不老川(としとらずがわ、ふろうがわ)は、東京都及び埼玉県の主に武蔵野台地上を流れる一級河川。荒川水系新河岸川の支流である。
不老川 | |
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埼玉県狭山市堀兼、草刈橋付近 | |
水系 | 一級水系 荒川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 17.98 km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 56.55 km² |
水源 | 東京都瑞穂町の狭山池 |
水源の標高 | -- m |
河口・合流先 | 新河岸川・埼玉県川越市砂・岸町付近 |
流域 | 東京都、埼玉県 |
東京都西多摩郡瑞穂町の狭山池の伏流水が水源とされる。瑞穂町二本木の国道16号付近に水路が見られる。そこから北東へ向かって流れ、埼玉県入間市宮寺と藤沢、所沢市林、狭山市入曽(不老川が北入曽と南入曽の境界になっている)と堀兼、川越市今福などを流れ、林川、今福川、久保川などを合わせ、川越市岸町と川越市砂の境界で新河岸川に合流する。流域には河岸段丘が形成されている。高低差があるため、ところどころに落差工がある。
霞川、柳瀬川、黒目川、白子川、石神井川などと並び、かつての古多摩川の名残の一つとされている 。周囲は武蔵野台地に位置し、地下水も低く、水に恵まれないため畑作(狭山茶など)が行われていた。貴重な河川であったことから親しみを込めて「大川」(おおかわ)と呼ばれることもあった。大雨の際には水がすべて不老川に集まるため、しばしば氾濫を起こし、2000年代以降にも河道の拡張工事が行われている。 1983年から3年間連続で「日本一汚い川」になるという不名誉な記録を作った時期もあったが、現在ではその汚名を返上している。市民団体や行政により浄化の取り組みが続いており、小魚や水生昆虫、カルガモなどが生息する程度まで回復している。狭山市の流域においてはしばしば鯉が泳ぐ姿も確認されている。週末になると釣り人も多い。一方、近隣河川や池沼同様に特定外来生物であるウシガエルの生息・繁殖も確認されるようになり、回復しつつある生態系を保全するためこれを駆除するとともに、オタマジャクシや卵の除去作業も続けられている。
元々の読みは「としとらずがわ」であり、江戸時代に編纂された『新編武蔵風土記稿』では「年不取川」の表記を用いている。近代以降「不老川」の表記となったことから音読みの「ふろうがわ」という読みが広まり、現在、一般化している。この川を示す看板には「ふろうがわ」「FURO RIVER」という読み仮名がふられているものもある。
雨が少ない冬になると干上がってしまい、太陰暦における年のはじめ(旧正月・春節)には水が流れなくなる。このため旧暦正月に全員が1歳ずつ年齢を重ねる数え年の習慣における加齢の際にその姿を現さないため「年とらず川」あるいは「年とらずの川」と呼び習わされている。また、干上がった川の橋の下で一晩を過ごすと、歳をとらないといわれる伝承があり、そのことから、「としとらず」川といわれるようになったともされる。生活雑排水が流れ込むようになると水量が増え干上がることはなくなっていたが、生活雑排水が流れ込まなくなってからは水量が減り、現在一部流域では水が干上がることがある。
江戸期の随筆より。(詠み人は不詳である。)
入曽用水
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