『101匹わんちゃん』(ひゃくいっぴき わんちゃん、原題:One Hundred and One Dalmatians)は、1961年1月25日に公開したアメリカのウォルト・ディズニー・プロダクションが製作したアニメーション映画である。日本での初公開から1981年再公開時までのタイトルは『101匹わんちゃん大行進』であった。
101匹わんちゃん | |
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One Hundred and One Dalmatians | |
監督 | ウォルフガング・ライザーマン ハミルトン・ラスク クライド・ジェロニミ |
脚本 | ビル・ピート |
原作 | ドディー・スミス |
製作 | ウォルト・ディズニー ロイ・O・ディズニー |
製作総指揮 | ケン・ピーターソン |
出演者 | 下記参照 |
音楽 | ジョージ・ブランズ |
製作会社 | ウォルト・ディズニー・プロダクション |
配給 | ブエナ・ビスタ・ディストリビューション 日本RKO |
公開 | 1961年1月25日 1962年7月27日 |
上映時間 | 79分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $4,000,000 |
興行収入 | $215,880,014 $144,880,014 |
配給収入 | 3億2009万円 |
前作 | 眠れる森の美女 |
次作 | 101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険(101匹わんちゃんシリーズ) 王様の剣(ディズニー・クラシックス全般) |
本作はディズニーのアニメーション史においても重要な、作業工程上の大きな変革があった作品である。それは映画としては初めて、全面的にトレスマシンが導入されたことである。これによりアニメーターが紙の上に描いた原画を、そのニュアンスのままセルに転写することが可能になった。この手法は、以降はディズニー作品のみならず、アニメーション制作におけるスタンダードとなっていく。
原作は1956年にイギリスのウィリアム・ハイネマン社から刊行されたドディー・スミス(Dodie Smith)著の「The Hundred and One Dalmatians」(日本での刊行は『ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語』、文溪堂)。同書には、「The Starlight Barking」(日本での刊行は『続・ダルメシアン 100と1ぴきの犬の冒険』、文溪堂)という続編がある。
この映画の主人公はポンゴ(Pongo)とパーディタ(Perdita)の2匹のダルメシアンである。彼らの飼い主のロジャーとアニータとの結婚式のときに同時に正式に夫婦になった。2匹はある恐ろしい事件に巻き込まれ、99匹もの子犬たちを授かることになる。
1996年には、グレン・クローズを主演に迎えた実写映画『101』も製作された。また、2000年には、ブチのない102匹目のダルメシアン、オッド・ボール(CG技術によってブチを消している)が大活躍するオリジナルストーリーの『102』が製作された。
密接なストーリーの関連がある続編として『101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険』(2003年)も公開された。
なお、アニメ版は1995年10月6日にビデオで、2000年11月17日にDVDで発売された。さらに番外編の『101匹わんちゃん Go Go! ダルメシアン!!』のVHSが1998年9月18日に。日本でのセルビデオ出荷本数は185万本。本作と同じ名のTVアニメシリーズ『101匹わんちゃん』も放送された。
名作小説の翻訳を手掛けている作家・橘高弓枝が完全ノベライズ化しており、1997年3月1日に偕成社よりこの映画と同じ名の小説版が発売されている。
ロンドンの外れにあるフラット(アパート)に住む売れない作曲家ロジャー・ラドクリフの飼い犬のポンゴは、ある日退屈を持て余して自分と飼い主の伴侶探しを始める。すると、パーディタというメス犬とその主人のアニータに一目ぼれし、ロジャーを散歩に連れ出してパーディタたちを追いかける。その結果起きたトラブルがきっかけで、ロジャーとアニータ、ポンゴとパーディタは結婚することになり、ロンドン市内の新居へ移り住むと同時にメイドのナニーがやって来る。そこへアニータの旧友のクルエラ・ド・ヴィルが現れ、子犬が生まれたらすぐに知らせるよう告げて立ち去っていく。元々クルエラが大嫌いなパーディタの不安そうな表情に、ポンゴは大丈夫だと励ましながらも胸騒ぎを覚える。
3週間後の10月の嵐の晩、ポンゴとパーディタの間に待望の子犬が15匹も生まれた(うち1匹はすぐ死んだと思われたが、奇跡的に息を吹き返した)。だが、その時クルエラが再びやって来て生まれたばかりの子犬を購入しようとする。実は彼女はダルメシアンの毛皮でコートを作ろうと目論んでいたのだが、ロジャーの毅然とした拒絶に捨て台詞を吐いて帰っていく。
一安心する一家だったが数ヵ月後、ポンゴとパーディタがラドクリフ夫妻と夜の散歩に出掛けている間に、クルエラの手下であるジャスパーとホーレスが電気会社の検査員を称して夫妻の家を訪れ、必死に断るナニーを横目に押し入り、子犬たちを誘拐してしまう。悲しみに暮れるポンゴたちは、犬同士の情報伝達手段である「夕暮れの遠吠え」で仲間たちに子犬の捜索を求める。その結果、遠吠えはロンドンはおろか遠い田舎、ウィザーマーシュにまで伝わった。知らせを聞いたチブスたちは、外れにある空き家「ド・ヴィル屋敷」に誘拐された15匹と、彼ら以外のクルエラが購入した子犬たち84匹も合わせて99匹も居ることを確認し、話を聞きつけたポンゴとパーディタは早速、子犬たちを救出しにウィザーマーシュへ向かう。
その頃チブスは、ジャスパーとホーレスがテレビ番組を見ている隙を突いて子犬たちを部屋の外へ誘導していた。しかし、チブスの努力の甲斐も虚しくあと一歩のところでジャスパーとホーレスに追い詰められてしまう。しかしその時、ポンゴとパーディタが到着してジャスパーとホーレスを撃退し、チブスはその隙に子犬たちを逃がす。99匹の子犬を救出したポンゴとパーディタは遠吠えで知り合った仲間たちの力を借りてロンドンに向かって走り始め、さらに煤で黒い犬に変装したうえでトラックに乗って逃げ切ろうとする。諦めきれないクルエラは車を暴走させて執拗に追いかけるが、別ルートで追跡していたジャスパーとホーレスがドジを踏んだおかげで車が大破。無事振り切ることができた。
その頃ロンドンのラドクリフ夫妻は、犬たちがいない寂しさを紛らわすかのようにクリスマスの装飾をしていたが、ポンゴたちがたくさんの子犬を引き連れて帰って来た事に驚き、「なんて素敵なクリスマスだ!」と狂喜した。そこでロジャーは田舎の広い土地を購入し、ポンゴとパーディタと99匹の子犬、合計101匹を飼う決意をする。
役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え | |
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1962年初公開版 | 1981年再公開版 | ||
ポンゴ | ロッド・テイラー | 田の中勇 | 池水通洋 |
パーディタ | ケイト・バウアー | 香椎くに子 | 松金よね子 |
ロジャー・ラドクリフ | 台詞:ベン・ライト 歌:ビル・リー | 真木恭介 | 台詞:納谷六朗 歌:早川史郎 |
アニータ・ラドクリフ | リサ・デイヴィス | 水城蘭子 | 一城みゆ希 |
クルエラ・ド・ヴィル | ベティ・ルー・ガーソン | 財部宏子 | 平井道子 |
ミセス・バードウェル | 瀬能礼子 | ||
ルーシー | マーサ・ウェントワース | ||
ナニー | 牧野和子 | ||
クイーニー | 沼波輝枝 | ||
ジャスパー・バダン | J・パット・オマリー | 熊倉一雄 | |
大佐 | 寺田彦右 | 早野寿郎 | |
ホーレス・バダン | フレデリック・ワーロック | 佐山俊二 | 山田康雄 |
クレイブン捜査官 | |||
ラッキー | ミミ・ギブソン | 宮川陽介 | |
パッチ | ミッキー・メイガ | 橋本隆之 | 富士圭一 |
ローリー | バーバラ・ビアード | 村上あつみ | 林泰文 |
ペニー | サンドラ・アボット | 川崎真子 | |
スポッティ | リッキー・ソレンセン | 田付貴彦 | |
チブス軍曹 | デヴィッド・フランカム | 阪脩 | 小宮山清 |
スコッティ | 八代駿 | ||
パーシバル・フォウンスウォーター | チューダー・オーウェン | ||
タウザー | 梶哲也 | ||
大尉 | サール・レイブンズクロフト | 塩見竜介 | |
ダニー | ジョージ・ペリング | 作間功 | |
ラブラドール | ラムゼイ・ヒル | ||
TVアナウンサー | 朝戸鉄也 | ||
プリンセス | クイニー・レナード | 島美弥子 | |
ダッチェス | マージョリー・ベネット | 頼慶子 | |
ラバー | バーバラ・ルディ | 細谷泉 | |
コリー | トム・コンウェイ | 村越伊知郎 | |
クイズマスター | 安原義人 | ||
TVCMの歌手 | ルシール・ブリス | 田中加奈子 | |
腹黒ドーソン | ポール・フリーズ | 原語版流用 | |
吠える犬 | ダラス・マッケノン |
『101匹わんちゃん オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック』 | |
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101匹わんちゃん の サウンドトラック | |
リリース | |
ジャンル | 映画音楽 |
時間 | |
レーベル | Disneyland Records ポニーキャニオン |
英語歌とお話に収録されていたサウンドトラック盤『101匹わんちゃん オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック』(原題:Walt Disney - 101 Dalmatians In Story And Song)は1960年にアメリカで発売されたが、CDではなくLP盤(LP:ST-1908/1963年再売版:DQ-1308)という形態。日本では1991年5月21日にポニーキャニオン(CD:PCCD-00037)から発売されており、世界初CD化。ディスクジャケットは、赤色を基調に子犬のローリーが描かれている。
# | タイトル |
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1. | 「お話(Story)」 |
2. | 「プレイフル・メロディー(Playful Melody)」(Bruns/Dunham) |
3. | 「お話(Story)」 |
4. | 「ケイナイン・クランチス・コマーシャル(Kanine Krunchies Kommercial)」(Mel Leven) |
5. | 「お話(Story)」 |
6. | 「町のクルエラ(Cruella De Ville)」(Mel Leven) |
7. | 「お話(Story)」 |
8. | 「ダルメシアン・プランテーション(Dalmatian Plantation)」(Mel Leven) |
2008年3月19日にウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメントより『101匹わんちゃん プラチナ・エディション』(原題:101 Dalmatians 2-Disc Platinum Edition)と『101匹わんちゃん スペシャル・エディション』(原題:101 Dalmatians Special Edition)というタイトル2種類のDVDが同時に期間限定発売されている。なお、劇場公開版・VHS・LDとは違い、DVDエディションに収録のデジタル・リマスター版のBGMの一部が異なる。
ハイクオリティな仕様で豪華映像特典、スペシャル・ケース(ブックカバータイプケース)を付きのDVD2枚組。ディズニー・ファストプレイ(Disney's FastPlay)という機能があるディスク。
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