CBR600RR(シービーアールろっぴゃくアールアール)は、本田技研工業が2003年から製造販売している大型自動二輪車である。
4ストローク600ccエンジン搭載の量産市販車によるスーパースポーツ・ワールド・シリーズ(英: Supersport World Series)が 、1999年にスーパースポーツ世界選手権(英: Supersport World Series)として国際モーターサイクリズム連盟(仏: Fédération Internationale de Motocyclisme・FIM)に公認され、各国に波及されると、他メーカーではホモロゲーションモデルを目的としたほぼレーサーマシンと言える量産車が現れるようになった。ホンダとしても、当初ツアラーとして開発したCBR600F4i(PC35)ではレースにおいて競争力が維持できず、よりサーキット走行に主眼を置いたCBR600RRを開発・販売するに至った。
CBR600RR PC37 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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CBR600RR(PC37)欧州仕様 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
基本情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
車体型式 | PC37 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エンジン | PC37E型 599 cm3 4ストローク 水冷DOHC4バルブ直列4気筒 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内径×行程 / 圧縮比 | 67.0 mm × 42.5 mm / 12.1:1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高出力 | 86kW/13,000rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大トルク | 66Nm/11,000rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乾燥重量 | 170 kg | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
車両重量 | 198 kg | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本田技研工業の欧州現地法人であるホンダ・ヨーロッパ・モーターサイクル(英: Honda Europe Motorcycle)は2002年9月12日に、新モデルCBR600RR(2003年型)を翌2003年から欧州市場で発売すると発表し、同月18日からミュンヘンで開かれたインターモト2002(独: INTERMOT 2002)で展示した。機種記号はPC37。中空ファイン・ダイキャスト構造の高剛性ハイブリッド・アルミニウム製フレームやユニット・プロリンク・リア・サスペンション・システムなど、MotoGPレーサーRC211Vのために開発された機構を採用し、旋回性能を向上させたとしている。エンジンはボアとストロークのサイズなどを様々な組み合わせで徹底的にテストを行なった結果、これまでのCBR600F4iに搭載されているエンジンが最も理想的であることが判明した事から、前後長と幅を短縮させている。
2004年9月13日にホンダ・ヨーロッパ・モーターサイクルは、一部改良を施した2005年型を、9月14日から開催されるインターモト2004に展示すると発表した。フレームの軽量化や、倒立式テレスコピックフロント・フォーク、ラジアルマウント・フロント・ブレーキ・キャリパーを採用するなどサスペンションの改良により、運動性能の向上とハンドリング操作の安定性をさらに高めたとしている。
スーパースポーツ世界選手権では、PC37が参戦した2003年から2006年までの全ての年で、ライダーとマニュファクチャラーの選手権2部門を獲得している。
本田技研工業の米国現地法人であるアメリカン・ホンダ・モーター(英: American Honda Motor・AHM)は、AMAスーパースポーツ選手権(英: AMA Supersport)に、2003年からPC37で参戦している。
日本市場では2003年(平成15年)7月4日に発売された。欧州仕様では117psだった最高出力を馬力自主規制により69psとしている。税別890,000円。同年11月にカラーリングの追加が行われている。2005年(平成17年)1月には、2005年型欧州仕様車と同様の一部改良を行った。税別920,000円。同年11月にも塗色が変更され、“Team Movistar Honda MotoGP”カラーを採用した限定車「CBR600RR・Special Edition」が追加された。
全日本ロードレース選手権では、PC37が参戦した2003年から2006年までの全ての年でライダー部門の選手権を獲得している。
本田技研工業はCBR600RRレースベース車(サーキットなどのクローズドコース走行専用車)を、日本市場で公道向け市販車に先駆けて2003年(平成15年)3月25日に発売した。欧州仕様車から灯火器などの公道走行で必要な保安機器を取り外し、前・後サスペンションスプリングレート、専用ECU(電子制御ユニット)、前・後輪タイヤなどを変更している。鈴鹿4時間耐久ロードレースでは表彰台を独占。もてぎオープン7時間耐久ロードレースで優勝。全日本ロードレース選手権ST600クラスにおいても全戦優勝を果たす。同年12月19日には、クイッククラッチアジャスター、エンジン点火タイミング、イリジウムレーシングスパークプラグへの変更など一部改良が行われた。欧州仕様公道向け市販車の2005年型への一部改良に合わせ、2005年(平成7年)に日本向けレース・ベース車も同様の改良が施された。2006年1月にも、2006年型欧州仕様車をベースに、点火タイミングを変更するなどし発売された。
CBR600RR PC40 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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CBR600RR(PC40)2008年型日本仕様スペシャルエディション | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
基本情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
車体型式 | PC40 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エンジン | PC40E型 599 cm3 4ストローク 水冷DOHC4バルブ直列4気筒 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内径×行程 / 圧縮比 | 67.0 mm × 42.5 mm / 12.2:1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高出力 | 89kW121PS/14,000rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大トルク | 64 Nm6.5kgf・m/11,500rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
車両重量 | 194 kg | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2006年10月に開催されたインターモト2006で、全面改良モデルが発表された。機種記号はPC40とされた。この2007年型は、先代PC37と比較しエンジンを全体的にコンパクト化するとともに、新形状の軽量アルミ・ダイキャスト・フレームを採用。また、カウル・デザインを変更するなど細部にわたり軽量化を図ることにより、車体全体で約8kgの軽量化をPC37と比較し実現。さらに、ホイールベースを短縮するなど、車体をよりコンパクトにすることで高い走行性能を実現したとされる。生産は一貫して日本の本田技研浜松製作所で行われ、2006年12月より欧州各国で順次販売が開始された。2008年には一部改良した2009年型が発表され、電子制御式「コンバインドABS」を搭載した。コンバインド・ブレーキ・システム(前・後輪連動ブレーキシステム)とABS(アンチ・ロック・ブレーキシステム)の双方を電子制御することで、より緻密なコントロールを可能だとしている(T.R.-C.ABS)。2012年にも、2013年型となるカウルの形状他を変更する一部改良が行われた。2016年末までにEU圏内統一排出ガス規制のEURO4に対応せず、欧州をはじめ多くの地域で販売ができなくなったが、米国では販売が継続されていた。
2020年8月には、EURO4相当排出ガス規制に対応した2021年型を発表した。近年のアジア・ロード・レース選手権(英: FIM Asia Road Racing Championship・ARRC)での劣勢を踏まえ、レースで勝つことを目標に開発された。パワーユニットは、カムシャフトやクランクシャフトなどの材質変更による最高出力発生回転数の高回転化を図ったほか、インレットポートの形状変更やスロットルボア径の拡大、エキゾーストパイプ各部サイズの最適化と併せて、バルブタイミングの変更を図るなど吸排気効率を向上させ、89kWの最高出力を達成。また、ファンライディングをサポートする最新の電子制御技術を採用。スロットルグリップ操作に対してより緻密なスロットルバルブの制御を行う「スロットルバイワイヤシステム(TBW)」により、走行状況やライダーの好みに合わせて走行フィーリングを任意に選択できる「ライディングモード」を搭載した。スタイリングは、サーキットでの運動性能を追求した空力性能と機能美を併せ持つ外観とし、前面ならびに側面投影面積の最適化とクラス最小のCD値により、防風性能の向上と俊敏なハンドリングの実現に寄与。また、効果的にダウンフォースを発生させるウイングレットを左右のフロントカウル前方側面に配し、コーナーへの進入時や加速旋回における安定感をより高めたとしている。EURO5に対応していないため欧州では販売されず、日本・オーストラリア及び東南アジアなどで販売される。なお、この一部改良は米国仕様車には適用されない。また子の2021年型より製造は本田技研熊本製作所に移行されている。
2023年に行われた一部改良でEURO5+に適合した事から、6年ぶりに欧州での販売を復活することが公表された。
スーパースポーツ世界選手権では、PC40が参戦した2007年から、ライダー部門の選手権を4回、マニュファクチャラー部門の選手権を6回獲得しているが、2014年にライダーとマニュファクチャラーの選手権2部門を獲得したのを最後に、選手権を獲得できていない。また、優勝も2023年にタラン・マッケンジーが優勝するまでできなかった。アジアロードレース選手権では、2012年からライダー部門の選手権を5連覇するも、2016年から2021年まで選手権を獲得できていない。
2007年(平成19年)5月24日に全面改良された2007年型を発売した。欧州仕様で118psとなった最高出力を「自主規制」により69psとしている。税別1,025,000円。同年11月10日には塗色が変更され、“KONICA MINOLTA Honda”カラーを採用した限定車「CBR600RR・スペシャルエディション」が追加された。2009年(平成21年)2月19日に一部改良された2009年型が発売され、最高出力は78psとなった。税別1,046,000円。2009年(平成21年)4月10日から「個性的なグラフィック」を採用した限定車「CBR600RR・スペシャルエディション」も発売された。2009年(平成21年)12月、2010年(平成22年)12月そして2011年(平成23年)12月にも塗色の変更が行われた。2013年(平成25年)3月22日に一部改良した2013年型が発売された。また“Repsol Honda Team”カラーを採用した限定車「CBR600RR Special Edition」が同時発売された。税別1,098,300円から。2009年型は、自動車技術会の日本の自動車技術330選に選ばれている。二輪車の平成28年排出ガス規制に対応せず、2016年(平成28年)に販売が終了したが、2021年型で対応し、2020年(令和2年)9月25日から発売した。最高出力はEURO3対応の欧州仕様車から2ps増の121psとなった。税別1,460,000円。平成28年排出ガス規制適合車は、2022年(令和4年)11月まで生産可能である。令和2年排ガス規制に適合した仕様を2023年12月に発表し、2024年2月から発売することを発表している。
全日本ロードレース選手権ST600クラスでは、2007年から2021年までの15シーズンで、ライダー部門の選手権を10回獲得している
全面改良された2007年型欧州仕様車をベースとしたCBR600RRレース・ベース車を2007年(平成19年)2月21日に発売した。2009年(平成21年)1月にフロント・ブレーキ・ディスクをレース・ベース車専用設計とすることで公道向け市販車と比較し50gの軽量化を達成。2010年(平成22年)1月に前輪のブレーキ・キャリパーをレース専用品に変更。2013年(平成25年)2月には2013年型欧州仕様車をベースとした変更が施され発売された。この2013年型欧州仕様車をベースとしたモデルは、2014年(平成26年)2月、2016年(平成28年)12月、2017年(平成29年)12月及び2018年(平成30年)10月にも再販売された。2021年1月には、2021年型をベースとしたモデルを発売した。2023年12月には2024年型をベースにしたモデルを発売した。
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