『出エジプト記』(しゅつエジプトき、ヘブライ語: שמות、英語: Exodus)は、旧約聖書の2番目の書であり、『創世記』の後を受け、モーセが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。モーセ五書(トーラー)のひとつであり、ユダヤ教では本文冒頭より2番目の単語から『シェモース』(Shemot)と呼ぶ。全40章から成る。
エジプト脱出とシナイ山での契約が二つの大きなテーマとなっている。キリスト教において旧約聖書という時、「旧約」すなわち古い契約というのはこのシナイにおける神と民との契約のことをさしている。
『出エジプト記』はエジプト脱出の物語に後から契約の内容と細かい規定が組み合わされて完成したと考えられている。長年J資料、E資料、P資料及び申命記からの影響から出エジプト記が成立したと考えられてきたが、近年になり様々な説が出されるようになり、学問的同意は得られていない。フレットハイムは基本的な出エジプト記のストーリーは王国時代以前に成立し、J資料やE資料などが付け加えられて様々な時代の伝承が組み合わされて出エジプト記が成立したとする。
なお、22章18節にある「呪術を使う女はこれを生かしておいてはならない」という部分が『欽定訳聖書』では「魔女」(witch) と訳され、この『聖書』が広く読まれたことで、魔女狩りの『聖書』における根拠とみなされることになった。
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