エンブラエル フェノム 100 (Embraer Phenom 100) は、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエルが開発した超軽量ジェット機である。型式証明はEMB-500として受けた。2017年4月時点で37カ国で350機が使われている。
フェノム 100は、キャビン容積が7.985m3 (282 ft3) で、高さ1.47m×幅0.74m (4.5 ft × 2.1 ft) のドアと高さ36cm×幅30cm (1.2 ft × 1 ft) の窓を持ち、断面が卵形の胴体をしている。与圧されていない荷物室は1.56m3 (54.9 ft3) ある。構造寿命は、28,000回の飛行か35,000時間の飛行である。機体の20%は複合材でできている。
標準構成で4人の乗客を乗せられるが、オプションで1人分の横向きのシートとトイレ席を使うならば、最大7人の乗客と1人の乗員を乗せることができる。キャビン・インテリアは、BMWグループのDesignworksUSAが担当した。
機体後部にプラット&ホイットニー・カナダ製のPW617-Fターボファンエンジンが2基、据えられている。このエンジンは、気温10度のとき、7.5 kN (1,695 lb) の離陸推力を持つ。また、二重化されたFADECを持っており、自動推力調整機能により、離陸時にエンジントラブルが起きても、エンジン出力は7.9 kN (1,777 lb) まで増加する。後継モデルであるPW617F-Eは、10分間の推力が8.1 kN (1,820 lb) になっている。
最大航続距離は、計4人が乗った状態で、2,182km (1,178海里) である。
2005年4月にエンブラエルの取締役会は超軽量ジェット機の開発を承認した。11月9日、NBAA(全米ビジネス航空協会)の年次総会の際、この機はフェノム 100と名付けられると発表され、原寸大のモックアップも展示された。
初飛行は2007年7月26日にブラジルのサン・ジョゼ・ドス・カンポスで行われた。型式証明はブラジルのNCAA(国家民間航空局)から2008年12月9日に受けた。最初のデリバリーは、2008年12月24日に行われた。
フェノム 100
シリーズ最初のモデル。
フェノム 100E
多機能スポイラーを含む改良機。
フェノム 100EV エボリューション
重量軽減と推力増大 (7.5 kNから7.7 kNへ増大) により、12,497m (41,000 ft) へ上昇するのにかかる時間が33分から25分に短縮され、高高度・高温の空港での離陸滑走距離も、2,014mから1,726mに短縮された。また、Garmin G3000のタッチパネル型コックピットを備えている。機体価格は449万5000ドルである。最初のデリバリーは、2017年3月31日に行われた。
機体は、個人、企業、フラクショナル事業、チャーター事業、航空機管理事業、軍などで用いられている。
2009年の価格は360万ドル、2015年の価格は416万ドルだった。フェノム 100の飛行コストは1マイルあたり2~3ドルとされる。
エンブラエルは当初はフェノム 100を、2008年に15機、2009年に120~150機、デリバリーする予定だったが、2008年には2機しかデリバリーできず、2009年の計画も97機に縮小された。エンブラエルは2014年後半時点で30機の注文残を抱えていた。
全てのフェノムの生産は、2016年7月からフロリダ州メルボルンに移管されている。そこの設備は、年に96機のフェノムと72機のレガシー 500/450を生産できる見込みである。既にその施設で、2016年6月までに170機以上のフェノムが、主にアメリカ市場に向けて生産された。
Year | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 |
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Number of deliveries | 2 | 97 | 100 | 41 | 29 | 30 | 19 | 12 |
(特に明記が無い項目は、フェノム 100EVのパンフレットによる)
概要
性能
関連する開発
役割、構成、時代の機体が類似する機体
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