アバンギャルド、または、アヴァンギャルド(仏: avant-garde)、漢語表現で「前衛」と呼ばれているものについて解説する。
フランス語でもともと「前衛部隊」を指す語であり「最先端に立つ人」、芸術の文脈においては、《革新的な試み》や《実験的な試み》を指すようになった。
美術・音楽・映画・演劇・舞踏・文学・書道・生け花など、各分野で「アバンギャルド」と呼ばれる表現が存在する。漢字で表現する場合は「前衛」とし「前衛芸術」「前衛美術」「前衛音楽」「前衛文学」等の用語・概念がある。
「アバンギャルド」がもともと軍事用語を引用したことからも「何かへの攻撃の先頭に立つ」というような、政治的ニュアンス、挑戦的な姿勢を示す言葉である(例えば、旧世代に属する芸術、保守的な権威、資本主義体制など、様々なものへの挑戦する姿勢、戦いを挑む気概などを含んでいるものを指す用語・概念である)。
政治的ニュアンスを含んだ言葉としての最初の使用例はアンリ・ド・サン=シモンの『新キリスト教』(1825年)とされている。ロシア革命前後に起こったロシア・アヴァンギャルドは、革命を象徴する芸術活動として活発な活動を行った。
1960年代がアバンギャルドの全盛期であった。保守化が目立った1980年代には、「"前衛"は(もう)古い」と見なすような風潮が見られたが、21世紀に入ってから再評価され、復活してきている。
アバンギャルドという言葉のもつ「(既存のものへの)挑戦的な姿勢」という概念は、芸術制作の一部ジャンルとして存在する。用語として「アバンギャルド」「前衛芸術」というとき、それは20世紀に起きた一連の芸術運動のことを指す。イタリアのライター、レナート・ポッチェリは1962年の著書で、ヴァンガード文化がボヘミア文化の多様性や、サブジャンルである可能性を指摘した。
カールハインツ・シュトックハウゼン、ヤニス・クセナキス、ピエール・ブーレーズ、マウリシオ・カーゲル、アルフレート・シュニトケ、ルイジ・ノーノ、リゲティ・ジェルジュ、ジョン・ケージ、オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、デレク・ベイリー、ムーンドッグなどの作曲家による楽曲が知られる。
「実験音楽」参照
アンチテアトル、オフ・ブロードウェイ、オフ・オフ・ブロードウェイ(en:The Living Theatreなど)、アングラ演劇など。
アングラ演劇の代表は、1960年代の激動の時代を反映した寺山修司の天井桟敷、劇団黒テントなど。現在でも月触歌劇団や演劇実験室◎万有引力、J・A・シーザーらが、寺山のスピリットを引き継いだ演劇を発表している。
実験映画 も参照
ギャスパー・ノエ、ケネス・アンガー、スタン・ブラッケージ、ジョナス・メカス、アレッハンドロ・ホドロフスキー、デンマークのドグマ95など。
前衛書道を参照。
中川幸夫による前衛生け花が知られている。
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