春日野道駅(かすがのみちえき)は、兵庫県神戸市中央区吾妻通一丁目にある、阪神電気鉄道本線の駅。駅番号はHS 31。
春日野道駅 | |
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1号出入口(2020年9月) | |
かすがのみち Kasuganomichi | |
◄HS 30 岩屋 (1.1 km) (1.3 km) 神戸三宮 HS 32► | |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区吾妻通一丁目1番131号 北緯34度42分10.68秒 東経135度12分19.02秒 / 北緯34.7029667度 東経135.2052833度 東経135度12分19.02秒 / 北緯34.7029667度 東経135.2052833度 |
駅番号 | HS31 |
所属事業者 | 阪神電気鉄道 |
所属路線 | 本線 |
キロ程 | 30.8 km(大阪梅田起点) |
駅構造 | 地下駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 7,101人/日(降車客含まず) -2022年- |
開業年月日 | 1905年(明治38年)4月12日* |
国道2号の真下に相対式ホーム2面2線を有する地下駅である。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。
2004年(平成16年)9月25日始発から新ホームに切り替えられ、三宮方に西改札口が新設された。2005年(平成17年)8月6日までは仮使用状態でホーム有効長が19 m級の阪神車5両編成分しかなく、平日朝に停車する東須磨行準急6両編成は三宮方1両をドアカットしていた。このため、阪神赤胴車6両編成の三宮寄り先頭車(1号車)には「下り春日野道駅ではこのドアは開きません」というステッカーが貼られていた。東改札口および新地下道設置工事が進捗した同年8月7日から旧ホームと同様に阪神車6両編成が停車可能となったが、21 m級の近畿日本鉄道車両6両編成の停車は不可能である。
2006年(平成18年)10月28日のダイヤ改正以降は6両編成の停車はなくなっているが、緊急停車においてはその限りではない。
2004年までの旧ホームは、ホームから線路を挟んだ反対側(上下線間)に一部施設が未撤去の状態で残っており、ホームから見ることができる。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | ■本線 | 上り | 尼崎・大阪(梅田)・難波・奈良方面 |
2 | 下り | 神戸(三宮)・明石・姫路方面 |
実際には構内に上記ののりば番号表記はないが、公式サイトの構内図では上りホームが1番線、下りホームが2番線とされている。
← 梅田方面 | → 三宮・元町方面 | |
凡例 出典: |
1934年(昭和9年)から2004年まで、当駅は島式ホーム1面2線の地下駅であり、ホームの幅はわずか2.6 mだった。これは電車の車体の幅(約2.8 m)よりも狭い。「日本一危ない駅」や「日本一怖い駅」として、『ニューススクランブル』(読売テレビ)や『投稿!特ホウ王国』など全国ネットのテレビ番組で取り上げられたこともある。
岩屋 - 三宮間地下化工事は、大林組の施工により1931年2月着工、1933年6月に開通した。春日野道新駅は、地下化の翌年である1934年5月1日に開業した。
社史類には記述はないが、この狭いホームは以下のような経緯で成立したと言われている。春日野道駅は、1933年に岩屋駅以西が地下化される際に廃止される予定であった。しかし、当時駅周辺は川崎製鉄などの工場地帯で、沿線住民に加えて多くの工場労働者が当駅を利用しており、その反対を受け、地下化直前に駅存続へと方針転換されたという。
しかし、実際には1929年8月の施工認可申請の時点で春日野道新駅設置の計画は既にあり、1930年11月時点でも計画に変更は無かった。当初は幅3 m×長さ120 mでホームが建設されたが、その後の車体拡幅によりホームが上下各0.2 m削られ、幅2.6 mになった。1986年に公布された鉄道事業法ではホームの幅を原則3 m以上と規定している。
こうして線路に挟まれた幅わずか2.6 mのホームが出来上がったが、さらにホーム中央には一定間隔毎に地下トンネル特有の太いコンクリート柱があったため、柱からホームの端までは子ども1人が両手を横に広げた程度であった。当駅を電車が通過する際は、幅の狭さと地下駅ゆえの強い列車風により、危険であったため、阪神も以下に挙げられる様々な対策をとっていた。
幅の狭い危険なホームであったが、阪神による上記の対策、及び駅構造を要因とする利用者自身の注意喚起があった結果、設置から廃止までの70年間、無事故であった。
旧ホームが廃止された背景として、危険の回避、ダイヤ編成上のネックの解消がある。また、地下化時の当駅存続運動のきっかけとなった近隣の工場群が移転し、跡地がHAT神戸として再開発が進んだことも挙げられる。再開発の計画時期には阪神・淡路大震災が発生し、建設されていた公営マンションに家を失った多くの人々、とりわけ高齢者が暮らすようになった。これを機に、バリアフリー・ユニバーサルデザイン・災害時の避難経路複数確保を考慮に入れたホームを含めた駅全体の改良工事が必要になり、諸検討の結果、「既設の島式ホームは廃止し、相対式ホームを新設するのが適当」となった。
新ホームは、線路は従来のままに存置し、かつ営業運転を継続したままで、旧ホームの反対側の地下トンネルの壁を開削・拡幅して、旧ホームの線路を挟んだちょうど反対側に設置されることになった。鉄道駅総合改善事業により法的に神戸高速鉄道が事業主体となることで国・兵庫県・神戸市から補助金を受け、2001年(平成13年)11月6日に改良工事が開始された。そして、2004年9月25日初発から新ホームに切り替えられ、日本一幅が狭いと言われた旧ホームはその役目を終えた。同時に、通過電車の速度も開業時の75 km/hに戻されている。旧ホームはその後安全柵が撤去されて補強用柱などが取り付けられたものの現存し、新ホームや電車内から見ることができる。またコンコースには旧ホームや周辺の風景が掲示されている。
新ホームは、旧ホームよりも約1両分大阪側にずらして設置された。新ホーム使用開始時に、ホームの有効長が一時的に5両編成分しかなかったのは、開削することになった大阪側1両分のトンネルの壁がアーチ構造、つまり線路と新ホームの間に立ちはだかる壁だけで上層部を支えていたことによる。この壁を撤去するにはアーチごと撤去しなければならないが、アーチ上層部には旧ホームにとって唯一の改札口があったため、壁を撤去する前に改札口を別に確保する必要があった。そこでまず西改札口および新ホームのうち、アーチ構造に関係しない5両編成分のみを完成させてアーチ撤去期間中の改札口を確保し、そして実際にアーチごと壁を撤去することになったのである。そして、撤去されたアーチの跡地には東改札口が開設され、新ホームとの間を連絡するエレベーターと上りエスカレーターが設置された。なお、地下道の一部は旧ホーム時代のまま残っている。
HAT神戸の開発進展と前後して、利用者数は増加傾向にある。2011年時点では、阪神本線の各駅停車のみが停車する駅の中では最も利用者数が多い。
1日あたりの乗車人員 7,101人(2022年度)
各年11月の1日平均乗降人員は下記の通り。
年度 | 1日平均 乗降人員 | 出典 |
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1996年 | 9,897 | |
1999年 | 8,182 | |
2001年 | 9,590 | |
2002年 | 9,018 | |
2003年 | 10,553 | |
2004年 | 10,341 | |
2005年 | 10,790 | |
2006年 | 10,917 | |
2007年 | 10,065 | |
2008年 | 11,290 | |
2009年 | 11,811 | |
2010年 | 11,573 | |
2011年 | 12,432 |
近年の1日平均乗車人員は下表のとおりである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
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2018年(平成30年) | 8,060 |
2019年(令和元年) | 8,057 |
2020年(令和 | 2年)6,063 |
2021年(令和 | 3年)6,452 |
2022年(令和 | 4年)7,101 |
阪急神戸本線にも同じ駅名の春日野道駅があるが、JR神戸線(東海道本線)の線路を越えたところにあり、直線距離で約450 m離れている。両駅の間には春日野道商店街がある。なお、阪急春日野道駅もホームの幅が狭く、阪神側が改良されてからは阪急側の方が狭くなっている。
停留所名 | 運行事業者 | 路線名・系統・行先 |
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春日野道 | 阪神バス | 西宮神戸線:神戸税関前 / 阪神西宮 |
筒井町3丁目 | 神戸市バス | 101系統:三宮駅ターミナル前 |
1910年(明治43年)4月5日に、神戸電気鉄道(現在の神戸電鉄とは無関係)が開通した際に設置された。当時は南北方向の終点であったが、1932年(昭和8年)9月21日には敏馬(廃止時には脇浜町)まで開業した際に東西方向の途中停留所となった。当停留所近くには車両基地があった。1968年(昭和43年)4月21日に神戸市電東部国道線が廃止となった際と同時に廃止となった。阪神春日野道駅改札外地下通路に写真が掲げてあり、当時の阪神春日野道駅の出入口と隣接する車両基地が写っている。写真は阪神の地下入口があるため昭和9年以降のものであると推測される。
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