御殿場駅(ごてんばえき)は、静岡県御殿場市新橋にある、東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線の駅である。駅番号はCB10。
御殿場駅 | |
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富士山口(2022年4月) | |
ごてんば Gotemba | |
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所在地 | 静岡県御殿場市新橋1898-3 北緯35度18分1.7秒 東経138度56分3.6秒 / 北緯35.300472度 東経138.934333度 東経138度56分3.6秒 / 北緯35.300472度 東経138.934333度 |
駅番号 | CB 10 |
所属事業者 | 東海旅客鉄道(JR東海) |
所属路線 | CB 御殿場線 |
キロ程 | 35.5 km(国府津起点) |
電報略号 | コテ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- | 3,748人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1889年(明治22年)2月1日 |
備考 |
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静岡県東部の中規模都市である御殿場市の代表駅であり、市の中心部に位置する。
全ての営業列車が停車し、一部の普通列車や小田急線の新宿駅と当駅を結ぶ特急「ふじさん」が起点・終点としている主要駅である。乗降客は、御殿場線内では沼津駅・国府津駅に次いで多い。
富士山や箱根の玄関口の一つであり、駅前からは富士山麓や河口湖、箱根方面などへ向かうバスが発着している。1928年(昭和3年)までは、駅前を馬車鉄道が発着していた。
駅の開業は1889年(明治22年)2月であり、御殿場線の途中駅の中で丹那トンネル開通以前に東海道本線の駅として開業した7駅の一つである。
開業以来国有鉄道の駅であったが、1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化により旅客営業はJR東海に、貨物営業は日本貨物鉄道(JR貨物)に移管された。ただし、JR貨物の貨物営業は2006年(平成18年)4月に廃止されている。
東海道本線の一部として国府津 - 沼津間が1889年(明治22年)に開業したとき、その中間駅の一つとして当駅は開設された。元々御殿場は富士登山の拠点として栄え、駅の開設が決まるやいなや旅館・商店・運送店などが駅前に立ち並び、汽車で来る登山客に備えたといわれている。しかし、駅が開業する当日の午前3時頃、町で火災が発生してしまいおよそ1000軒が焼ける被害が出たため、華やかに行われるはずの開業式は質素なものにせざるを得なかった。
そんなハプニングの中でスタートした当駅であるが、予想通り登山客によって駅や町は潤うようになった。さらなる登山客の確保を狙い、町は中央本線の起点を御殿場駅にするように政府に請願書を提出したが、これは実らず起点は八王子駅になった。中央本線に代わる交通機関として、1898年(明治31年)に駅前から山梨県境に近い須走村(現・小山町まで御殿場馬車鉄道という馬車鉄道を走らせた(後に県境の籠坂峠まで延伸)。
その後も賑わっていた御殿場駅であるが、1934年(昭和9年)に丹那トンネルが開通して東海道本線のルートが熱海経由に変更されたことは、大きな衝撃となった。幹線の中間駅からローカル線の一駅になってしまうのは、町の衰退につながりかねなかったからである。町ではせめてもということで、旧線につける名前を「御殿場線」にするよう請願書を提出し、これが実って線名が御殿場線に決定した。
1955年(昭和30年)、小田急電鉄により特急「ふじさん」の原型となる準急列車「銀嶺」・「芙蓉」の運行が新宿駅と当駅とを結ぶ形で始まった。以来、長期に渡り当駅は終着駅だったが、1991年(平成3年)に本格的な特急「あさぎり」が登場し、沼津駅まで延伸されたことにより、主要な途中駅となった。2012年(平成24年)に運行区間が当駅止まりに短縮されたため、現在では再び終着駅となっている。
蒸気機関車が使用されていた頃は、運行上の拠点としても機能していた。当駅は御殿場線(旧東海道本線でも同様)において最も標高が高い位置の近くに存在しており(標高455メートル)、当時は沼津駅・山北駅の両方向から来る列車が急勾配区間を登るために、当駅まで補助機関車(補機)を連結して運転していた。また、丹那トンネル開業前の東海道本線時代に運転されていた特急列車・急行列車などの場合は、ここで走行中に補機の切り離しを行っていた。
地上駅であり、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを有する。駅構内の西側にある単式ホームが1番線、東側にある島式ホームが2番線および3番線となっている。運転扱い上の線路呼称は、1番線が上り本線、2番線が中線、3番線が下り本線である。太平洋戦争前は、1番線は軍専用ホームだった。
3番線の東側には電化された側線が2本あり、主に電車の留置線として使用される。また1番線ホームの南側には、駅構内に御殿場工務区が置かれている関係で保線車両留置用の側線がある(夜間滞泊も設定されている)。側線上には保線車両用の小さな車庫が置かれている。国鉄時代の貨物営業を行っていた頃は、1番線ホームの北側と南側の2か所に貨物ホームが設けられていた。
また、特急「あさぎり」発車時には発車ベルが鳴っていたが、2012年3月に運転区間が短縮されてからは車掌の位置にスイッチが無くなったために扱われなくなった。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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1 | CB 御殿場線 | 上り | 国府津方面 | |
2・3 | 下り | 沼津方面 | 特急「ふじさん」は3番線 |
(出典:JR東海:駅構内図)
駅舎は、駅の東西を結ぶ自由通路を併設する橋上駅舎である。改札口は2階に位置し、この自由通路に面している。1階のホームと改札口は階段やエレベーターで繋がる。改札口脇の窓口はJR全線きっぷうりばを兼ねている。改札口には自動改札機(TOICA対応)が導入され、駅舎内にはICカード対応のタッチパネル式の自動券売機が設置されている。
駅(自由通路)の出入口は、西側の「富士山口」と東側の「箱根乙女口」の2か所。出入口の名称は富士山と乙女峠にちなむ。橋上駅舎が建設される前は、1番線ホームに隣接する場所に地上駅舎が置かれ、2つのホームを結ぶ跨線橋があった。
駅舎には、売店・飲食店等のテナント「ASTY御殿場」が併設されている。
JR東海の駅長・駅員配置駅(直営駅)である。管理駅として、御殿場市内と小山町内に位置する御殿場線の4駅(駿河小山駅・足柄駅・南御殿場駅・富士岡駅)を管理している。
「静岡県統計年鑑」によると、2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員は3,748人である。
「御殿場市統計書」「静岡県統計年鑑」によると、1993年度(平成5年度)以降の推移は以下のとおりである。
乗車人員推移 | ||
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年度 | 1日平均 乗車人員 | 出典 |
1993年(平成 | 5年)6,392 | |
1994年(平成 | 6年)6,422 | |
1995年(平成 | 7年)6,372 | |
1996年(平成 | 8年)6,389 | |
1997年(平成 | 9年)6,176 | |
1998年(平成10年) | 5,683 | |
1999年(平成11年) | 5,374 | |
2000年(平成12年) | 5,508 | |
2001年(平成13年) | 5,301 | |
2002年(平成14年) | 5,017 | |
2003年(平成15年) | 4,968 | |
2004年(平成16年) | 4,750 | |
2005年(平成17年) | 4,665 | |
2006年(平成18年) | 4,698 | |
2007年(平成19年) | 4,749 | |
2008年(平成20年) | 4,833 | |
2009年(平成21年) | 4,820 | |
2010年(平成22年) | 4,691 | |
2011年(平成23年) | 4,545 | |
2012年(平成24年) | 4,693 | |
2013年(平成25年) | 4,876 | |
2014年(平成26年) | 4,818 | |
2015年(平成27年) | 4,940 | |
2016年(平成28年) | 4,906 | |
2017年(平成29年) | 4,879 | |
2018年(平成30年) | 4,881 | |
2019年(令和元年) | 4,948 | |
2020年(令和 | 2年)3,598 | |
2021年(令和 | 3年)3,748 |
「富士山口」側は駅の表玄関で、一般路線バス(富士急モビリティ・箱根登山バス)と横浜・大阪方面の高速バスのりば、タクシーのりば、送迎用停車場、御殿場市の駅前サービスセンターがある。
「箱根乙女口」側には小田急ハイウェイバスや京浜急行バスによる高速バスが発着するほか、御殿場プレミアム・アウトレットシャトルバス、御殿場高原時之栖への送迎バスなどののりばがある。公衆便所、駐車場、無料駐輪場は両側に設置されている。
富士山口側のバスのりばには、富士急モビリティ・富士急バス・箱根登山バスなどが発着する。箱根地区のバスでは「571」の停留所番号(バス停ナンバリング)を設定している。
なお、東名ハイウェイバス、東海道昼特急号、新富士 - 成田空港線は、東名御殿場バス停に発着する。このうち東名ハイウェイバスについては1990年3月15日 - 2006年12月14日の間当駅に乗り入れていた。また、2020年東京オリンピックの自転車競技の際には、会場の富士スピードウェイの観客の「チケット&ライド方式」の乗車口として使用された。
のりば | 運行事業者 | 系統・行先 | 備考 |
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1 | 富士急モビリティ | 「Z」は夏季のみ | |
| C2:河口湖駅 | ||
2 | 富士急モビリティ |
| 富士学校行と「チアーズ循環線」は平日のみ運行 |
富士急バス | A1:河口湖駅 | ||
| A2:河口湖駅 | ||
3 | 富士急モビリティ |
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4 |
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5 |
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6 | 高速 河口湖 - 富士山静岡空港線:富士山静岡空港 | ||
高速 レイクライナー:横浜駅西口 | |||
高速 金太郎号:近鉄なんば駅西口(OCATビル) | |||
箱根登山バス | 天悠 | 午後のみ運行 | |
7 | 富士急モビリティ |
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| C1・C2:御殿場プレミアム・アウトレット |
箱根乙女口側のバス乗り場には、小田急ハイウェイバスなどが運行する路線が発着している。箱根地区のバスでは「568」の停留所番号(バス停ナンバリング)を設定している。
2020年2月23日(富士山の日)に御殿場市観光協会によって「富士山御殿場・はこね観光案内所」が開設された。こちらでは、小田急ハイウェイバスの乗車券や小田急電鉄が発売する箱根フリーパスを販売している。案内所開設以前は、箱根登山ハイヤー御殿場営業所で販売が行われていた。
御殿場夏まつり歩行者天国を実施時、歩行者天国による通行止め箇所を迂回するため、箱根登山バスの富士山口に発着している便が箱根乙女口に乗り入れる。
のりば | 運行事業者 | 系統・行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 富士急モビリティ |
| 平日のみ運行 |
箱根登山バス | 天悠 | 午前のみ運行 | |
2 | 御殿場プレミアム・アウトレットシャトルバス | ||
3 | 小田急ハイウェイバス | 高速 W:新宿高速バスターミナル / 箱根桃源台・箱根園・箱根小田急山のホテル | |
| 高速 V: | ||
立川バス | 御殿場線:矢川駅・立川駅・パレスホテル立川 | ||
4 | 乙女エリア観光施設巡回:ごてんば市温泉会館 | 原則月曜運休、祝日・イベント開催時等は運行する場合有り | |
5 | 御殿場高原 時之栖シャトルバス |
御殿場線ではこの辺りから裾野駅の間で富士山が最も近接して見えるため、丹那トンネル開通前は東海道本線における風景の名所とされたこともあった。1900年(明治33年)5月に大和田建樹によって作成発表された『鉄道唱歌』第1集東海道編では、以下のように歌われた。
※特急「ふじさん」の隣の停車駅は列車記事を参照。
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