『Red』(レッド)は、作家・島本理生による日本の長編小説。著者初の官能小説として「読売プレミアム」に2013年5月8日から2014年8月15日まで連載、加筆修正を経て中央公論新社より2014年9月25日に刊行された。元恋人との快楽に溺れ堕ちてゆく30代主婦の性愛と苦悩を描く。第21回島清恋愛文学賞受賞作。第6回(2015年度)山田風太郎賞候補作。
Red | ||
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著者 | 島本理生 | |
発行日 | 2014年9月25日 | |
発行元 | 中央公論新社 | |
ジャンル | 長編小説 官能小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判 | |
ページ数 | 420 | |
公式サイト | www.chuko.co.jp | |
コード | ISBN 978-4-12-004654-4 ISBN 978-4-12-206450-8(文庫判) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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思春期の女性を数多く描いてきた島本理生による初めての官能小説。家庭を持ちながら、元恋人との関係に快楽的になってしまう30代女性の苦悩と性愛を濃密に描き出している。島本自身も結婚し、子供をもうけたことで「子供側の視点ではもう描けない」と感じたといい、「それならば、同年代の人たちに真正面から読んでいただけるような作品を描こう」と思ったという。タイトルを『Red』にした理由について、島本は「赤は官能的かつ危険を帯びるというイメージがある。以前の自分の小説は“繊細”とか“瑞々しい”というイメージが持たれていて、装丁も青や白といった爽やかな感じの色だった。でも今回は結婚していて、更には子供もいるという中で包み込むような感じではなく、30代女性のリアルさを直に描いてみたかった」と語っている。
結婚し、1人の娘を儲けた村主塔子は、学生の頃からの友人の結婚式に出席、そこでかつて勤めていた会社の上司であり、不倫関係を持っていた鞍田の姿を見つける。
塔子は、娘の翠と夫の真とその両親と同居している。義父の家柄の古風な考えかたに若干の違和感を覚えることがあるが、それらは塔子の中では我慢するものというふうに考えられている。一方で娘を産んで以降、夫の真が全くセックスを求めて来なくなってしまったことに戸惑いを感じていた。そんな中で鞍田と再会し、彼との関係が深まって行く。
塔子は鞍田との関係の再開や友人の矢沢やゆきりんの近況を聞いたこともあり、専業主婦というものに囚われているような感覚を覚え、鞍田の助力もあり、鞍田が現在勤める会社に就職し、少しずつ解放された生活を送り始めるが、鞍田との関係はかつての関係時代から家族の有無が逆転しただけの不倫関係であり、塔子はその関係に不安を覚えつつも、子育てに積極的とは言いきれない夫の態度や嫁姑問題なども影を落とし、鞍田との関係に沈み込んでいく。
その後、鞍田が重い病を患い会社を辞めてしばらく治療に専念するという話を聞いた塔子は、鞍田との関係を続け彼に寄り添って生きて行くべきか、家族、特に娘の翠との絆を守るべきかで身を割かれるような決断を迫られることとなる。
そして、十数年後、中学生になった翠は母の塔子と鎌倉を訪れる。塔子と鞍田との結末に当時の自分の鞍田への反応がひとつの答えを与えていたとは翠は知らず、塔子は涙をながす。
Red | |
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監督 | 三島有紀子 |
脚本 | 池田千尋 三島有紀子 |
原作 | 島本理生『Red』 |
製作 | 荒川優美 赤城聡 久保田傑 |
製作総指揮 | 佐藤直樹 福家康孝 |
出演者 | 夏帆 柄本佑 間宮祥太朗 片岡礼子 酒向芳 山本郁子 浅野和之 余貴美子 妻夫木聡 |
音楽 | 田中拓人 |
撮影 | 木村信也 |
編集 | 加藤ひとみ |
制作会社 | オフィス・シロウズ |
製作会社 | 「Red」製作委員会 |
配給 | 日活 |
公開 | 2020年2月21日 |
上映時間 | 123分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 8300万円 |
三島有紀子監督、夏帆主演で映画化され、2020年2月21日に公開された。R15+指定。
映画では小説と大きく異なる結末となっている。
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