本記事では、2013年3月末に人間への感染が中国で初めて発見されたH7N9亜型A型インフルエンザウイルスによるH7N9鳥インフルエンザの流行について述べる。明確なヒトヒト感染(ヒト間感染)は現在のところ確認されていない。
2013年3月30日の発見から2014年2月27日夜まで、中国本土(香港、台湾を除く)の感染確認例は367人である(死亡者数、回復者数の詳細については不明)。以下、中国の各行政区画における感染者数のデータを記述する。
これらの他に中国本土からの輸入例と考えられる香港(4)、台湾(2)、マレーシア(1)がある。
2013年12月現在日本国内への感染普及の可能性があり、政府などは警戒を強めている。しかし、一般の人間が特に警戒するような状況ではない。家族・医療関係者以外のヒトからヒトへの感染が見られず、、タミフルなどをすぐ服用すれば重症化しない例が多いためである。
2014年1月10日-20日の間で51人の感染が確認された。10日-16日の間での38人の感染確認はそれまでで最高のペースだった。意識・技術の高まりなどにより報告や発見が多くなったとする考えられたり、隠れた感染が広がっていると考えられたりしている。1月31日から始まる春節(中国の旧正月)の祝日について、中国の保健当局は都市部の住民が実家に戻ってウイルスを運ぶのではないかという懸念を発表している。国連の国際連合食糧農業機関(FAO)は、何百万もの人間が帰省し家禽が家庭でしめられると、春節の祝日の間にヒトの感染はさらに増えるかもしれない、と述べた。
2017年には2014年を超える最多の感染者数が報告されており、世界保健機関(WHO)によると、2019年4月時点で累計1500人以上が感染し少なくとも600人以上が死亡している(わずかな輸入症例を除きほぼ中国〈香港、マカオ、台湾含む〉で発生)。そのため、日本の厚生労働省は感染報告が減少しているH5N1型に代わり、中国で感染報告が多いH7N9型をベースとした新型インフルエンザワクチンの備蓄を2019年度以降に進める方針である。
発見以来3週間(最初の感染以来約6週間)で100人以上に感染する2003年のH5N1では見られなかった猛スピード、死亡率20%、感染源が不明であること、人類にH7N9に対する免疫が全くないことが憂慮の大きな原因である。
現在[いつ?]のところ有効なワクチンは存在しないが、タミフルなどの抗インフルエンザ薬に効果があることが判明しているため、万が一感染しても抗インフルエンザ薬の早期投与で治療できると考えられている[要出典][要検証 ](日本感染症学会は倍量投与を推奨している)。
H7N9感染拡大のおそれを受けて、日本政府は、当初2013年5月10日までに施行と規定していた「新型インフルエンザ等対策特別措置法」について、予定を早め、施行令を2013年4月12日に閣議決定し、4月13日から施行した。ただし、明確なヒトヒト感染(ヒト間感染)が確認されなかった今回の流行は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象にはならなかった。
人間から人間への感染は今のところ否定されているが、原因となる動物(自然宿主)は、はっきりとわかっていないため、有効な対策が打てない。
SARS(サーズ)の流行では、宿主の一つとして「ハクビシン」という動物が特定されたため、感染が食い止められたとされる。 ヒトからヒトへの感染があると爆発的に感染が拡大するので一番心配されているが、4月21日現在疑い例が2-3あるだけで、公式には否定されている。
中国の有力ワクチン製造企業であるシノバクの尹衛東CEOは4月14日に、2005年から流行しているH5N1新型インフルエンザより「ずっと深刻な感染状況だ」と述べた。
4月17日現在の疑問点は、ほとんどの感染者が生きた家きん市場とつながりがありながら、4割は家きんにさわっていないと言うことであり、ウイルスが検出されたのはほとんどの場合(農場や農家など5万のうち38、例外は野生の鳩1例のみ)家きん市場からで、各種のインフルエンザウイルスにかかりやすいとされる豚の感染例が一つもないことである。また、上海の家禽市場から検出されたH7N9ウイルスには、ほ乳類に適合するための遺伝子変異がなく、変異のある患者のウイルスとは別系統であるとされる。[要検証 ][要出典]
5月3日現在、市場の鳥からH7N9ウイルスが検出されたのは、ヒトへの感染が発見された10の1級行政区のうち半分の上海市、安徽、浙江、江蘇、河南各省の1市4省だけであり、市場の鳥が主要な感染源であると断定するのには無理がある。
4月18日にECDC(EUの)防疫センターの機関誌「ユーロサーベイランス」に遺伝子解析の結果が発表され、その中で、人間に感染しやすいように変異していることが示された。
「1999-2000年にイタリアで流行したA (H7N1) 型の特徴と、2003年でオランダで流行したA (H7N7) の流行の特徴が見られるので中国でも同様のことが起こっていることが考えられる。オランダの流行で人への感染を引き起こしたPB2 E627Kと呼ばれる遺伝子変異が、現在中国で流行中のA (H7N9) においても見られる。[要検証 ][要出典]」
4月19日、国立感染症研究所とWHO北京事務所は「限定的なヒトヒト感染が起こっていることを否定できない」という声明を発表した。[要検証 ][要出典]
『現時点で、ヒト-ヒト感染は確認できていないが、ヒト分離の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスがヒトへの適応性を高めていることは明らかであり、パンデミックを起こす可能性は否定できない。適時のリスク評価にもとづいて、パンデミックへの対応強化を準備する。』
5月1日、国立感染症研究所はリスクアセスメント(5月1日)で、かなり踏み込んで今後の対処方針をのべている。まず第1に感染経路をきちんと確定して対処できているとせず、今後の拡大の可能性を考えている。そのため中国からの感染者の入国があり得るものとしている。また中国で軽症者が少なからずいることから、発熱・肺炎等にあまりこだわらずに対応するよう求めている。
当初はウイルスの潜伏期間が7日程度と見られていたが、10日程度であると判明した。つまり症状を出さないまま行動する期間が延びたと言うことであり、治療や抗インフルエンザ薬の投与が遅れる可能性があるということである。また普通のインフルエンザウイルスは上気道で増えるので、鼻の奥から綿棒で試料を取り(スワブ)検査により検出するのが標準的な手順なのだが、ウイルスの潜伏・増殖場所が気道下部や肺である可能性ができ、通常のスワブ検査では(簡易検査だけではなく、リアルタイムRT-PCRでも)検出できない例が出てきた[要検証 ]。
H7N9は「ステルスウイルス」(検出が難しい)の可能性がある。ウイルスの表面にあるHAには「エピトープ(抗原決定基)」が少なく、ヘルパーT細胞が抗体を作り出すのが難しい(特にアジア人はエピトープを認識して抗体を作り出す力が弱い。)。H7N9に対する免疫反応を引き出すためには13倍のウイルス量が必要とされるという(免疫系がウイルスを撃退する反応が鈍く、その間にウイルスが激増する。ワクチンが完成しても、免疫に頼るワクチンの効力が少ない(またはワクチン内のウイルスが大量に必要で、生産能力が相当落ちる。)。
中国では別の問題もある。一つは地方政府が中央政府の追及を恐れて感染者数を過小に報告するという問題である。これはSARSの時に特に大問題となった。もう一つは、保険制度がないために感染者が医者に行きたがらない(行けない)ということである。隔離病棟に入院すると1日1万元以上が個人負担になるという。中国政府は布告を出して75%を無料化している(25%という膨大な料金。普通の日本人でも自費で払えない。)が、すべてのインフルエンザ患者(疑い例も含む)が無料で安心して検診を受けられるわけではないし、今までの経験が庶民に染みついている。患者の把握と治療がきちんとできているか疑わしい。今回は中国の透明性が言われているが、最初の例も含めて微博(Weibo)などのソーシャルメディアで報道された後に、追認される例が多いからである。
ケイジ・フクダ代表団長(WHO事務局長補)が、2013年4月24日北京で記者会見を行った。
中国での時間は、すべて現地時間。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
この節の正確性に疑問が呈されています。 |
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
この節の正確性に疑問が呈されています。 |
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article H7N9鳥インフルエンザの流行, which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0"); additional terms may apply (view authors). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses.
®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.