フランス系アメリカ人(フランスけいアメリカじん、英語: French Americans、フランス語: Franco-Américains)は、フランス人の祖先を有する、またはフランス出身のアメリカ合衆国の国民を指す名称である。フランス民族の祖先がいれば純血、混血は問われない。ヨーロッパ系アメリカ人の一部である。
ブレット・ファーヴ / アンジェリーナ・ジョリー / ジャック・ケルアック / ジョニー・デップ / ジャン・ラフィット / ヘンリー・デイヴィッド・ソロー / ジョン・C・フレモント / エルテール・イレネー・デュポン / ハンフリー・ボガート / リア・ディゾン | |
(11,800,000人 合衆国全人口の4%) | |
居住地域 | |
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ニューイングランド 中西部 ルイジアナ州 | |
言語 | |
アメリカ英語, フランス語 | |
宗教 | |
カトリック カルヴァン主義 プロテスタント | |
関連する民族 | |
フランス人, フランス系カナダ人, ケベック人, ケイジャン, アカディアン |
現在、約1180万人のフランス系アメリカ人がおり、そのうち約160万人は家庭でもフランス語を使用している。2000年の国勢調査によると加えて45万人がフランス語を元としたクレオール言語を使用する。
フランス系アメリカ人は人口比において決して少数派ではないが、他の民族(ドイツ系やイタリア系)と比べると存在気配がやや薄く、「フランス系アメリカ人」というアイデンティティがあまり明るみに出ていない。理由として彼らはユグノー系の開拓者とほぼ融合していた事に加え、ケベックワー、フランス系カナダ人、アカディアン、ケイジャン、クレオールといったように自らのアイデンティティを新大陸で確立したからと言われている。多くのフランス系アメリカ人は17世紀にヌーベルフランスとして現在のカナダ・ケベック州を開拓した入植者の子孫であり、多くがニューイングランド地方に住む。彼らは現在のニューブランズウィックに住むアカディアンの子孫である。
フランス系アメリカ人はアメリカ全土に分布しているが、その多くは北部ニューヨーク州、ルイジアナ州とニューイングランド地方に集中している。特にルイジアナ州のアケイディアナでは15%が家庭でフランス語を使用しており、フランス語は英語、スペイン語、中国語に次ぎアメリカで使用される大きな言語となっている。1803年にナポレオン・ボナパルトによって現在の15州にまたがるフレンチ・ルイジアナが売られてからフランス系入植者は南部も含めて全土へ散らばった。
フランス系の人々の多くは自らのアイデンティティをフレンチカナディアンやケイジャン、クレオールととらえ、彼らの北米での本格的活動は1840年代から1930年代にかけてのケベックからの離散によって始まった。この時、約100万人のフランス系カナダ人がニューイングランドを始めミネソタ州、ウィスコンシン州、ミシガン州(全て五大湖沿岸の州)などに移り住んだ。当時のフランス系カナダ人の出生率は世界的に見て非常に高く、よって本国フランスからの移民が少なかったのにも関わらず彼らの人口は大きかった。またアメリカだけでなくオンタリオ州やマニトバ州などカナダ内でも散らばりを見せた。男性の労働者の多くは両国にて最初は材木業に携わり、他の者は五大湖周辺で活性化した鉱山業に従事した。
旧フランス領のサン=ドマングからもアメリカへ移民が流入した。1804年に同地が悲惨な独立戦争を経てハイチ共和国として独立、その流れを受けて多くの白人と少数のムラートたちはルイジアナ州へと移民してきた。彼らはクレオールとしてアメリカに融合することとなった。
ルイジアナのケイジャンたちは変わったヘリテージを持っており、現在のニューブランズウィック州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州にあたるアカディアに17世紀後半から18世紀初頭にかけて入植した彼らの祖先は、1755年にBeauséjour港でイングランド軍に捕らえられイングランド王に忠誠を誓うか退去をするか迫られた。多くの者はイングランドへの忠誠を拒否したため、一切の財を持たずに13植民地へと送られアカディアンの追放が起きた。この追放から一世代を経て約4千人のフランス系はルイジアナへ向け移動、新たな生活を築いた。ルイジアナ州アケイディアナには今でもフランス植民地時代の文化が残っている。ちなみに『ケイジャン』とは『アカディアン(アケイディアン)』が訛って出来た言葉である。
大半のフランス系アメリカ人はフランス革命以前に北米へと渡ってきた為、彼らのアイデンティティを象徴するマークは現在のトリコロール・フランス国旗ではなく君主制時代のフルール・ド・リスである。
フランス系が人口比10%以上の州 フランス系カナダ人を含む | フランス系が人口比4%以上の州 --- | 旧ヌーベルフランスの州と人口比 ルイジアナ州は除く | フランス系人口が多い州 フランス系カナダ人を含む | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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植民地時代に移民してきたフランス系アメリカ人の信仰は大きくはカトリック系とプロテスタントのユグノー系に分かれる。ヌーベルフランスはカトリック信者のみしか入植者として受け入れず、本国でも宗教差別を被っていたユグノーはイングランドやオランダ、プロイセン、またこれらの国の海外領土(13植民地やケープ植民地など)への移民を模索していた。彼らはカトリック圏の国々よりも英語圏の国に直ぐに溶け込むことができた。アレクサンダー・ハミルトンや最高裁判事だったジョン・ジェイなどはユグノーのバックグラウンドを持っている。
アメリカ文部省によるとフランス語はスペイン語に続きアメリカの高校・大学で教えられる2番目に多い外国語科目である。1980年代まではフランス語は最も多い外国語科目であったがヒスパニックの大量移民によりスペイン語に取って代わられた。2000年国勢調査によればフランス語は英語、スペイン語、中国語に次ぎアメリカで使用される4番目に大きな言語で160万人の話者がいる。ルイジアナ州を始めカナダ人、フランス人、ハイチ人が多いフロリダ州や北部メーン州、バーモント州、ニューヨーク市などが顕著である。
17世紀から18世紀のフランス入植時代の頃の北米(フランス領ルイジアナや北東部)ではフランス語は幅広く使用されており、現在でも特にニューオーリンズなどではフランス語の新聞も数多く存在する。フランス系アメリカ人の多くはフランス系コミュニティーの中で生活をしており、そこではフランス語を使用した学校や教会などが見受けられる。ニューイングランド地方、ニューヨーク州北部、中西部のフランス系カナダ人区域はしばしば「リトル・カナダ」とも呼ばれる。
ファーストネームの五十音順。純血・混血は問わない。
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