CBSは、パラマウント・グローバルがCBSエンターテインメント・グループ(英語版)部門を通じて所有する、アメリカの商業放送テレビ・ラジオネットワークである。ニューヨークのCBSビルディングに本社を置き、ニューヨーク(CBSブロードキャスト・センター)とロサンゼルス(CBSテレビジョン・シティとCBSスタジオ・センター)に主要な制作施設と業務を置いている。NBC、ABCと並ぶ3大ネットワーク(Big Three Television Network)のひとつで、最も早くラジオネットワークを築き上げたパイオニアでもある。CEOはバイアコム(Viacom)のCEOだったレス・ムーンヴェス。
1950年:NBCがテレビ業界で優勢となりCBSは新しい支局やスタジオの買収、建設に躍起になった。かつてのNBCの番組「Talent Raid」はから出た40人あまりのスターは現在CBSと契約していた。その中にはラジオからテレビに移行する番組「My Favorite Husband」の製作に乗り気ではないルシル・ボールもいた。同番組はルシルの実際の夫の生活を描写するものであったが映像が付くテレビとはその心境に差があった。会長ペイリーと社長のフランク・スタントンはわずかな希望を込めて、代わりに現在のシットコムの先駆けとなった「アイ・ラブ・ルーシー」を製作。同番組は彼女の夫デシ・アーナズも出演、ルシルの代表作にもなった。また、この頃、テレビはアメリカにおいて主要な娯楽、情報源に成長。CBSの成長率もラジオ全盛期のそれを上回った。また、同局は7〜8の時間帯枠トップ10を設定しABCがCBSの放送局1位の座を奪い取った1970年中頃まで続けられた。70年代の1位からの転落の原因として「Smothers Brothers Comedy Hour」「All In The Family」など少し論争のある番組を制作したことと、会社がこの頃細分化されたことなどであった。
1960年:会長ペイリーは美術収集家でありニューヨーク近代美術館の後援者でもあった。CBSのオフィスに何かオリジナリティのあるものをという要求をされたことをうけ、同じ趣味を持っていたフランク・スタントンと共にシャレたデザインの物を使用することを決めた。1936年に買収したKNX Los Angeles西海岸本社をフランクは建築家ウィリアム・レスカーゼルに特徴的でモダンな放送局を設計してくれるよう依頼した。同じように、建築家エーロ・サーリネンにニューヨークのCBS本社のデザインを依頼した。スタントンはさまざまな場所に関わり、その中には「デスクの上に何が置かれているか?」などもあった。そして、現在のロゴである「The Unblinking Eye(瞬きしない目)」がウィリアム・ゴールデンによってデザインされた。CBS社の便箋には秘書がタイプライターで文字を打ち始める時の目安になるようにと小さな点がすでに印刷されているなど、さまざまな工夫を凝らした部分を持っていた。
1962年:1953年に初めてカラー放送を開始したのにもかかわらずRCAに先を越され、わずかな番組を除いてカラー放送はメジャーな存在ではなかった。62年にはNBCが多くのカラー番組を持っていたのにもかかわらずCBSは出遅れていた。この頃のCBSの代表的なカラー放送としては「The White House With First Lady Jackie Kennedy」があったが青の色が灰色などに比べ悪かった。
1965年:CBSは新たな投資の基盤として多角経営に乗り出した。レオ・フェンダーのフェンダーギター社を買収。フェンダーも健康上の理由から自身が同社を経営していくことが困難であったため買収に同意。しかし、65年から1985年の間にかけて同社のギターやアンプの質があからさまに低下し、怒ったフェンダーギターのファン達は1985年にFMIC(Fender Music Instrument Company)を設立した。他の多角経営の試みとしては球団ニューヨーク・ヤンキースの買収が一番大きなもので、出版社、地図製作会社、おもちゃ工場など。また、映画制作会社Cinema Center Filmsの設立で映画業界にも進出を試みるも1972年には倒産し計画は頓挫した。同映画会社は現在はパラマウント・ピクチャーズの一部になっており家庭用DVDの発売やCBSのテレビ映画の製作などを行っている。
1988年:ティッシは社長就任後にビジネスマンとしての力量を発揮したが、社員にとって良い物ではなく、多くの社員はリストラなどを受ける結果となった。また、1938年の買収以来CBSの主要部門であったコロムビア・レコード(CBSレコーズ・グループ)の売却を検討し、日本市場で合弁事業(CBS・ソニーレコード)を行っていたソニーに売却された。同社は「ソニー・ミュージック」と名を変え、2004年にはBMGとの合併で「ソニーBMG(SONY BMG Music Entertainment)」となった(なお、日本を除いた市場では現在も「コロムビア・レコード」の名称を使用している)。
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