ゲームボーイアドバンス(GAME BOY ADVANCE)は、任天堂が開発した携帯型ゲーム機。日本では2001年3月21日に発売された。略称は「GBA」。21世紀最初の任天堂の携帯型ゲーム機に当たる。任天堂最後の国産携帯機となった。
メーカー | 任天堂 |
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種別 | 携帯型ゲーム機 |
世代 | 携帯機第5世代 |
発売日 | 2001年3月21日 2001年6月11日 2001年6月22日 2002年1月 2002年 2004年6月8日 |
CPU | ARM7TDMI(16.78MHz)+LR35902(4.2/8.4MHz) |
対応メディア | ロムカセット |
対応ストレージ | バッテリーバックアップ フラッシュメモリ |
外部接続 | 外部拡張コネクタ |
オンラインサービス | モバイルアダプタGB モバイルシステムGB |
売上台数 | ゲームボーイアドバンス 955万台 1,669万台 3,500万台 ゲームボーイアドバンスシリーズ 1,696万台 4,164万台 8,151万台 |
最高売上ソフト | ポケットモンスター エメラルド /206万本(単独) ポケットモンスター ルビー・サファイア /538万本(2本合計) ポケットモンスター エメラルド /641万本(単独) ポケットモンスター ルビー・サファイア /1,585万本(2本合計) |
後方互換 | ゲームボーイ ゲームボーイカラー |
前世代ハードウェア | ゲームボーイカラー |
次世代ハードウェア | ニンテンドーDS |
1989年4月21日に発売をしたゲームボーイから約12年ぶりの完全新型携帯ゲーム機である。前世代機であるゲームボーイカラーに比べ画面の大きさは約1.5倍、色数が増加し、32ビットCPUの採用など、ゲームボーイカラーに比べて大きく性能が上がっている。また、専用ソフトに使うメインの32ビットCPUに加え、8ビットCPUも搭載されているため、ゲームボーイやゲームボーイカラーとの後方互換性もある。
2003年2月14日には、フロントライト搭載と充電式への変更、さらに折り畳み型に変わった上位モデルのゲームボーイアドバンスSPが発売された。2005年9月13日にはゲームボーイカラーとの後方互換性を削除し小型化、バックライト液晶化されたゲームボーイミクロが発売された。ちなみに後継機であるニンテンドーDS、ニンテンドーDS LiteでもGBAのソフトを遊ぶことができる。
2010年にはゲームボーイアドバンス本体(SP、ミクロ含む)、ソフトともにすべて生産終了となり、2012年には本体の公式修理サポートも終了した。
当機の企画は任天堂の開発部長であり、ゲームボーイの技術的な開発も手掛けた岡田智によって立てられた[リンク切れ]。
ゲームボーイは販売価格を抑えた結果、仕様をかなり削ったため、岡田はゲームボーイを世に送り出した直後からバージョンアップしたい(もっと高仕様の携帯ゲーム機を出したい)という思いがあった。しかしゲームボーイカラーを先に開発・発売することになり、岡田もゲームボーイアドバンスの前に「まずはゲームボーイカラーを使ってもらう段階を踏むことが必要」と判断したことで、本機の開発は後回しになった。
テレビゲームでは新しいスペックで新しいグラフィック性能のものが続々と出続けているので、早いうちから任天堂の若い技術者の間でも新しいCPUを搭載する新しいハードウェアを作りたいという意見が多かった。しかしゲームボーイカラー発売直後も当機に関しては構想段階にとどまっており、すぐには開発には取り掛かれなかった。
なお同時期に発売されていた携帯電話のように本機をさらに小型・高性能化することは技術的には可能であったが、月産数百万台が見込まれるため、大量生産可能な部品を使用しないと値段が高騰することから、制限のある中で部品を集めるのにハードウェア開発者は苦労した。
本機はゲームボーイやゲームボーイカラーと比較して以下の特徴を持つ。
公式ページが挙げる上記4つの点に加えて、次の点も特徴として挙げられる。
なお本体は製造された年により中国製と日本製のものがあり、内部のコンデンサ、コイル、チップなども異なる。
2001年3月21日発売時の本体カラーは3種類、型番はAGB-001。
限定モデルには液晶画面下部の「GAMEBOY ADVANCE」ロゴの左右にワンポイントをあつらえたものがある。
※ともに後方互換性あり
型番 | 名称 | 価格 | 備考 |
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AGB-002 | ゲームボーイアドバンス専用カートリッジ | カートリッジのみの販売はない。容量は最大256メガビット(32メガバイト)。 | |
AGB-003 | バッテリーパック | 3,500円 | セットで販売、バッテリーパックはニンテンドーゲームキューブのウェーブバードにも対応。エネループなどのニッケル水素電池やニカド電池は社外品という扱いであるため、使用しないようにと説明書に記述がある。 |
AGB-004 | チャージャ | ||
AGB-005 | 通信ケーブル | 1,400円 | GBAソフト専用 |
AGB-006 | 赤外線通信アダプタ | 9,980円 | 『サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ』に同梱。 ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ(AGB-015)とは異なる。 |
AGB-007 | バッテリーケース | バッテリーパックとセット | |
AGB-008 | 電源接続ユニット | 1,500円 | セットで販売 |
AGB-009 | ACアダプタ | ||
AGB-010 | カードeリーダー | 5,800円 | カードeを読み込むための機器。上位規格のカードe+には非対応。 |
AGB-013 | 動きセンサーカートリッジ | 『ヨッシーの万有引力』などに使用。 | |
太陽センサーカートリッジ | 4,980円 | 『ボクらの太陽シリーズ』に使用。 | |
AGB-014 | カードeリーダー+ | 4,800円 | AGB-010の上位機種。ゲームボーイアドバンスやゲームキューブとの通信機能やセーブ機能が追加された。 ゲームボーイアドバンスSP本体で使用する際は保護カバー(AGB-016)を装着する。 |
AGB-015 | ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ | 2,000円 | 無線通信により通信ケーブル無しでの通信プレイが可能。 対応ソフトで通信ケーブルの代用としても使用できる。 |
AGB-016 | 6pin保護カバー | ゲームボーイアドバンスSPでカードeリーダー+を使用する際に使用。 | |
AGB-019 | 回転センサーカートリッジ | 4,800円 | 『まわるメイドインワリオ』に使用。 |
AGB-021 | 振動カートリッジ | 3,800円 | 『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』に使用。 |
AGB-023 | GBAクリーナー | 1,000円 | GBA端子をクリーニングする道具。 「ニンテンドーDSシリーズ専用 クリーナーセット」に同梱。 |
CGB-005 | モバイルアダプタGB | 3,800円 | ゲームボーイカラー用周辺機器だが本機にも対応。 |
DOL-011 | GBAケーブル | ニンテンドーゲームキューブとの接続および連動させるために使用。ニンテンドーゲームキューブ用コントローラとして機能させることも可能。 |
ローンチタイトルは任天堂からは『スーパーマリオアドバンス』や『F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE』など4タイトル、他社からは「悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon」や「ミスタードリラー2」など26タイトルが発売された。
ハードのスペックの向上により、スーパーファミコンのソフトが多数移植・発売されており、スーパーマリオアドバンスシリーズ、スーパードンキーコングシリーズなどが展開された。
日本国内においては発売タイトル数のピークは本体発売翌年の2002年で、2006年以降発売のGBAソフトは、DS発売前より開発が進められていたものや他機種よりの移植作品が大半だった。2006年4月20日に発売され40万本を販売した『MOTHER3』が最後のヒット作となり、同年8月3日発売の『リズム天国』が任天堂最後のGBAソフト、2006年11月30日発売の『ファイナルファンタジーVIアドバンス』(スクウェア・エニックス)がGBA最後のソフトとなった。13年に渡ってソフトが発売されたゲームボーイと比較すると短命に終わった。一方、日本国外ではその後もソフトが発売された。
ニンテンドーDS発売以降は、GBA互換機能があるため、「DSでも遊べる」ということを強調して宣伝されることもあった。
本機はゲームボーイおよびゲームボーイカラーとは高い互換性を持っている。ゲームボーイカラーの赤外線通信対応ソフトも、基本的には通常通りのプレイが可能である。ただし『ちっちゃいエイリアン』および『ぞくぞくヒーローズ』は赤外線通信のない本機では遊ぶことができない。 またゲームによっては正常に起動しなかったり、画面が暗く感じることがある。
ゲームボーイ・ゲームボーイカラー用ソフトで通信機能を使う場合、通信ケーブルは旧型のものを用意する必要がある。
ゲームボーイ・ゲームボーイカラー用ソフト使用時に、LおよびRボタンによる画面サイズの変更(画像を横に引き伸ばす)機能が追加されている。
非公式ながらも、通信ポートを利用してPCと接続するケーブルや、これを利用したソフト開発ツールが存在しており、これらを利用した個人制作のプログラムや同人ゲームの開発も行われている。また「UNIX USER」誌ではgccを利用したGBAアプリケーションの開発方法についての短期連載が行われ、2003年に『Linuxから目覚めるぼくらのゲームボーイ!』(西田亙、ソフトバンククリエイティブ、ISBN 978-4797325645)として書籍化された。これは汎用的なCPUであるARMアーキテクチャを採用したことや、実装上有用な命令を本体側に実装してあることが一般人による開発の一助となった。
フリーライターの本地健太郎は4Gamer.netへの寄稿で、ゲームボーイアドバンスは当時「スーパーファミコンが携帯ゲーム機になった」というくらいのインパクトを受けたと語りつつ、NINTENDO64をはじめとする家庭用ゲーム機が3DCGの方向で進む中、スーパーファミコン時代のドット絵の愛好家にとって「2D最後の砦」のような雰囲気があり、それが愛されている要因の一つではないかと評している。
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