『タイムギャル』(TIME GAL)は、1985年にタイトーが制作・販売した独自筐体仕様の業務用レーザーディスクゲーム。『忍者ハヤテ』(1984年)、『宇宙戦艦ヤマト』(1985年)に続くタイトーのレーザーディスクアニメーションゲーム第3弾。
ジャンル | インタラクティブムービー レーザーディスクゲーム |
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対応機種 | アーケード (AC) MSX X1 メガCD (MCD) Macintosh (Mac) メガLD (MLD) iOS Android Nintendo Switch |
開発元 | タイトー中央研究所 |
発売元 | タイトー |
デザイナー | 藤原英裕 |
プログラマー | くりやまたかし |
音楽 | 今村善雄 |
美術 | 今沢哲男 我妻宏 |
人数 | 1人 |
メディア | 業務用基板 レーザーディスク |
発売日 | AC 1985年10月 MSX、X1 1986年 MCD 1992年11月13日 1993年 1993年 Mac 1994年 MLD 1995年3月25日 iOS、Android 2017年4月5日 Switch 2023年12月14日 |
デバイス | 4方向レバー 2ボタン |
ディスプレイ | ラスタースキャン 横モニター |
未来の大悪党ルーダがタイムマシンを強奪して過去の世界へ逃亡したため、歴史保安警察のエース「タイムギャル」ことレイカが過去の時代に遡って追跡するというSFアニメ風の世界観となっている。『忍者ハヤテ』からスタッフを引き継ぐ形でゲームデザインは藤原英裕、サウンド・ディレクターは今村善雄が担当した他、アニメーション監督は今沢哲男、キャラクター・デザインはアニメーターの我妻宏が担当している。アニメーション制作は東映動画(現・東映アニメーション)。
主人公であるレイカのキャラクター性の濃さとミスリアクション時のコミカルな演出が好評となり、日本国内で制作されたレーザーディスクゲーム作品の中でもかなりの知名度を獲得しキャラクター人気も高い作品となった。
ゲームシステムは『忍者ハヤテ』を基本とし、「A.D.4000」のシューティングシーンのみ『ヤマト』からの流用となっている。本作のシステムの土台となったゲームは、『スペースエース』(1984年)、『ヤマト』の要塞ウルクのステージで、スタッフはこの2つゲームを参考にしながら本作を作ったとしている。専用のアップライト筐体は『ハヤテ』からの改造となっている。
プレイヤーは、4方向レバー(指示方向入力/選択肢の選択)とボタン(攻撃/タイムストップ/選択肢の決定)を使って、レイカを操作する。
降って来る隕石、無差別に攻撃してくる恐竜など、各時代で巻き起こる様々なアクシデントへの対処として、画面上に表示される指示に従って、タイミングよくレバー・またはボタンを操作する。具体的には、特定の個所が光った際に対応するデバイスを入力する。光る直前に入力指示のアイコン(矢印とボタン)が表示されるようになっているが、ステージ進行と同時にランダムでアイコンが「?」表示に変化して隠されるようになり、難易度設定が高いほど入力のタイミング合わせもより厳しくなっていく。難易度が最高レベルの場合はアイコンが全編通じて非表示となり、画面内の光を頼りに入力方向を判断しなくてはならない。他のLDゲームの多くと同様に、シーン毎に必要な操作は固定されている。
また、本作独自のゲーム要素として、追い詰められたレイカが危機を脱するために自分以外の周囲の時間を一時的に停止させるイベント『タイムストップ』が要所要所で発生する。この際には画面内に表示される選択肢の中から適切なものを制限時間内にレバーとボタンで画面上から選ばなくてはならない。この場合も、選択肢の数と内容及び正解は常に固定であり、運の要素は絡んでこない。
入力の正解ごとにスコアが上昇し、一定スコア毎にエクステンドが発生して残機が増加する。入力の失敗、タイムストップイベントでの選択ミス及び制限時間切れにより残機が減り、残機が0になった時点でゲームオーバーとなる。
全クリア後は、残機数×5000点+5000点がクリアボーナスとして加算され、最終的なスコアが算出された上でゲーム終了となる。
時空間航行技術が確立された31世紀初頭。タイムマシンの完成と同時に時間犯罪を未然に阻止すべく創設された警察機構「歴史保安警察」の施設内部に保管されていたタイムマシンが、31世紀最大の大悪党・ルーダに強奪されてしまった。
ルーダ追跡の任に着いた歴史保安警察のエース「タイムギャル」こと歴史保安官レイカは、時間制御機能が組み込まれた時空間航行服「タイムスーツ」の力で時空を超え、行く先々で遭遇する様々なアクシデントを持ち前の能力を駆使して切り抜けながら、タイムマシンを奪還すべく過去から未来へと駆け抜けていく。
本作は全16シーンで構成され、その内8シーンはランダムで映像が左右反転しレバー入力の左右が入れ替わる。また、最終シーンであるA.D.4001は他のステージを全てクリアしないと進めない。
初期筐体設定では「紀元前(B.C.1~7000万年)」「中世~現代(A.D.1~2000年)」「未来(A.D.2001年~4000年)」の3つの年代の中から好きな年代を任意に選ばせるようになっており、それぞれの時代毎に各シーンがランダム出現していく仕様になっている。
なお、プレイステーション版では各ステージにサブタイトルが追加されており、DIPモードでサブタイトル表示をONにした場合に限り、各ステージ開始前にサブタイトル画面が表示される。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | タイムギャル | 1986年 | MSX X1 | タイトー | 日本ビクター | VHDpc INTER ACTION | MSX: MVIA-102(VHD) VIAM-102(カセットテープ) X1 XVIA-102(VHD) VIAX-102(カセットテープ) | |
2 | タイムギャル | 1992年11月13日 1993年 1993年 | メガCD | ウルフ・チーム | ウルフ・チーム RENO セガ | CD-ROM | T-32114 T-6214 4417 | |
3 | タイムギャル | 1994年 | Macintosh | ハイテックラボジャパン | タイトー | CD-ROM | - | |
4 | タイムギャル | 1995年3月25日 | メガLD | ハイテックラボジャパン | タイトー パイオニア | LD-ROM | PEASJ5039 | |
5 | タイムギャル&忍者ハヤテ | 1996年7月5日 | PlayStation | タイトー | タイトー | CD-ROM | SLPS-00383~4 | |
6 | タイムギャル&忍者ハヤテ | 1997年1月17日 | セガサターン | エグゼコ・デベロップメント | エグゼコ・デベロップメント | CD-ROM | T-20702G | |
7 | タイムギャル | 2017年4月5日 | iOS/Android | - | タイトー | ダウンロード | - | |
8 | タイムギャル HDリマスター タイトー LDゲームコレクション | 2023年12月14日 | Nintendo Switch | タイトー | タイトー | Nintendo Switch専用ゲームカード ダウンロード | - |
本ゲームはレーザーディスクに記録されたアニメーション映像を再生することによりゲーム映像を提示する。アニメーション映像の制作は東映動画が担当した。 加えてスコアや選択肢などの情報はラスターグラフィックスとして、アニメーション映像に被せる形でブラウン管に表示される。音声はモノラルである。
『忍者ハヤテ』『宇宙戦艦ヤマト』と同様にLDメディアへのプレスは音響・映像機器メーカーのパイオニアが行い、業務用紙ジャケット入りで再生専用機にスクリューで固定可能な片面アルミ打ちで、LDメディアの部品価格は当時3万円だった。
本作は日本国外では販売されていない。1980年代半ばからレーザーディスクゲームの人気が衰えてきたことや、レーザーディスク再生装置を含む筐体価格が高価であったこと、翻訳がむずかしかったことなどの要因が重なったためと見られている。家庭用移植の内、メガCD版のみ日本国外でも発売され新たに英語音声で吹き替えられているが、声優のアドリブによる演技は再現されず、単純な掛け声や悲鳴、ごく短いセリフのみとなっている。
初期設置時のプレイ料金が200円と高額設定だったためか、極めて短期間で全国のゲームセンターから撤収されてしまい、ウルフ・チームがメガCDに移植する際には、全国のゲームセンターやディストリビューターと連絡を取り合って探し回ったものの、遂には1台も見つからなかったと当時のメガドライブFAN及び、BEEPメガドライブの両誌で語られた[要文献特定詳細情報]。移植の際に使われたLD媒体はタイトーに残されていたサンプル用の物である。また、LD媒体であるために筐体のメンテナンスが非常に難しく故障し易かったこともあり、日本国内においては稼動可能な状態で現存する筐体は存在しないと言われている。故障しやすかった原因としては、プレイヤーの選択に応じてディスクの各トラック番号へ飛ばすという、ハードを酷使する仕様が指摘される。
本作品の主人公であるレイカがミスをした際のリアクションは多彩かつコミカルなものが多く、わざとミスしてリアクションを楽しむプレイヤーが出てくるほどだった。また、主人公であるレイカも人気を博し、当時のタイトーとしては珍しく物販でポスターが売られていた他、『トップランディング』(1988年)用のオペレーター向け販促媒体としてスチュワーデス姿のレイカの等身大POPが用意されるなど、一時期の間、レイカがタイトーのマスコットキャラの1人として扱われていた事もあった。他には、1986年におけるタイトーのコーポレート・アイデンティティ用ポスターのイメージキャラクターとして起用されたり、1990年頃の業界展示会や直営店舗の開店イベントにおいてコンパニオンにレイカの衣装を着せてキャンペーンを行ったり、等身大ポップが飾られていた。メガCD版発売の際には飯島愛がレイカの衣装を着てプロモーションを行っていた。
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 4.21 | 3.70 | 3.04 | 3.42 | 3.26 | 4.09 | 21.72 |
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