銀河水管弦楽団(ウナスかんげんがくだん)は、朝鮮民主主義人民共和国に存在した楽団である。
銀河水管弦楽団 | |
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出身地 | 北朝鮮 |
活動期間 | 2009年 - 2013年 |
共同作業者 | 金正日、金正恩 |
銀河水管弦楽団 | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 은하수관현악단 |
漢字: | 銀河水管絃樂團 |
発音: | ウナス クァニョナクタン (ウンハス クァンヒョン アクタン) |
日本語読み: | ぎんがすいかんげんがくだん |
RR式: | Eunhasu Gwanhyeonakdan |
MR式: | Ŭnhasu Kwanhyŏnaktan |
英語表記: | Unhasu Orchestra |
「銀河水」という名前自体は、朝鮮民主主義人民共和国のメディアで2007〜8年ごろから上り始めた。朝鮮中央テレビで「銀河水音楽」という名前で画面音楽(ミュージックビデオ)が流されたが、普天堡電子楽団傘下の声楽組の一つである「銀河水」所属の歌手が歌い、普天堡電子楽団の演奏家が演奏したものであった(朝鮮国立交響楽団による演奏のものもある)。銀河水管弦楽団初期の主要女性歌手は「銀河水」出身の者が多い。 団員は、2000年代半ば頃一時的に活動した、「国家重奏団」団員から構成されていた。
楽団の規模については弦楽器パートが少ない。 また、尹伊桑管弦楽団のような中規模編成である。 その他の西洋式管弦楽団とは異なり、電子楽器やバンドやジャズで使われるドラム・サックスなどのパートがあるのも銀河水管弦楽団の大きな特徴である。
楽団初期には西洋の楽器ばかりであったが、2011年頃からは同国で改良された所謂「民族楽器」と呼ばれる物も積極的に取り入れられ、対等な編成の割合になった。
「ポップオーケストラ」に近い楽団仕様であるが、サックスパートはジャズバンドのような演出をすることがあった。 「ジャズ」「ブルース」「ロック」などの西洋の大衆音楽を共和国人民が海外の文化を理解してから受け入れるようになった。
幼少より早期英才教育を受け、平壌音楽大学など、共和国内の音楽教育機関にて優秀な成績で卒業した若い音楽家、芸術家から選抜された音楽のエリート集団である。 共和国唯一の音楽コンクール、「2.16芸術賞」をはじめとする国内外様々なコンクールで入賞し、海外留学からの帰国子女の演奏家も多数配属されている。 朝鮮国立交響楽団や尹伊桑管弦楽団から再配置された楽団員もいる。 男女混合であるのは尹伊桑管弦楽団と同じだが、こちらはルックスも抜群である。
団長は、作曲家の人民芸術家チャン・ジョイル(後に朝鮮国立交響楽団団長を務め、2017年7月死去)が務めた。
首席指揮者は、平壌音楽大学でピアノを専攻し、卒業後に母校の管弦楽団で指揮の経験を積んだ後にオーストリアへ留学したリ・ミョンイルが務めていた。 また、チョン・ミンチョル、ユン・ボムジュ、キム・チュンイルなどの副首席、客員も担当していたが、2011年以降は、リ・ミョンイルとユン・ボムジュの2人体制で公演が進められている。
2013年8月に公開銃殺に処された楽長であるムン・ギョンジンは、2005年に開催されたカーネティ国際ヴァイオリンコンクールで優勝した経験がある。 また、ドラム担当のリ・ジニョクは、2000年5月に平壌学生少年芸術団が韓国で初公演したとき、ほぼ全ての打楽器を打って見せて、韓国で話題になった。
2013年の楽団解散後、残りの団員は功勲国家合唱団や青峰楽団、万寿台芸術団などに分かれた。
バイオリン奏者キム・スミョンは、楽団の解散後2015年に青峰楽団の楽長兼第1ヴァイオリン奏者として新たに舞台に上がったが、やはり同じヴァイオリン奏者のペク・ヒョニ、パク・ミョンジン、ソ・グクソンも同楽団の弦楽器パートを担当している。ピアノのヨ・シムなども同楽団で見ることができる。サクソフォーンのファン・スンチョル、トランペットのキム・チョルジュンは同楽団で2015年〜2016年の間に演奏者として参加したが、後に功勲国家合唱団に移っている。
公演において多くの歌手が出演したが、どこまでが楽団専属の歌手なのかは不明な点も多い。ここでは銀河水管弦楽団の公演で特に活躍した歌手を挙げる。
公演において、普天堡電子楽団傘下の「牡丹峰(六)重唱組」やワンジェサン芸術団の歌手らで構成される「ワンジェサン六重唱組」の歌手も出演した。「牡丹峰重唱組」の歌手として李雪主も出演していた。また万寿台芸術団など他の芸術団体の歌手や青年学生・学生少年の客演もあり、呉克烈や金元弘といった軍人・政治家やスポーツ選手など、歌手でない人物もゲストないし飛び入りで歌唱していた。元ワンジェサン軽音楽団・普天堡電子楽団歌手の玄松月(現在、牡丹峰楽団団長、朝鮮労働党中央委員会候補委員)も2012年3月8日に行われた音楽会で飛び入り出演した。
2011年7月、平壌に楽団の常駐会場である銀河水劇場が完成し、金正日総書記と金正恩朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長(当時)が開館記念コンサートを観覧された。 ただし劇場規模が小さい方なので、大規模な聴衆を動員するコンサートの場合、平壌大劇場や東平壌大劇場、万寿台芸術劇場、人民劇場、柳京鄭周永体育館のような平壌市内の大型公演会場や平壌市内の体育館で開催している。加えて2012年新年音楽会などの特別な場合に限り、慈江道熙川市と咸鏡南道咸興市など地方公演もした。
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