『天使がくれたもの』(てんしがくれたもの)は、ケータイ小説家Chacoのデビュー作品で、続編を含め『天くれシリーズ』と呼ばれている。日本の女子高生の間で人気が高い。その後、続編として主人公・舞の中学時代を綴る『Line』、『天使が』で登場する友人の中学時代の物語である『太陽と月』、『天使が』での恋人の立場で綴った『君がくれたもの』も出版された。2021年3月時点でシリーズ累計部数は115万部を突破している。
ケータイ小説としてはYoshiの『Deep Love』に続くヒット作であり、『恋空』『赤い糸』へと続くいわゆる素人系ケータイ小説の流行(第2次ケータイ小説ブーム)のきっかけとなった。
作者のChacoはあとがきにて、この作品は自分の体験談であり、けじめをつけるために書いたものだと述べている。文学研究者の石原千秋は、このような自己言及によってケータイ小説を執筆することの社会的正当性や自己治癒に役立つということが確認され、前述の素人系ケータイ小説の流行に結びついたと考えられるとしている。また、この作品はケータイ小説が執筆される過程を描いた「メタ・ケータイ小説」といえると述べている。
この作品をネット上で読んだ女性が出版社に電話をかけ、泣きながら「感動する作品だから書籍化して欲しい」と訴え、それがきっかけで書籍版が出版されたという経緯がある。chacoは一時経済的な理由により執筆を中断していたが、それを再開できた理由はパケット定額制がはじまったことであった。
天くれシリーズとして全4作で完結している。
大阪市のある私立高校に入学した日向舞は、そこで同い年で岸和田市に住む本田美衣子に出会う。入学時の宿泊研修で親友となり、その後、舞は美衣子に誘われて岸和田のマンションにあるたまり場に行くことになった。そこで香久山聖、通称カグと知り合う。そして、舞は美衣子の元彼氏であるテルオと付き合ってしまう。テルオの関係を知ってしまった舞は落ち込むが、彼女を支えてくれたのがカグだった。舞はカグに恋するようになるが、彼は自殺した父の借金を返すため白浜へ行ってしまう。舞は三ヶ月の間、カグを待とうと決意するが、たまり場の友達の間での騒ぎの際、カグは自分の電話にだけは出てくれず、彼に思われていないと悟り、ショックを受ける。舞は中学時代の元彼の勇心(いさみ)とよりを戻すが、その直後カグが帰ってくる。カグの着信拒否は舞のことを思っていたための行動だった。だが、舞は勇心と付き合っていることをカグに話してしまう。その後舞は勇心と別れるが、カグは舞と向き合おうとしなかった。カグのことを忘れようと決める舞。たまり場の友達に連れられ、行った居酒屋でカグにそっくりで年上の快と出会い、付き合い始める。しかし快はかなりの浮気魔だった。快と別れる決意をし、カグへの想いを固める舞。カグの新しい彼女亜紗美の存在を気にするが、美衣子達たまり場の友達の後押しでカグへの告白を決める。だがカグは舞に会いに行く途中、交通事故で死亡する。舞とカグの葬式で彼の母親と会い、カグが財布に舞との写真を入れていたことを知らされる。5年後、22歳になった舞は、これまでの思い出をホームページに書き残すことにした。
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