フレームレート

フレームレート (Frame rate)は、動画において、単位時間あたりに処理させるフレームすなわち「コマ」の数(静止画像数)を示す、頻度の数値である。通常、1秒あたりの数値で表し、fps(英: frames per second=フレーム毎秒)という単位で表す。

映像のサンプリング周波数ともいえ、表示装置(テレビ受像機ビデオモニターディスプレイ等)のリフレッシュレート同様、単位にヘルツ (Hz)が使われる場合もある。ただし、リフレッシュレートと必ずしも同一の値を示すものではない(後述)。

連続しているものを対象とした標本化であることから、ヒトの視覚における残像効果ストロボ効果に由来する、映像の質感や見た目に大きく関係する。値が大きくなるほど動きが滑らかに見える。

概要

指標

動画の処理全般で、映像信号映像機器の規格の仕様、性能の目安、伝送に要求される通信路容量の計算、などにフレームレートは使われる。コンピュータグラフィックス (CG)を用いた映像編集における処理・出力で求められるフレームレートは、ハードウェアソフトウェア、ネットワークの性能により左右される。

媒体や規格によって、フレームレートはさまざまに異なる。主な在来媒体のフレームレートは以下の通り(コマ (映画・漫画)#その他の映像のコマも参照)。

  • 23.976 fps - 映画等のフィルムのコマ数の換算。コンピュータでは24 fpsで置き換える場合がある。
  • 25 fps - PAL規格のコンポジット映像信号ヨーロッパオーストラリアなどのアナログテレビ放送・ビデオソフトなど。
  • 29.97 fps - NTSC規格のコンポジット映像信号。日本北米などのアナログテレビ放送・ビデオソフトなど。コンピュータでは30 fpsで置き換える場合がある。人間の視覚に近いとされる。
  • 50 fps - 上記のPAL規格に準じ、秒あたりのコマ数が倍になった(より滑らかな質感の)映像。
  • 59.94 fps - 上記のNTSC規格に準じ、秒あたりのコマ数が倍になった(より滑らかな質感の)映像。ISDB規格(プログレッシブ方式)など。コンピュータでは60 fpsで置き換える場合がある。

技術革新が進み、各機器で60 fps以上の動画作成および再生が可能になっている。

フレームレート変更処理をコンバートと呼ぶ。映像のコンバート参照。あえてフレーム数を落とす映像効果(シネマエフェクト)などに用いられる。

臨場感と快適性

日本のテレビ放送は30 fpsのため、日本人はこれ以上であれば違和感を感じないとされる。

オンライン会議では15 fps程度あれば違和感を覚えないとされる。

YouTubeではアップロードする動画のフレームレートに関して「24~60 fps」を推奨している。

人間の視覚特性において解像度で臨場感が向上するのは4320pが上限であるが、フレームレートによる向上は240fpsが上限とされることから、4320pディスプレイの実用化以降は、フレームレートの向上に技術開発のトレンドが移ると予測されている。

走査とフレームレート

表示装置の走査方式がプログレッシブ・スキャンであればリフレッシュレートと同じ値になるが、NTSCのテレビ放送など、走査方式がインターレースの場合、フレームレートはリフレッシュレートとは一致しない。

NTSCなどでは、2:1インターレースのため、1つのフレームは、2つのフィールドからなっている。したがって求められるリフレッシュレートは表示したい映像のフレームレートの2倍となる。同じフレームレートで比較すれば、プログレッシブ・スキャンよりインターレースの方が、ヒトの視覚上は滑らかに見える。

ある低いフレームレートの映像媒体を、より高いフレームレートが求められる機器で再生する場合、表示側でちらつきや音ズレなどの不具合を感じさせないように、元のフレーム内容を動かさないままで、高いレートに合わせてフレームを再分割する処理を行う必要がある。フィルム (23.98fps)作品をテレビ (29.97fpsなど)で放送するための処理例はテレシネ#フレームレートと走査方式を参照。

ビデオカメラや、初期世代のコンピュータ・ゲーム機などでは、単純にリフレッシュレートに合わせて処理すれば済んだ(映像信号伝送のための同期信号)。しかし、各機器が高処理化・デジタル化するに従い、リフレッシュレートと同等の頻度で、バックエンドで必要な処理が増えるに至った(任天堂ファミコンなどのようにスプライトベースで信号を生成するのに対し、ソニーPlayStationなどいわゆる「次世代ゲーム機」などでは、ポリゴン処理など3DCGも30 fpsでおこない、同一時刻ベースで偶数フィールドと奇数フィールドの画像を生成していた)。CGの用語では、この処理レートを「フレームレート」と呼ぶ場合があったため、混乱が生じた。

脚注

参考文献

  • 黒木 義彦、高橋 春男・日下部 正宏・山越 憲一「通常および高フレームレート映像刺激が脳波に及ぼす効果」『映像情報メディア学会誌』第67巻第8号、映像情報メディア学会、2013年7月25日、J340-J346、ISSN 1342-69072021年3月19日閲覧 

関連項目

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