辛島昇

東京生まれ。神奈川県立湘南高等学校卒業^[要出典]。1958年 東京大学文学部東洋史学科卒業。1961年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了） 1964年、同大学院博士課程中退。同年、東京大学文学部助手。1967年、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所講師） 1971年、同助教授。1974年、東京大学文学部助教授、1981年同教授。1994年 定年退官、東京大学名誉教授、大正大学文学部教授。1995年、放送大学客員教授。2008年、大正大学退職、大正大学名誉教授。

1985年、インド刻文学会会長） 1989年以降は国際タミル学会会長に推挙された。1993年「ヴィジャヤナガル王国支配下の南インド社会 - 新しい体制の成立へ」で、博士（文学）（東京大学）。

2015年11月26日死去。

漢学者の家系に生まれ、父の辛島驍、母方の祖父塩谷温は漢文学者であった。

• タミル語刻文研究の世界的権威である。また「南アジア地域研究」の第一人者的人物であり、この領域の開拓・発展への貢献も大きい。南インド史や南アジア史の研究者として、アジアを代表する学者と位置づけられる。辛島によって、南インド史は書き換えられたとも評される。
• 南アジア中世史から現代インド社会まで、さらには日本で誤解されがちな「インドのカレー事情」・食文化について記した読み物を手掛けるなど、研究の幅も広い^[要出典]。

• 1979年 ドラヴィダ言語学会最優秀図書賞
• 1995年 第6回福岡アジア文化賞学術研究賞
• 2003年 日本学士院賞
• 2007年 文化功労者 （「History and Society in South India: The Cholas to Vijayanagar」）
• 2013年 パドマ・シュリー勲章（インド国家勲章）

単著

• 『地域からの世界史（5）南アジア』（朝日新聞社） 1992
• 『南アジアの歴史と文化』（放送大学教育振興会） 1996
  • 新編『インド史 南アジアの歴史と文化』（角川ソフィア文庫） 2021
• 『南アジアの文化を学ぶ』（放送大学教育振興会） 2000
  • 新編『インド文化入門』（ちくま学芸文庫） 2020
• 『カラー版 インド・カレー紀行』（岩波ジュニア新書） 2009

共著

• 『生活の世界歴史（5）インドの顔』（奈良康明共著、河出書房新社） 1975、のち新版 1980、のち河出文庫 1991
• 『インダス文明 - インド文化の源流をなすもの』（桑山正進, 小西正捷, 山崎元一共著、日本放送出版協会、NHKブックス］） 1980
• 『カレーの身の上』（辛島貴子、河出書房新社） 1986、のち改題『カレー学入門』（河出文庫） 1998

編著

• 『インド史における村落共同体の研究』（東京大学出版会） 1976
• 『インド入門』（東京大学出版会） 1977
• 『民族の世界史（7）インド世界の歴史像』（山川出版社） 1985
• 『インド』（新潮社） 1992
• 『辺境の世紀末 - 20世紀の意味を解きあかす「辺境」からの物語』（平凡社） 2000
• 『世界各国史（7）南アジア史』（山川出版社） 2004
• 『世界歴史大系・南アジア史（3）南インド』（山川出版社） 2007

共編著

• 『南アジアを知る事典』（前田専学, 江島恵教, 応地利明, 小西正捷、平凡社） 1992、のち新訂増補 2002
• 『東南アジア世界の歴史的位相』（石井米雄, 和田久徳、東京大学出版会） 1992
• 『地域の世界史（1）地域史とは何か』（濱下武志、山川出版社） 1997
• 『地域の世界史（2）地域のイメージ』（高山博、山川出版社） 1997
• 『地域の世界史（3）地域の成り立ち』（高山博、山川出版社） 2000

• 『インドシナ文明史』（ジョルジュ・セデス、みすず書房） 1969、第2版 1980
• 『インド史』1 - 2（ロミラ・ターパル、みすず書房） 1970 - 1972