Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ

GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GT World Challenge Europe、2014年から2019年まではブランパンGTシリーズ)とは、グループGT3を管轄するSROモータースポーツグループが主催する、GTカーレースシリーズである。スプリントカップとエンデュランスカップの2つが組み合わされている。

GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ
カテゴリ GTカー
耐久レース
国・地域 ヨーロッパ
開始年 2014年
タイヤ
サプライヤー
ピレリ
ドライバーズ
チャンピオン
スイスの旗 ラファエル・マルチェッロ
ロシアの旗 ティムール・ボグスラフスキー
チーム
チャンピオン
フランスの旗 AKKodis・ASP・チーム
公式サイト www.gt-world-challenge-europe.com
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ 現在のシーズン

概要

Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ 
ブランパンが刻印されたランボルギーニ・ムルシエラゴ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ 
ハローキティの描かれたマクラーレン・650S GT3

アマチュア向けのグループGT3耐久レースとして、2011年にスイスの高級時計ブランドであるブランパンがタイトルスポンサーとなってスパ24時間を含む「ブランパンエンデュランスシリーズ英語版」が開催された。同時期はコストの高騰や世界経済の不況を背景にグループGT1FIA GT1世界選手権の崩壊が進んでいたが、安価なグループGT3を用いるブランパンはたちまち多くのエントラントを集めた。

2014年にはFIA GTシリーズがFIAの冠を取り去り、FIA管轄シリーズとしての費用を削減し「ブランパンスプリントシリーズ」に発展。そして耐久とスプリントを組み合わせた「ブランパンGTシリーズ」が発足、欧州GT3レースの最高峰としてその地位を確立した。

2016年には両シリーズは「ブランパンGTシリーズエンデュランスカップ」・「ブランパンGTシリーズスプリントカップ」へと名称が変更された。

2017年にはブランパンGTシリーズアジアを発足。アジアではすでにアジアンフェスティバルオブスピードの運営するGTアジアシリーズが展開していたが、ブランパンのブランドネームと豊富な賞金、欧州で培った運営ノウハウにより、たちまち大勢のエントラントを引き寄せた。

2018年にSROは、北米のPWC(ピレリ・ワールド・チャレンジ)の過半数の株式を取得、2019年からブランパンGTワールドチャレンジアメリカ英語版となった。

しかし2019年終了を持ってブランパンとのパートナーシップが終了したことに伴い、名称が『GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ』『GTワールドチャレンジ・アジア』『GTワールドチャレンジ・アメリカ』へとそれぞれ改められた。

前述の通り元々はアマチュア・プライベーターのためのレースであったが、FIA GTシリーズの消滅後に欧州メーカーたちは当シリーズに大挙してセミワークスチーム・プロドライバーを送りこんでおり、ランボルギーニベントレーのようにブランパンを主戦場とするメーカーも少なくない。近年はSROもマニュファクチャラーの参戦を公式に認めており、よりマニュファクチャラー向けのシリーズとして2016年から、インターコンチネンタルGTチャレンジIGTC)を創設している。

日本からは日産自動車が育成プログラムの一環でセミワークス参戦し、千代勝正高星明誠を欧州に送り込み、千代が2015年の耐久シリーズのドライバーズタイトルを獲得している。またジェントルマンドライバーの石川資章や森義治も参戦しており、森の車両はハローキティのカラーリングで話題を呼んだ。2018年からはレクサス・RC F GT3ホンダ・NSX GT3も参戦している。

早くからメディアを活用しており、YouTubeでは無料でフリー走行・予選・決勝を生配信している他、全て動画としてもアップされる。アマチュアも参加するレースとしては多額の賞金が用意されており、2014年スプリント最終戦バクーでは総額17万5000ユーロ(2200万円以上)が用意された。

2021年、ル・マン24時間レースを運営するACO(フランス西部自動車クラブ)と、SROモータースポーツグループは2023年のアジアン・ル・マン・シリーズ開催に向け、ACO、SRO、そしてALMEM(アジアン・ル・マン・エンデュランス・マネージメント)が協力すると発表した。またACOとSROの新たな取り組みに加え、多くのスポーツカーチームが求めるル・マン24時間レースの招待枠が、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのチャンピオン、アジアン・ル・マン・シリーズとGTワールドチャレンジ・アジアを合算したチャンピオンに与えられることになった。

レギュレーション

耐久カップとスプリントカップ両シリーズにフルエントリーするドライバー・チームは、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのタイトルを争う権利を得る。車両はグループGT3で、タイヤはピレリ。プロ、シルバー、プロ-アマ、アマの4カテゴリーが設置される。

ドライバーはスプリントは2人、耐久は3人(スパ24時間は4人も可)一組。クラス分けはFIA(国際自動車連盟)が定めるドライバーグレードで、シルバーカップはシルバーグレードドライバーのみ、プロ-アマではプラチナ又はゴールドドライバーと、シルバー又はブロンズドライバーの組み合わせが求められる。アマカップは、全ドライバーがブロンズグレードであることが求められる。

2022年から、アマカップをキャンセル。代わってプロ/シルバー/ブロンズのゴールドカップを設立する。また、スプリントカップでのプロクラスはプラチナ/ゴールドの組み合わせとなる。

スプリントは1時間の時間制で、1イベント2レースが行われる。スタートから25分から35分までの10分の間のみピットインでき、ドライバーを交代する義務がある。耐久は3時間以上で、伝統のスパ24時間の他、ポール・リカールでは1000kmレースもある。

歴代チャンピオン

ドライバー

総合 シルバー カップ Pro-Am カップ Am カップ
2014年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ローレンス・ヴァントール 開催無し 受賞者無し -
2015年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ロビン・フラインス
2016年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ドミニク・バウマン
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  マクシミリアン・ブーク
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ミカウ・ブロニゼフスキー Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  クラウディオ・スダネヴィッチ
2017年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ミルコ・ボルトロッティ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  クリスチャン・エンゲルハート
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アレクサンダー・マットシュル Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  デビッド・ペレル
2018年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ラファエル・マルチェッロ Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ニコ・バスティアン
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ジャック・マンチェスター
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ニルス・スティブナー
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  マルクス・ヴィンケルホック
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アドリアン・アムステッツ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  レオ・マチツキー
2019年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アンドレア・カルダレッリ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  マルコ・マペッリ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ニコ・バスティアン Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アンドレア・ベルトリーニ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ルイス・マシエルズ
受賞者無し
2020年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ティムール・ボグスラフスキー Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  エセキエル・ペレス・コンパンク Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  クリス・フロッグガット
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  エディー・チーバー3世
2021年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ドリス・ヴァントール
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  チャールズ・ワーツ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アレックス・フォンタナ Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  エンリケ・シャベス
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ミゲル・ラモス
2022年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ラファエル・マルチェッロ Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ベンジャミン・ゲーテ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  トーマス・ノイバウア
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ミゲル・ラモス
総合 ゴールド カップ Pro-Am カップ シルバー カップ ブロンズ カップ
2023年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ラファエル・マルチェッロ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ティムール・ボグスラフスキー
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ニクラス・クルッテン
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  カラン・ウイリアムズ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アレックス・フォンタナ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  イヴァン・ヤコマ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ニコラス・ロイトウィラー
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アレックス・アカ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ロレンツォ・パトレーゼ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  アレックス・マリキン

チーム

総合 シルバー カップ Pro-Am カップ Am カップ
2014年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ベルギー・アウディクラブ・チーム・WRT 開催無し 受賞者無し -
2015年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ベルギー・アウディクラブ・チーム・WRT
2016年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AMGチーム・HTPモータースポーツ Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ケッセル・レーシング Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AFコルセ
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  カスペルスキー・モータースポーツ
2017年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  GRT グラッサー・レーシングチーム Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  リナルディ・レーシング Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ケッセル・レーシング
2018年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  (メルセデス-AMG Team) AKKA ASP
Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  SMPレーシング by AKKA ASP
受賞者無し Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  サンテロック・レーシング Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  バーウェル・モータースポーツ
2019年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  オレンジ 1 FFFレーシングチーム Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AKKA ASP Team Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AF コルセ 受賞者無し
2020年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ベルギー・アウディクラブ・チーム・WRT Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  マッドパンダ・モータースポーツ Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  スカイストーム・レーシング
2021年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  チーム・WRT Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  エミール・フレイ・レーシング Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  バーウェル・モータースポーツ
2022年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AKKodis・ASP・チーム Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  チーム・WRT Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AFコルセ
総合 ゴールド カップ Pro-Am カップ シルバー カップ ブロンズ カップ
2023年 Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  AKKodis・ASP・チーム Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  トレゾア・アテンプト・レーシング Gtワールドチャレンジ・ヨーロッパ  ピュア・レーシング

脚注

関連項目

外部リンク

公式ウェブサイト

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