のkilk recordsよりリリースされた国内アーティストによるトリビュート。
レディオヘッドのメンバーは社会問題に関心が強く、これまでに多くのキャンペーンに関わってきた。
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article レディオヘッド, which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0"); additional terms may apply (view authors). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses.
®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.