スーパーラグビー(英語: Super Rugby)は、オーストラリア・ニュージーランド・フィジーの3か国から計12のプロチームが参加するラグビーユニオンの競技会であり、SANZAARが運営している。2022年からの大会名はスーパーラグビー・パシフィック(英語: Super Rugby Pacific)。最多優勝は、クルセイダーズの10回である。
スーパーラグビー | |
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前身 | サウスパシフィック・チャンピオンシップ (1986-1990) スーパー6 (1992) スーパー10 (1993-1995) スーパー12 (1996-2005) スーパー14 (2006-2010) スーパーラグビー (2011-2020) スーパーラグビー・トランスタスマン (2021) スーパーラグビー・パシフィック (2022-) |
競技 | ラグビーユニオン |
オーナー | SANZAAR |
代表 | アンディ・マリノス |
開始年 | 1996年 |
参加チーム | 12 |
国 | オーストラリア ニュージーランド フィジー |
前回優勝 | クルセイダーズ (12回目) |
最多優勝 | クルセイダーズ (12回) |
公式サイト | SuperRugby.com |
南アフリカ共和国 (SA) 、ニュージーランド (NZ) 、オーストラリア (A) 、アルゼンチン (AR) の合弁事業であるSANZAARにより運営されるラグビーの国際リーグ戦。SANZAARはザ・ラグビーチャンピオンシップ運営も担当する。
スーパーラグビーについては、2020年までに南アフリカ共和国、アルゼンチン、日本が撤退。新型コロナウイルス感染症の世界的流行を経て、リーグを再構築し、2022年から「スーパーラグビー・パシフィック」として、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーを拠点とする12チームで運営されている。
プロラグビー ラグビーリーグ(13人制ラグビー)の人気に対抗するため、オーストラリアニューサウスウェールズラグビー協会主催の招待大会を始まりに、1986年から1990年まで開催された6チーム参戦のサウスパシフィック・チャンピオンシップに起源を持つ。
当時の参加チームは、オーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド)、ニュージーランド(オークランド、カンタベリー、ウェリントン)、フィジーの6チーム。
1991年は、ニューサウスウェールズラグビー協会の財政事情により開催されなかった。ワールドカップ1991でのオーストラリア優勝を経て、1992年に「スーパー6」として再開した。
1993年、スーパー6に代わり、南アフリカとパシフィック・トライネイションズの優勝国が新たに参戦する国際トーナメント「スーパー10」が開催される。参加チームはオーストラリア(ニューサウスウェールズ、クイーンズランド)、ニュージーランド(前年のニュージーランド州代表選手権上位4チーム)、南アフリカ(前年のカリーカップ上位3チーム)、パシフィック・トライネイションズ(前年のフィジー、トンガ、西サモアによるラグビー国際試合の優勝国)の計10チーム。スーパー10は、1993年から1995年までの3シーズン開催された。
1995年、それまでアマチュアスポーツを堅持していたラグビーユニオンが、13人制ラグビーリーグと同じプロ化へと転換した。
1996年、オーストラリアとニュージーランドで人気が高いラグビーリーグへの対抗、ワールドカップ1995で優勝した南アフリカのチーム強化を目的として、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの3協会による合弁事業としてSANZARが設立される。SANZARの名称は「South African, New Zealand and Australian Rugby」の頭文字に由来している。
SANZARは、1996年から2005年まで12チーム参戦の国際リーグ戦「スーパー12」を開催。放映権売却による大型スポンサー契約を獲得し、期間限定のプロラグビーチームを結成。ラグビーの世界的な強豪3か国による国際リーグ戦が開始された。当初はオーストラリアから3チーム、ニュージーランドから5チーム、南アフリカから4チームの計12チームが参戦し国際リーグ戦を展開したが、2006年シーズンに新たに2チームが新規参入し14チームによる「スーパー14」へと名称変更された。さらに2011年シーズンからレベルズ(オーストラリア・メルボルン)が新規参入し15チーム編成の「スーパーラグビー」となった。
南アフリカ共和国、ニュージーランド、オーストラリアの各国ごとにカンファレンスを構成し、レギュラーシーズンとして、各チーム16試合を行う。各カンファレンスは5チームからなる。
その内訳は、同一カンファレンス内ではホーム&アウェーで各チームが8試合、異なるカンファレンスとは4試合ずつ(異なるカンファレンスでは1チームずつ対戦しない相手がいる)の計8試合である。
各週5~7試合が開催され(期間中、各チームは5週(5試合)休み)、計120試合が行われる。各チーム8試合が本拠地開催となる。各カンファレンスの勝ち点(ポイント)とボーナスポイントを合わせた総勝ち点数1位と、残り12チームのうちの総勝ち点上位3チームがファイナルシリーズに進出し、プレーオフトーナメントを行う。総勝ち点数の1位と2位がシードとなり、3位から6位のチームが準決勝進出決定プレーオフを行う。3位決定戦は行われない。
2014年11月20日、2016年シーズン以降からのスーパーラグビーへの南アフリカチームのキングスと日本チームのサンウルブズとアルゼンチンチームのハグアレスの参加が決定し、18チームとなった。2016年からSANZARにアルゼンチンラグビー協会が参加しSANZAAR(South Africa, New Zealand, Australia and Argentina Rugbyを意味する)に改称した。
18チームに増加したことを受けて、カンファレンス構成を変更した。南アフリカグループ、オーストラリア・NZグループの2つに大別し、さらに南アフリカグループ内では、アフリカ カンファレンス1(4チーム)、アフリカ カンファレンス2(4チーム)の2カンファレンス、オーストラリア・NZグループ内では、ニュージーランド カンファレンス(5チーム)、オーストラリア カンファレンス(5チーム)に分けた。レギュラーシーズンとして、各チーム15試合を行う。
南アフリカグループのチームは、所属カンファレンス内で全チームとホーム&アウェー戦を実施(6試合)し、グループ内の別カンファレンスチームとは1回ずつ対戦(4試合)、オーストラリア・NZグループのうちの5チームと各1試合対戦(5試合)する。
オーストラリア・NZグループのチームは、所属カンファレンス内では全チームと対戦(うち2チームとはホーム&アウェー)(6試合)、グループ内の別カンファレンスのチームとは5試合、南アフリカグループのチームとは4試合対戦する。
各カンファレンス1位の4チームとワイルドカード4チーム(南アフリカグループは各カンファレンス1位を除く6チームで勝ち点が一番多い1チーム、オーストラリア・NZグループは各カンファレンス1位を除く8チームで勝ち点の多い上位3チーム)の計8チームがファイナルシリーズに進出し、プレーオフトーナメントを行う。
2018年シーズンからスーパーラグビーのチームを南アフリカから2チーム、オーストラリアから1チーム減らし、18チームから15チームになる。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3つのカンファレンス、各5チームに再編され、アルゼンチンのハグアレスは南アフリカカンファレンスに、日本のサンウルブズはオーストラリアカンファレンスに所属することになる。
各チーム同じカンファレンスのチームとホーム&アウェーで8回対戦し、残りの8試合は別のカンファレンスのチームと対戦する。ファイナルシリーズには、各カンファレンス1位の3チームと5つのワイルドカードチームの計8チームが出場する。
日本から参加したサンウルブズが、2019 ラグビーワールドカップでのラグビー日本代表の強化目的を終えたことや、2021年シーズン以後の参加契約の締結を結ばなかったことなどから、2020年シーズンを最後に活動終了を決定。また、新型コロナウイルスの影響で、5か国参加型の国際大会としては2020年3月で打ち切り、大会不成立となった。
その後、国内リーグ規模に縮小する形で「スーパーラグビーAU」(オーストラリア5チーム)、「スーパーラグビー・アオテアロア」(ニュージーランド5チーム)、「スーパーラグビー・アンロックト」(南アフリカ7チーム)のそれぞれの代替リーグが開催された。。この年を最後に、南アフリカとアルゼンチンの出場クラブも撤退した。
2021年、前年に続きオーストラリア5チームによる「スーパーラグビーAU」と、ニュージーランド5チームによる「スーパーラグビー・アオテアロア」で、国内リーグ形式に規模縮小となった。さらに「AU」と「アオテアロア」の交流戦として、この年度限りの「スーパーラグビー・トランスタスマン」を開催した(相手リーグとの総当たり戦を1回行った後、上位2チームによる決勝戦を実施)。トランスタスマンとは、オーストラリアとニュージーランドの両国を結ぶ地理・経済用語。
2022年シーズンから「スーパーラグビー・パシフィック」と改称しリニューアルした形で再開された。オーストラリア・ニュージーランドの各5クラブに、フィジーのチームで過去にオーストラリア選手権(National Rugby Championship)を制したことがある「フィジアン・ドゥルア」と、トンガ・サモアなどの太平洋諸島出身者・国籍所有者で構成する「モアナ・パシフィカ」の2クラブが加わり、計12チームで実施。
試合は、12チームによる変則総当たり方式で、同じ国に所属するチーム(ただし、フィジアン・ドゥルアはオーストラリア、モアナ・パシフィカはニュージーランドの扱い)のうちの特定の3チームとは2回戦総当たり、他とは1回戦総当たりの14試合を行い、その成績により上位8チームがプレーオフトーナメントに進出する。
2022年から始まった「スーパーラグビー・パシフィック」では、前年までのオーストラリア5チームとニュージーランド5チームに加え、フィジーから1チーム(フィジアン・ドゥルア)、サモアやトンガなど太平洋諸島出身の選手からなるニュージーランドの1チーム(モアナ・パシフィカ)が参加し、計12チームとなっている。
カンファレンス | チーム名 | 参加年 | 本拠地 | ホームスタジアム | 優勝 |
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オーストラリア | ブランビーズ | 1996 | 首都特別地域キャンベラ | キャンベラ・スタジアム | 2回 |
ワラターズ | 1996 | ニューサウスウェールズ州シドニー | アリアンツ・スタジアム | 1回 | |
レッズ | 1996 | クイーンズランド州ブリスベン | サンコープ・スタジアム | 1回 | |
レベルズ | 2011 | ビクトリア州メルボルン | AAMIパーク | - | |
ウェスタン・フォース | 2006 | 西オーストラリア州パース | nibスタジアム | - | |
フィジアン・ドゥルア | 2022 | フィジー・スバ | - | ||
ニュージーランド | ブルーズ | 1996 | オークランド地方オークランド | イーデン・パーク | 3回 |
チーフス | 1996 | ワイカト地方ハミルトン | ワイカト・スタジアム | 2回 | |
クルセイダーズ | 1996 | カンタベリー地方クライストチャーチ | AMIスタジアム | 10回 | |
ハイランダーズ | 1996 | オタゴ地方ダニーデン | フォーサイスバー・スタジアム | 1回 | |
ハリケーンズ | 1996 | ウェリントン地方ウェリントン | ウエストパック・スタジアム | 1回 | |
モアナ・パシフィカ | 2022 | オークランド地方オークランド | マウント・スマート・スタジアム | - |
大会名 | シーズン | 参加チーム数 | 開催日 | 開催地 | 優勝チーム | スコア | 準優勝チーム |
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スーパー12 | 1996 | 12 | 5月25日 | イーデン・パーク | ブルーズ | 45-21 | シャークス |
スーパー12 | 1997 | 12 | 5月31日 | イーデン・パーク | ブルーズ | 23-7 | ブランビーズ |
スーパー12 | 1998 | 12 | 5月30日 | イーデン・パーク | クルセイダーズ | 20-13 | ブルーズ |
スーパー12 | 1999 | 12 | 5月30日 | カリスブルック | クルセイダーズ | 24-19 | ハイランダーズ |
スーパー12 | 2000 | 12 | 5月27日 | ブルース・スタジアム | クルセイダーズ | 20-19 | ブランビーズ |
スーパー12 | 2001 | 12 | 5月26日 | ブルース・スタジアム | ブランビーズ | 36-6 | シャークス |
スーパー12 | 2002 | 12 | 5月25日 | ジェイド・スタジアム | クルセイダーズ | 31-13 | ブランビーズ |
スーパー12 | 2003 | 12 | 5月24日 | イーデン・パーク | ブルーズ | 21-17 | クルセイダーズ |
スーパー12 | 2004 | 12 | 5月22日 | キャンベラ・スタジアム | ブランビーズ | 47-38 | クルセイダーズ |
スーパー12 | 2005 | 12 | 5月28日 | ジェイド・スタジアム | クルセイダーズ | 35-25 | ワラターズ |
スーパー14 | 2006 | 14 | 5月27日 | ジェイド・スタジアム | クルセイダーズ | 19-12 | ハリケーンズ |
スーパー14 | 2007 | 14 | 5月19日 | ABSAスタジアム | ブルズ | 20-19 | シャークス |
スーパー14 | 2008 | 14 | 5月31日 | AMIスタジアム | クルセイダーズ | 20-12 | ワラターズ |
スーパー14 | 2009 | 14 | 5月30日 | ロフタス・ヴァースフェルド | ブルズ | 61-17 | チーフス |
スーパー14 | 2010 | 14 | 5月29日 | オーランド・スタジアム | ブルズ | 25-17 | ストーマーズ |
スーパーラグビー | 2011 | 15 | 7月9日 | サンコープ・スタジアム | レッズ | 18-13 | クルセイダーズ |
スーパーラグビー | 2012 | 15 | 8月4日 | ワイカト・スタジアム | チーフス | 37-6 | シャークス |
スーパーラグビー | 2013 | 15 | 8月3日 | ワイカト・スタジアム | チーフス | 27-22 | ブランビーズ |
スーパーラグビー | 2014 | 15 | 8月2日 | ANZスタジアム | ワラターズ | 33-32 | クルセイダーズ |
スーパーラグビー | 2015 | 15 | 7月4日 | ウエストパック・スタジアム | ハイランダーズ | 21-14 | ハリケーンズ |
スーパーラグビー | 2016 | 18 | 8月6日 | ウエストパック・スタジアム | ハリケーンズ | 20-3 | ライオンズ |
スーパーラグビー | 2017 | 18 | 8月5日 | エミレーツエアライン・パーク | クルセイダーズ | 25-17 | ライオンズ |
スーパーラグビー | 2018 | 15 | 8月4日 | AMIスタジアム | クルセイダーズ | 37-18 | ライオンズ |
スーパーラグビー | 2019 | 15 | 7月6日 | AMIスタジアム | クルセイダーズ | 19-3 | ハグアレス |
スーパーラグビー | 2020 | 15 | 新型コロナウイルス感染症の世界的流行による中断で、大会不成立 | ||||
スーパーラグビー・トランスタスマン | 2021 | 10 | 6月19日 | イーデン・パーク | ハイランダーズ | 23-15 | ブルーズ |
スーパーラグビー・パシフィック | 2022 | 12 | 6月18日 | イーデン・パーク | クルセイダーズ | 21-7 | ブルーズ |
スーパーラグビー・パシフィック | 2023 | 12 | 6月24日 | ワイカト・スタジアム | クルセイダーズ | 25-20 | チーフス |
スーパーラグビー・パシフィック | 2024 | 12 | - |
日本では、2020年シーズンまでJ SPORTSが放映権を持ち、日本のサンウルブズが参加していた時期には日本テレビ・BS日テレでも放送があった。2021年シーズンからは、WOWOWが放映権を獲得している。
世界各地への放送・配信状況は以下の通り(2024年1月発表時点)。
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