氷旗の例。もとは許可証であり「官許」と「産地(企業名)」が記されていた。文様は波に千鳥である。 マンゴー氷 日本では、かき氷を売っている店は氷旗(白地に赤い文字で「氷」と書かれた幟〈のぼり〉)を掲げていることが多い。夏季に社寺 の境内 で催される祭礼 や縁日 などでは綿菓子 、たこ焼き 、焼きそば とともに売られる代表的な縁日物 ( えんにちもの ) の一つであり、夏の風物詩 、季語 の一つである。
呼称
最も一般的に普及している呼び名である「かき氷」は、東京方言 の「ぶっかきごおり」に由来する。他の呼称として夏氷 ( なつごおり ) 、氷水 ( こおりみず ) など。近畿 では「かちわり(ごおり)」などとも呼ばれる。かき氷以外に、飲料を冷やしたり涼をとったりするのに使われる、砕いた氷は「かち割り 」を参照。
日本の喫茶店 や洋風の飲食店では、かき氷をフラッペと呼んで提供していることがある。「フラッぺ」(フランス語 : Frappé )は、本来はクラッシュドアイス にリキュール などの酒 類を注いだ飲料のことである。日本ではシロップをかけたかき氷を指すことが多いが、「かき氷」に対して「フラッペ」は氷の砕き方がやや大粒であるとする説もある[要出典 ] 。また大阪府 付近など一部の地域では、一旦かき氷状にした氷に掌で圧力をかけて少々固めたものをフラッペと呼び、かき氷とは区別している[要出典 ] 。
歴史
史実上の記録は平安時代 に清少納言 の『枕草子 』「あてなるもの」(上品なもの、良いもの)の段に、金属製の器に氷を刃物で削った削り氷(けずりひ、文中では「けつりひ」)に蔓 草の一種である甘葛 (あまかづら・あまづら、蔦 の樹液または甘茶蔓 の茎 の汁)をかけたとして「削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺 ( かなまり ) に入れたる」と記述されている。藤原定家 の『明月記 』にも登場する。製氷 技術のなかった当時、夏に氷を求めるにはあらかじめ冬の雪 や氷を氷室 で保存する以外に方法が無く、かき氷は特権階級しか口にできないものであった。
1869年 (明治 2年)、神奈川県 横浜 にある馬車道 で町田房造が初めての氷水店を開店(日本においてアイスクリーム を発祥させた店でもある)。また、1871年 (明治4年)、中川嘉兵衛 が五稜郭 の外堀で生産した天然氷 が「函館氷 」と銘打って京浜市場に登場しそれまでのアメリカ合衆国 ボストン 産の輸入氷「ボストン氷 」に比べて良質でかつ低廉であった。
1878年 (明治11年)、粗悪な氷が販売される事を取り締まるために内務省 から「氷製造人並販売人取締規則」が公布された。これにより営業者は、衛生検査に合格した氷の生産地・販売者名を示したのぼりや看板を掲げる事が義務付けられた。この時に配られた旗が現在の氷旗のデザインの元になっている。
1882年 (明治15年)頃には博物学者のエドワード・S・モース が、かき氷を食べたことを自著に記している。
1883年 (明治16年)には東京製氷株式会社ができて人工氷の生産が拡大。このようなこともあり明治20年代になると、かき氷は大衆的な飲食物となるに至った。1887年 (明治20年)には村上半三郎が氷削機 ( ひょうさくき ) を発明して特許 を取る。1895年夏に、氷店は、東京 や横浜では「5歩に1店、10歩に1舗」といわれるほど増え、氷水は1銭、ほか氷イチゴ、氷レモン、氷しるこ 等多種あった。しかし、氷削機が一般化するのは昭和 期に入ってからであり、それまでは台鉋を用いて削る方法が一般的であった。
第二次世界大戦 前は、削った氷に砂糖 をふりかけた「雪」か、砂糖蜜をかけた「みぞれ」、小豆 餡をのせた「金時」が普通のメニューであった。戦後、かき氷専用のいちごやレモン風味のシロップが販売されるようになった。
現代において夏に涼しさを得られる食べ物としてはアイスクリーム もあり、ウェザーニューズ が2022年8月にスマートフォン の天気アプリ の位置情報を利用して実施したアンケート調査によると、アイスクリームよりかき氷を食べたいという回答は、気温に比例して増え、34度 を境に過半数(52%)を占めた。
作り方
作り方の一例を示す。これらシロップのかけ方や量は地域差がある。
あらかじめかき氷を入れる器を冷凍庫などで冷却しておく。 器にかき氷器を用いてかき氷を若干載せ、シロップをレードル(甘露尺、甘露杓子)一杯分をかける。 続けて、かき氷器を用いてかき氷を盛る。この時、器は斜めに満遍なく回転させ山盛りになるように盛りつける。 シロップを1-2杯程度かける。 各種盛りつける果物や添え物などのトッピングを載せる。 器
発泡スチロールの器に入れて提供された、かき氷(レモンシロップ)。 プラスチック製のスプーンストローが添えられている。 和風 涼しさを演出する透明なガラス や切子 ( きりこ ) の広口の器を用いることが多い。氷が溶けにくいように、肉厚の陶器の丼が用いられることもある。明治時代には水呑コップや脚付きコップなどの汎用のコップが使われていたが、明治の終わり頃から氷コップ と呼ばれる専用のガラス器も使われるようになり、この器は大正時代から昭和の戦前頃まであぶり出し技法などを駆使した独特の発達を遂げた。 洋風 器を手で持ったときに手の体温で氷が溶けてしまいにくいように、細い脚が付いたガラス器を用いることが多い。 発泡スチロール 露店 での販売では発泡スチロールの器がよく使われる。 ガラスコップ スムージー に近い、シロップや果汁の多い物もガラスコップ(グラス)に盛られる場合がある。 紙カップ、プラスチックカップ 露店での販売では紙製あるいはプラスチック製のかき氷カップ が用いられる場合が多い。また、露店での販売の場合にはかき氷専用のスプーンストロー が添えられることが多い。また、工場で製造され、プラスチックカップに入ったままでスーパーマーケット やコンビニエンスストア で販売される例もある。 袋 九州地方 では、スーパーやコンビニで売られるかき氷として、カップではなく袋詰めにしたものが普及している。 かき氷機
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昭和期のかき氷機 天然氷を刃物の刃先で削ぎ落としたのが始まりとされ、この方法は現代でも日本料理で用いられている。さらに簡便な方法としては、野菜を薄切りにするスライサーを用いても同様のことができる。その後、鉋の刃を上にしたカツオブシを削る鰹箱(かつばこ)、または前述のスライサーのような状態にした大鉋の上で滑り止めとして布巾などを被せた氷を滑らせ、削り落ちてきたものをすくうようになる。1887年 (明治20年)に氷商の村上半三郎が特許を取得して公に知られるようになった。
現代のかき氷器は鉋状の刃のついた台座の上で氷の塊が回転し、氷をスライス状に削りながら氷の塊を繰り下げていく仕組みをもつ。氷削機 ( ひょうさくき ) 、かき氷メーカー、フラップメーカー、アイスシェーバー、アイススライサーなどと呼ばれる。英名はIce block shaver。
かき氷器には粉雪のように細かい粒子のかき氷を削り出すことができるものと氷の薄い切片状のかき氷になるものがある。この要因として用いる氷の違いが挙げられる。近年、小型で高性能ながらアイスストッカー付きのキューブアイス用製氷機が出回ってきたことや各種電化製品の普及により、かつては氷を入手するために必須であった氷商への依存度が激減した。加えて重さ1貫 (3.75キログラム )の角氷と言われるブロックアイスを扱う氷商も減少傾向にある。さらに天然氷のように冬の間に暴露で凍らせておき需要があるまで氷室 ( ひむろ ) でストックできる生産者も減ってきている。ただし、インターネットや、コンビニエンスストアでの取扱があるため、角氷の入手は容易に成りつつある。各種電化製品の普及のためかき氷器の製造メーカーは家庭用はブロックアイス用からキューブアイス用に移行し、粉雪状のかき氷と薄い切片状のかき氷に二分された。
ブロックアイスを用いる製品は「ブロックアイスシェーバー」「ブロックアイススライサー」などと、キューブアイスを用いる製品は「キューブアイスシェーバー」「キューブアイススライサー」などとも呼ばれる。
業務用は、古くは鋳物のフレームに大きな手回しハンドルが本体横に付いたものが主流であったが、後に氷を回転させるモーターが剥き出しで取り付けられているものに代わっていき、近年ではモーターを内蔵したスタイルに移行している。併せてキューブアイス用のかき氷器が製造され、粉雪状ではなく細かい氷の粒のかき氷が普及するようになった。現在でも手回し式のものはレトロ調として販売されている。
家庭用は手回しのものが多く、専用の円筒形の製氷皿で作った氷を用いる。一般的な製氷皿で作るキューブアイスを用いてもかき氷を作ることができる機種もある。主に子供向けとして需要が高いため、安全面から金属製の刃は用いられないことも多い。またペンギン や白熊 など寒冷地の動物を模した形状のものも発売されている。
種類
同一のものであっても地域によって呼び名や盛りつけ方が異なる。かき氷専用のシロップは「氷蜜 ( こおりみつ ) 」と呼ばれる。
シロップ 類 イチゴシロップ 赤色のシロップ メロン シロップ 緑色のシロップ レモン シロップ 黄色のシロップ ブルーハワイ 青色のシロップでカクテル のブルー・ハワイ を連想させる。トロピカルフルーツ各種を添えることも多い。九州 などではハワイアンブルー と呼ぶこともある。レモン ・オレンジ 等の香料が使われ、同じく寒色 系統で着色されているソーダ味(日本式サイダー 味やラムネ 味)アイスキャンディーに近い風味のものが多い。 コーラ シロップ カラメル色のシロップ。炭酸飲料のものとは異なり、炭酸は入っておらずそれ以上に甘い[独自研究? ] 。 水 ( すい ) 砂糖水 ( さとうすい ) を略して「水」と言い、砂糖を煮詰めて作る無色のガムシロップをかけたものと混同されやすいが、水に砂糖を溶かしただけのものをかけるのが「水」。「氷水 ( こおりすい ) 」と呼ばれることがある。 「みぞれ」・「せんじ」・「甘露(かんろ)」と呼ばれるものはシロップをかけたもの。せんじと呼ばれるのは、愛知県、岐阜県、三重県であるが、語源は砂糖を煎じ煮詰めてシロップを作ったからである。 また「甘露 ( かんろ ) 」は真桑瓜 ( マクワウリ ) の果汁を煮詰めて作ったシロップを指すことがある。 マンゴー シロップ 橙色・黄色のシロップ オレンジシロップ 橙色のシロップ 日向夏 シロップ 山吹色のシロップ ブドウ シロップ 紫色のシロップ ピーチ シロップ 桃色のシロップ 抹茶 シロップ 濃緑色のシロップ レインボー いろんな色のシロップをかけた多色のもの。 濃縮乳酸菌飲料 カルピス などの濃縮液。地域によってはそのまま「カルピス」と呼ばれることがある。 コーヒー 濃く淹れたコーヒー。シロップや加糖練乳とともにかける。 黒蜜 黒糖 を湯で溶かしたもの。台湾 のかき氷では一般的。 加糖練乳 コンデンスミルク。かき氷のメニューに「ミルク」と書かれている場合、牛乳 ではなく、コンデンスミルクを指している。単独でかけるよりもトッピングにされることが多い。 梅酒 大人向け ※イチゴシロップなどは、無果汁で着色料 で色を付けたものがほとんどだが、果汁や果肉を混ぜたものも一部には存在する。 アイスクリーム かき氷の上のトッピングとしてアイスクリームを乗せる場合もある。 宇治金時のかき氷 宇治金時 ( うじきんとき ) または抹茶小豆 ( まっちゃあずき ) 銘茶として名高い宇治茶を連想させる抹茶 に砂糖と水を加え、茶筅で泡立てたシロップをかき氷にかけ、小倉餡 を載せたもの。この場合の「金時 」は小豆餡の異称として用いられており、金時豆 が使われることは稀である。つぶ餡のばあいは、抹茶の上に載せるようにかけ、漉し餡の場合はボール状にして添えることが多い。下部に埋設することもあり、この場合単なる宇治氷と区別がつかない。金時のアズキ色とかき氷の白、抹茶の緑の対比をさせるために餡の上に抹茶をかけることはない。勿論、宇治だけのものもある(抹茶だけ)、また、宇治金時にミルクをかけた「宇治ミルク金時(宇治時雨)」も一般的である。宇治ミルク金時は1929年 (昭和4年)に岡山県 岡山市 表町 で開業した喫茶店「カニドン」において、常連の六高 生が注文した宇治金時にコーヒー用ミルクをかけて食したのが始まりとされている。 氷小豆 ( こおりあずき ) 前記、水をシロップとして小豆餡を載せたもの。これに練乳をかけたものは「ミルク金時」と呼ばれている。 雪 ( ゆき ) 砂糖をかき氷に振りかけたもの。戦前は一般的であったが、戦後はほぼ消滅したメニューである。 酢だまり氷 ( すだまりごおり ) 山形県 山辺町 周辺に伝わる酢醤油 (酢溜まり)をかけた氷。イチゴシロップなどとともにかけられる。第二次世界大戦 後の貧しい時期に、シロップなどが手に入らず何もかけないかき氷が食べられていた。その頃にところてん などに用いられていた酢醤油をかけ始めたとされる。 あかふく氷 ( あかふくごおり ) 伊勢路の夏の風物詩の一つ。かき氷に赤福 ならではの餡と餅、抹茶仕立てのシロップをかけたもの。ほうじ茶が添えられる。1961年 (昭和36年)7月に三重県 の伊勢名物である赤福餅 を「赤福アイス」の名称で氷菓として海水浴客に供したのが興りとされる。夏季には氷旗とは異なり赤福の赤い文字と青い氷の文字が書かれた看板が店先に置かれる。餡はこし餡で、餅については白玉団子より柔らかく、ゆでた後に搗いた餅が入っている。 赤福氷。
かき氷の中に赤福の餡と餅が別々に入っている。
白くま (しろくま、氷白熊とも) 発祥の鹿児島市 周辺、および九州 でよく見られる名物氷菓。ミカン やパイナップル の缶詰などの果物を盛り込み、アズキを乗せ、加糖練乳 をかけたもの。この組み合わせでカップ入りの氷菓やアイスキャンディーも作られている。 ぜんざい 沖縄県 の名物氷菓。金時豆 を黒糖 などで煮たものの上にかき氷をかける。 白雪 ( しらゆき ) シロップ等を使用しない、プレーンのかき氷。「プレーンはかき氷ではなくかち割り だ」とする人もいるが、中には愛好家もいる。 雪くま ( ゆきくま ) 夏の猛暑で知られる埼玉県熊谷市 で、町おこし の一環として、地元の水を利用したかき氷を考案し、市内の飲食店でオリジナルかき氷を競作した。 横浜スタジアムで売られている みかん氷 コバルトアイス 蜂楽饅頭が出しているかき氷。コバルトミルクと呼ばれる場合もある。主に熊本県 をはじめとした九州付近では知られている。ブルーハワイと加糖練乳をかけたもの。 みかん氷、パイナップル氷 横浜スタジアム で売られているかき氷。缶詰 ミカンもしくは缶詰パイナップルを乗せ、その上に缶詰のシロップをかけただけの、シンプルなもの。 焼き氷 20世紀初頭に通天閣 前の喫茶店「白雨亭」に「焼き氷」の看板が掲げられていたことが確認された。資料によると、当時で珍しかったカラメルソースをかき氷にかけたのではないかと推測されている。 2012年に通天閣100周年として、新世界に近い「グリルDEN・EN」が「平成の焼き氷」というメニューを提供するようになり、そのカラメルソースの上に焼酎と思われるアルコールを上からかけて火をつけている。2013年、『ごちそうさん 』(NHK総合テレビジョン ・連続テレビ小説 )で取り上げられ注目されている。 備考 日本かき氷協会 は7月25日 をかき氷の日 と制定している。かき氷の別名である夏氷 ( なつごおり ) を7, 2, 5と語呂合わせ したほか、1933年 同日に当時の日本の最高気温 が記録されたことにちなむ。 一般的にかき氷がおいしく感じられる(売れ時の)温度は摂氏30度以上とされる。 冷蔵庫の発達しない時期などは衛生的に優れないことがあった。 水を凍らす前に水に砂糖を溶かしてから凍らすと出来た氷がサラサラになる。また食べ頃とされる温度は、アイスクリームの食べ頃とされる氷点下 10度よりも少し高めとされている。 現在、日本で天然氷 を製造している蔵元は、関東周辺では栃木県に3か所、山梨県に2か所、埼玉県に1か所ある。 各国のかき氷 削った氷を食べる文化は古くから各地に存在した。古代ローマにはアルプスから氷を切り出して氷室に保存しておき、夏季にそれを削って蜂蜜 をかけて食べる文化があった。
アメリカ合衆国 ではshaved ice (剃り氷)、snow cone (円錐形の雪)と呼ばれる。
中国語 では「刨冰 」(バオビン、拼音 : bàobīng )という。台湾語 ではツワピン、漢字表記は剉冰 と銼冰 と二つがある。
台湾 「冰讃」という冰館で提供される芒果雪花氷 草莓氷 台湾 のかき氷は台湾総督府時代 に日本から伝われたと言われ、専門的な漢字表記もあって、「剉冰」や「銼冰」と書く。近年中国からの影響で中国語の「刨冰」の書き方もよく使っている。「剉・銼・刨」はかき氷の「かき」に当たる漢字で、「冰」は「氷」の繁体字 。台湾のかき氷の名称の前半は上に乗せる具の漢字を付け、名称の後半はかき氷のタイプに付けることが一般的である。例えば、イチゴの漢字は「草莓」であり、イチゴ味の「雪花氷」タイプのかき氷は「草莓雪花氷」と書く。中華民国 の台湾では「冰館(ICE ROOM、ピングアン、注音 : ㄅㄧㄥ ㄍㄨㄢˇ )」という氷菓 の専門店から各地に広がり、日本にも上陸した。また、台湾のフルーツ味のかき氷の場合では基本的に本物のフルーツや果汁を乗せられていて、日本のように氷蜜は使わない。
芒果氷 ( マングォビン ) (注音 : ㄇㄤˊ ㄍㄨㄛˇ ㄅㄧㄥ ) 2004年 頃から発展し、最新でありながら今でも流行している台湾の代表的なかき氷。芒果はマンゴー に当たる漢字。新鮮なマンゴーの切り身をたっぷり乗せ、マンゴーのジュースやアイスクリーム、加糖練乳 をかける。 雪花氷 ( シェファビン ) 、また雪綿氷 ( シェメンピン ) (注音 : ㄒㄩㄝˇ ㄏㄨㄚ ㄅㄧㄥ ) 特殊的な氷の削り方法を使って、氷の形状を雪の花のようにするき氷。日本では「雪花氷」という名前は既に別のアイス系スイーツに商標 登録されており、日本国内では無断で使用することはできない。また、一番人気な雪花氷は前述のマンゴー味のものなので、漢字表記は「芒果雪花氷」と書く。 紅白団子氷 ( ホンバイトゥアンズビン ) 茹でたピンクと白のもち団子をかけたかき氷。店によって、団子の中では黒ゴマ・白ゴマ、アズキ、抹茶などの餡 も入れている。 月見氷 ( ユエチエンピン ) (注音 : ㄩㄝˋ ㄐ|ㄢˋ ㄅㄧㄥ ) かき氷の上に蒟蒻 、練乳 、ドライフルーツ などをトッピングした後、真ん中にくぼみを作って、鶏卵 のプリン や黄色のアイスクリームを割り入れたもの。「月見」は日本語 からの借用で、日本統治時代の台湾 で考案されたと考えられる。 三果氷 ( サングオビン ) 、また三色氷 ( サンスアビン ) 三つの果物(スイカ 、パイナップル 、キウイ )とそれぞれの果汁をかき氷に乗せた豪華なスイーツ。店によって、黄色のパイナップルはバナナ 、マンゴー、メロン に代わり、赤色のスイカはイチゴ 代わり、いずれも揃っていた三色を重視。なお、オレンジ色のオレンジ や蜜柑 を加えて、四色の四果氷になることも可能。 八宝氷 ( バーバオビン ) (注音 : ㄅㄚ ㄅㄠˇ ㄅㄧㄥ ) かき氷の上に甘い煮豆をはじめ、多くの具を盛り合わせたかき氷を台湾では「八寶冰(八宝氷)」という。好みで果肉、ジャム 、蜜煮の果物、「QQ」と呼ばれる弾力のあるフルーツ製団子 、ライスヌードル 、ナッツ 、加糖練乳、クリームプリンなどが選べ、「八つの宝を茶碗に盛り上げた」イメージを作る。 牛奶氷 ( ニオナイビン ) 「牛奶」は牛乳の意味。水の中に牛乳を加えて、氷状にしたかき氷。 黒糖氷 ( ヘイタンビン ) 前述と同じく、水の中に黒糖 の蜜を加え、氷状にしたかき氷。 泡泡氷 ( スグオビン ) 泡泡は「大量なバブル」の意味を指し、かき氷とミルクセーキ の間のかき氷。 刀削氷 ( ダオシャオビン ) (注音 : ㄉㄠ ㄒㄧㄠ ㄅㄧㄥ ) 台湾の別のタイプのかき氷。手で包丁を持って削るので、粗いクラッシュドアイス に近いものができる。各種氷蜜と練乳をかけて食べ、日本のかき氷と一番近いと言われている。 その他の国 香港の古いタイプの紅豆冰 韓国のパッピンス フィリピンのハロハロ 紅豆冰(広東語 :ホンダウベン) 香港 のかき氷。旧来のものは、グラスに冷やした小豆のぜんざい を入れ、エバミルク をかけ、その上に荒めに削った氷を山のように載せる。匙も出されるが、もともと飲料的要素が高く、現在はクラッシュアイスに変わった店がほとんどのため、飲料と認識されている。変種としてアイスクリームを加えたものや、「菠蘿冰」(パイナップル 氷)などがあり、「茶餐廳 」や「冰室」と呼ばれる喫茶軽食店で提供される。 ケテック 新疆ウイグル自治区 (東トルキスタン )のかき氷。蜂蜜を混ぜた手作りヨーグルト がかけられる。山頂付近から運んだ天然氷を先端部がフォーク型の金属棒器具で削ぎ、砕く様に削る。 ピンス (朝鮮語 :氷水、빙수 ) 朝鮮半島 のかき氷。代表的なのがパッピンス (팥빙수 )で、名前には小豆 ( パッ ) が付いているが、日本の氷小豆とは異なり、台湾の八宝氷同様に、小豆餡や缶詰フルーツ、餅といっが具が豊富に盛られており、味付けによくきな粉 を使う点と、ピビンパ 同様に食べる前に徹底的に混ぜるのが特徴的。他に小豆抜きで、フルーツを乗せたクヮイルピンス (果実氷水、과일빙수 )など様々な種類がある。お店では通常、二人前以上の分量が器に盛られている場合が多く、(鍋のように)複数人で分けて食べるのが一般的。 シェイブアイス(SHAVE ICE ) ハワイ のかき氷。上記で紹介した“shaved ice”とは別物。アイスシェイブ とも呼ばれる。 1800年代中頃に日本からハワイへの移民が、農作業の合間に涼をとるために日本のかき氷を持ち込んで、砂糖やフルーツジュースをかけたのが原型とされる。 カラフルなシロップをかけるのがスタンダードであるがフルーツやアイスクリームなどのトッピングも好まれる。トッピングの中には日本のかき氷由来の甘く煮た小豆も人気が高い。 グラッタケッカ (GRATTACHECCA) イタリア のローマ 地方の氷菓子。 ハロハロ (Halohalo) 豆の餡、ナタ・デ・ココ 、アイスクリームなど、豊富な具を乗せたフィリピン のかき氷。Halohaloはタガログ語 で「ごちゃ混ぜ」を意味する。日本ではミニストップ のコールドスイーツの名称として名が広まっている。 タッチェー ベトナム のかき氷。かき氷の上に、緑豆やココナッツ 入りの白玉ぜんざい(チェー/che)がかかっている。 ボボチャチャ ハロハロによく似ているシンガポール のかき氷。「ボボチャチャ」とは「ごちゃ混ぜ」の意である。 アイス・カチャン (Ais kacang) マレーシア のかき氷。氷の上にカチャン(豆)の甘煮が乗る。氷自体に味を付けて鉋屑のように一続きに削った物も存在する。 エス・チャンプル (es campur) インドネシア のかき氷。果物やタピオカが乗っている。 フリオフリオ(FRÍO FRÍO) ドミニカ共和国 のかき氷。手押し屋台 で販売している。使い捨てのプラスチックのコップにかき氷を入れて、その上からシロップをかける。かき氷は氷の塊を金属器具にて鉋で削るようにして作る。シロップは、レモン、タマリンド など数種ある。 脚注 関連項目 外部リンク ウィキメディア・コモンズには、
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