京都市営地下鉄(きょうとしえいちかてつ)は、京都市交通局が運営する地下鉄。烏丸線・東西線の2つの路線があり、西京区を除く京都市内10区と宇治市を通っている。条例上の正式名称は京都市高速鉄道である。
京都市営地下鉄 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 京都府京都市、宇治市 |
種類 | 地下鉄 |
開業 | 1981年5月29日 |
運営者 | 京都市交通局 |
公式サイト | 京都市交通局公式ウェブサイト |
詳細情報 | |
総延長距離 | 31.2 km |
路線数 | 2路線 |
駅数 | 31駅 |
1日利用者数 | 34万8,181人 |
保有車両数 | 222両 |
軌間 | 1,435 mm |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 | 75 km/h |
路線図 | |
以下の2路線がある。日本全国の地下鉄事業者で唯一、全ての地下鉄路線が他社線と直通運転を行っている。
色 | 記号 | 路線名 | 区間 |
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K | 烏丸線 | 国際会館駅 (K01) - 竹田駅 (K15) | |
T | 東西線 | 六地蔵駅 (T01) - 太秦天神川駅 (T17) |
1968年に京都市の諮問機関である交通対策協議会が、その年の11月に出した答申が、京都における地下鉄建設計画の始まりである。その後、1972年10月24日に運輸大臣(当時)から地方鉄道事業(地下鉄烏丸線)の事業免許を取得。工事が進められ、1981年5月29日に地下鉄烏丸線(北大路駅 - 京都駅間)の営業を開始した。
開業当時の京都市営地下鉄の特色は、主要4駅にエレベーターを備えたことで、当時の日本の地下鉄では先進的であった。バリアフリーが広まる前の1972年頃から、車椅子常用者、障害者支援団体が運動を起こして京都市に請願し、京都市会と舩橋求己市長を動かした成果である。京都市は、相対式で設計されていた駅を急遽島式に変更し、将来的に全駅にエレベーターを設置することにした。
烏丸線・東西線を合わせた乗車距離に応じた区間制運賃を採用している。2019年10月1日改定。
区数 | 距離 | 普通運賃(円) | 特定割引運賃(円) | ||
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大人 | 小児 | 大人 | 小児 | ||
1区 | 3kmまで | 220 | 110 | 110 | 60 |
2区 | 3kmを超え7kmまで | 260 | 130 | 130 | 70 |
3区 | 7kmを超え11kmまで | 290 | 150 | 150 | 80 |
4区 | 11kmを超え15kmまで | 330 | 170 | 170 | 90 |
5区 | 15kmを超える区間 | 360 | 180 | 180 | 90 |
このほか、地下鉄一日券、地下鉄・バス一日券も発売されている。
2023年4月1日時点で、6キロ以下の距離の運賃が日本の地下鉄で最も高い。普通運賃は乗車距離によって大阪地区に比べ−8%〜+16%、東京地区に比べ−5%〜+44%の差がある。
年度 | 経常収支 | 企業債等残高 | 一般会計 からの繰入金 |
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2012年 | ▲4,841 | 436,848 | 16,619 |
2013年 | ▲4,055 | 421,469 | 13,199 |
2014年 | ▲862 | 406,655 | 14,326 |
2015年 | 848 | 391,069 | 14,974 |
2016年 | 1,608 | 376,384 | 12,821 |
2017年 | 212 | 362,897 | 10,055 |
2018年 | 2,333 | 352,946 | 6,051 |
2019年 | 2,345 | 344,493 | 6,811 |
2020年 | ▲5,392 | 343,234 | 8,407 |
2021年 | ▲3,797 | 340,278 | 8,134 |
2022年 | ▲678 | 334,494 | 7,347 |
2023年 | 800 | ||
2024年 | ▲336 | 313,741 | 5,603 |
2022年度決算は一般会計からの補助金を含んで7億円の経常赤字であり、247億円の営業収益に対し支払利息などの営業外費用に34億円を計上している。東西線開業後は収支が改善していたが、新型コロナウイルス感染症の流行による乗客減少も影響し、2009年度から9年間および2020年度から3年間は経営健全化団体となっている。企業債などの残高は3,403億円に上る。
この経営の厳しさの一因には、地下鉄建設の計画時の予算に比べ、実際の建設費が大幅に増大したことが挙げられる。また、烏丸・東西の両線とも古都と言う土地柄ゆえに、開削工法を採用した工区の多くで、文化財保護法に基づく工事着工前の埋蔵文化財(遺跡)発掘調査が義務づけられ、そのための経費と期間が必要となった。埋蔵文化財の存在するような浅い地層に手をつけないことが可能なトンネル工法であれば発掘調査は不要だったが、費用が割高なことから開削工法が採用された。その結果、文化財調査費用が必要となり、安価な開削工法を用いてもトンネル工法以上に建設費が増大した(2路線合計31.2kmで9537億円)。また、京都市内には強い高さ規制があるため、沿線に高層マンション等を建設する振興策も難しい。
このような問題に対して京都市交通局では、駅業務の一部民間委託や高金利企業債の借換え、京都高速鉄道の直営化などによる各種コストの削減を進めている。また、駅ナカビジネスの展開などによる収益増にも取り組んでいる。なお、この一環で2010年4月より駅に掲示している駅名標付近に「駅名表示板下広告」の掲示を開始した。
年度 | 乗車人員 | 前年度比 |
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1981年 | 117,827人 | — |
1982年 | 121,699人 | +3.3% |
1983年 | 126,205人 | +3.7% |
1984年 | 130,345人 | +3.3% |
1985年 | 130,297人 | -0.0% |
1986年 | 133,816人 | +2.7% |
1987年 | 135,571人 | +1.3% |
1988年 | 160,725人 | +18.6% |
1989年 | 178,301人 | +10.9% |
1990年 | 187,990人 | +5.4% |
1991年 | 201,519人 | +7.2% |
1992年 | 201,854人 | +0.2% |
1993年 | 203,328人 | +0.7% |
1994年 | 203,443人 | +0.1% |
1995年 | 206,464人 | +1.5% |
1996年 | 208,506人 | +1.0% |
1997年 | 256,310人 | +22.9% |
1998年 | 302,479人 | +18.0% |
1999年 | 301,718人 | -0.3% |
2000年 | 304,864人 | +1.0% |
2001年 | 310,991人 | +2.0% |
2002年 | 309,205人 | -0.6% |
2003年 | 310,627人 | +0.5% |
2004年 | 310,777人 | +0.0% |
2005年 | 314,814人 | +1.3% |
2006年 | 315,508人 | +0.2% |
2007年 | 318,565人 | +1.0% |
2008年 | 328,248人 | +3.0% |
2009年 | 326,507人 | -0.5% |
2010年 | 330,191人 | +1.1% |
2011年 | 334,180人 | +1.2% |
2012年 | 339,311人 | +1.5% |
2013年 | 348,453人 | +2.7% |
2014年 | 358,953人 | +3.0% |
2015年 | 371,882人 | +3.6% |
2016年 | 379,216人 | +2.0% |
2017年 | 387,365人 | +2.1% |
2018年 | 396,564人 | +2.4% |
2019年 | 399,915人 | +0.8% |
2020年 | 267,250人 | -33.2% |
2021年 | 295,024人 | +10.4% |
2022年 | 348,181人 | +18.0% |
路線名 | 烏丸線 | 東西線 | |
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ラインカラー | 緑色 | 朱色 | |
路線記号 | K | T | |
起点 | 国際会館駅(京都市左京区) | 六地蔵駅(京都府宇治市) | |
終点 | 竹田駅(京都市伏見区) | 太秦天神川駅(京都市右京区) | |
キロ程(営業キロ) | 13.7 km | 17.5 km | |
駅数 | 15駅 | 17駅 | |
開業年月日 | 1981年5月29日 (北大路 - 京都間6.5 km) | 1997年10月12日 (二条 - 醍醐間12.7 km) | |
全線開業年月日 | 1997年6月3日 | 2008年1月16日 | |
複線区間 | 全線 | 全線 | |
直通運転 | 相手路線名 | 近鉄京都線 | 京阪京津線 |
方式 | 相互直通 | 京阪からの片乗り入れ | |
区間 | 竹田(京都市伏見区) - 近鉄奈良(奈良県奈良市)間 | 御陵(京都市山科区) - びわ湖浜大津(滋賀県大津市)間 | |
キロ程 | 35.4 km | 8.8 km | |
標準所要時間 | 27分30秒 | 34分30秒 | |
標準運転間隔時間 | ピーク時 | 朝混雑時3分30秒-4分00秒 夕混雑時5分00秒 | 朝混雑時4分00秒-6分30秒 夕混雑時6分30秒-8分30秒 |
オフピーク時 | 6分00秒 - 7分30秒 | 7分30秒 | |
最大車両編成数 | 6両編成 | 6両編成 | |
使用車両 | 10系 | 50系 | |
所有車両数 | 120両 | 102両 | |
最高速度 | 75 km/h | 75 km/h | |
表定速度 | 29.9 km | 30.4 km | |
軌間 | 1435 mm | 1435 mm | |
電気方式 | 直流1500 V | 直流1500 V | |
集電方式 | 架空線方式 | 架空線方式 | |
電化区間 | 全線 | 全線 | |
閉塞方式 | 車内信号式 | 車内信号式 | |
信号保安装置 | ATC・CTC | ATC・CTC・ATO | |
1日当たり輸送人員(2022年度) | 24万6008人 | 14万9647人 | |
キロ当たりの建設費用 | 213億円 | 309億円 | |
可動式ホーム柵の設置状況 | 一部設置済 | 開業当初から全駅に設置済 |
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