法主(ほうしゅ / ほっす)とは、仏教においてその教義を護持してその教えの要となるべき人を指し、転じて宗派(宗門)・教団の最高指導者(首長)を指すようになった。
元来は釈迦の事を指した。中阿含経第49大空経に「世尊(=釈迦)を法の本と為し、世尊を法主と為す。法は世尊に由る」と記され、同じく雑阿含経第1に「世尊を法主と為し、導と為し、覆と為す」と記され、正法(仏教の正しい教え)の主である釈迦を尊んだ呼び方であった。
中国においては高い徳をもって仏法を教える高僧を法主と呼び、これが日本にも伝えられた。『神皇正統記』には平安時代の宇多天皇(譲位後、出家して仁和寺を開いた)を「両統(世俗と仏法)の法主」と評している。中世以後、血脈相承によって代々受け継がれてきた宗門・教団の門主・管長などの最高指導者、大本山寺院の住職などを尊んで法主と呼ぶようになった。
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