ファンタ(Fanta, )は、コカ・コーラのドイツ法人が開発したフルーツ味の炭酸飲料のブランドで、アメリカのザ コカ・コーラ カンパニー(コカ・コーラ社)やそのグループ企業から発売されている炭酸飲料(一部例外もあり。後述参照)。
種類 | 炭酸飲料 |
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販売元 | ザ コカ・コーラ カンパニー |
発祥国 | ナチス・ドイツ |
販売開始 | 1958年(日本) |
色 | グレープ、オレンジ他 |
公式サイト | https://www.fanta.jp/ |
コカ・コーラ社は1929年にドイツに現地法人を設立してドイツでのコカ・コーラ生産を開始した。不況期のスタートであり、1929年の販売量は5,840ケースに過ぎなかったが、ナチス・ドイツ政権下での売り上げと生産の伸張は大きく、1939年の販売量は450万ケースにまで激増する成功を収めた。しかし1939年の第二次世界大戦勃発によって、翌1940年、コカ・コーラ社ドイツ法人はアメリカ本国からコカ・コーラの原液を輸入できなくなった。
1938年からドイツ・コカ・コーラの支配人を務めたマックス・カイト (Max Keith) は、コカ・コーラの代替商品となる清涼飲料を求め、ドイツ・コカ・コーラの主任研究者ヴォルフガング・シェテリーク (Wolfgang Schetelig) らにより、炭酸飲料向けの新たなフレーバーシロップが開発された。これはリンゴジャム製造時の残渣と、チーズ等乳製品の製造工程中に生じる副産物の乳清などを原料に調合され、味は「果汁入りオレンジジュース : コーラ : レモンジュース を 0.375 : 0.375 : 0.25 位の割合で混合したようなもの」とされている。後年知られる「ファンタ」とは相当に異なったものであった。
ブランド名の語源はドイツ語「Fantasie」である。商品名を決める会議でカイトが「想像力 (Fantasie) を使え」(英語で「空想」を意味するFantasyとは意味が少し異なる)と言ったのに対して、ある出席者から「Fanta」 ([faːnta]) との即答が返ってきたことによる。
このように、最初のファンタは物資不足の中で作られた代用品飲料ではあったが、戦時中のドイツでは相当に受け入れられた。初期には甘味を得るためにサッカリンを利用せねばならなかったが、1941年には当局からテンサイ糖の供給を得られるようになり、砂糖不足のドイツでは料理用シロップの代用に使われたほどであった。またビタミンCとカフェインも添加された上で粉末ジュース加工され、戦地のドイツ軍にレーションの一部として支給された。
ドイツでは敗戦後も1949年までコカ・コーラ原液の輸入が止まっていたため、ドイツ・コカ・コーラの経営を支えたのはファンタであった。この代替コーラとしてのファンタは、この味に慣れ親しんだ世代のドイツ人により「シュペツィ」という名称の飲料として残された。なお、コカ・コーラは2015年にファンタ75周年を記念して、初期の味を復刻したファンタを発売したが、そのキャッチコピーに「古き良き時代」というフレーズを使ったため、「(ファンタが発売された)ナチスドイツの時代を美化するのか」とドイツなどでの批判が上がり、物議を醸した。
1955年、イタリア・ナポリのコカ・コーラのボトラー・SNIBEG社で、オレンジ果汁を配合した炭酸飲料が開発され、ドイツ起源の「ファンタ」の名が付けられた。これがいわゆる「ファンタ・オレンジ」の最初で、以後は、糖分、果汁、フレーバーや着色料を配合し、炭酸水で割った清涼飲料として、各国で生産されるようになった(生産国により、果汁を含まなければフルーツ名のドリンクとして販売できない国と、フレーバーや着色料のみで販売できる国があり、各国ごとに独自の調合が行われている)。
日本では、第二次世界大戦後の1958年に初めて販売された。この当時、すでに世界36カ国で販売されていた。1960年にはコカ・コーラ社によって商標が買い取られた。1961年、アメリカ国内では「7 Up」に対抗するため、ドイツ国内で販売されていたファンタクリアレモン味を「スプライト」という名称で販売した。現在は世界180カ国で販売されており、最も消費量が多い国はブラジルである。タイ王国では死者への供物として一般的であるという。
ここでは、日本法人である日本コカ・コーラ社の商品展開について記述する。
1970年代から1980年代初頭まではタレントを使ったCMを放送し、最後に「ファンタスティック」のコピーがあった。1980年代中盤からは主要顧客層である子供を使ったCMを放送しており、「ファンタはぼくらのヒーローだ!」というコピーの最後に猫の鳴き声を被せていた。
1980年代前半には柏原芳恵が出演し、柏原や子門真人がオリジナルCMソングを歌うバージョンや、松山千春がCMソングを歌ったバージョンが放映されていた。
1986年頃から1993年まではディズニーキャラクターを使ったCMを放送。マスカットの缶にミッキーマウスのイラストをプリントしていたのもこの時代の影響である。1986年のCMでは、実写の映像にディズニーキャラクターのアニメーション(主にミッキー・ドナルド・グーフィーの3者)を合成したものが放送され、翌年のパインフルーツ初登場を知らせるPS部でもミッキーのアニメーションが合成された。 1990年代にはKinKi Kidsが出演していた。
2000年頃
2002年からファンタ学園シリーズが展開されていた。『3年B組金八先生』のパロディで展開されたシリーズで、3年B組がスルーされている(他にもE組等がスルーされている)。このシリーズは、韓国においても韓国語に吹き替えた上で放送されていた。
以下は、このシリーズの登場人物と演者の一覧である。ファンタの公式サイトには登場人物たちのプロフィールが掲載されていたが、「黒ひげ」がタカラトミー(放送当時トミー)の登録商標であることから、黒ひげ先生のプロフィールのみ公式サイトから除外されていた。
このシリーズは2004年に一旦中止されたが、2008年2月20日からファンタ発売50周年記念として展開された「PLAY!」キャンペーンの一環で一時復活した。
2005年から、日本では童謡「そうだったらいいのにな」(井出隆夫作詞・福田和禾子作曲)のメロディでスチャダラパーのBOSEが替え歌を歌っている。このシリーズは、始めに空想の世界で始まり、「そうだったらいいのにな」のフレーズの後に現実に戻って落ちがつき、「そうじゃないからファンタ飲もう」で終わるのが基本的なパターンである。ファンタ学園シリーズの名残から学校に関するものがほとんどだった。
「そうだったらいいのにな」シリーズ(ヤギ篇・リモコン篇・カメラマン篇)は、2005年に全日本シーエム放送連盟が主催する「CMフェスティバル」において総務大臣賞/ACCグランプリ(最高賞)を受賞した。
2008年は、吉本興業(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)とのコラボレーションを展開。吉本所属のお笑いタレントである、品川庄司(オレンジ)、ガレッジセール(グレープ)、フットボールアワー(レモン)がそれぞれの缶(カッコ内参照)に登場した。
2009年からは横綱の朝青龍が、「ファン太郎」に扮した一見恐そうな「ファン太郎」だが本当はいい人であるという趣旨の『ファン太郎が行く』シリーズが放映されていた。本CMは、日本コカ・コーラ社によると、飲料のファンタが合成着色料無添加、ビタミンやカルシウムも豊富、純水である等、ファンタの良さを伝える目的がある。なお、2009年2月から放映された「ふるふるチャージ」のCMには2年後の2011年放映の『海賊戦隊ゴーカイジャー』で伊狩鎧/ゴーカイシルバー役として出演した池田純矢が赤いリーゼントのヤンキー役として出演し、2009年7月から放映された「もみもみフローズン」のCMにははるな愛が女子高生役として出演している。CMソングは増山達也が歌っていた。また、渋谷の東急百貨店に掲示された特大広告では、未成年者飲酒防止の観点から「未成年者の飲酒は法律で禁じられているよ。飲むならコレだね ファンタ」のキャッチコピーで呼びかけていた。
2010年3月から、「ファンタ もぉ〜もぉ〜ホワイト」の新発売CMから謎のロックバンド「FANTA」がメインのシリーズにリニューアルした。「FANTA」は、曙太郎がドラム、高見沢俊彦とマーティー・フリードマンがギター、綾小路翔がベース&ボーカル、谷村奈南がリードボーカルという設定。「FANTA」の「F」はフリードマンのF、「A」は綾小路のA、「N」は奈南のN「T」は高見沢のT、「A」は曙のAと、メンバーの姓名からの頭文字を合わせている。
2011年6月1日から放送が開始された新CMでは、曙が高見沢からバンドを解雇通告され、曙に代わるドラム担当として、“大阪のベテランドラマー”ことくいだおれ太郎が新メンバーに加わる設定の内容になる。
2012年3月からは、「More Fanta, More Play」(モット ファンタ モット アソブ)のキャッチコピーが設けられ、CMも2011年から海外で放送されているオリジナルのCGキャラクター「FANTA CREW」(ファンタクルー)が繰り広げる世界共通の内容のものにリニューアルされた。
2016年4月からCMキャラクターに菅田将暉を起用。2017年7月からは「ファンタ宣伝部」として、菅田が部長を務めるCMを放映。2019年3月まで放送された。
2019年4月からはCMキャラクターに乃木坂46を起用。メンバーが「ファンタ坂学園」の生徒となるCMが放映された。2020年4月からは設定が放課後に変更された。
2020年3月発売の「ファンタ プレミアグレープ」では本製品専用のTVCMが制作され、永山瑛太・松田龍平が起用された。
2021年3月の「ファンタ プレミアオレンジ」の発売と「ファンタ プレミアグレープ」のリニューアルに合わせてTVCMが一新され、前野朋哉と四千頭身の石橋遼大が新たに起用された。
2022年4月の「ファンタ プレミアレモン」の発売に合わせてTVCMが再度変更され、阿部寛が新たに起用された。2023年5月の「ファンタ レモンプレミア」のリニューアル発売に合わせてTVCMが三度変更され、吉岡里帆が起用された。
2021年4月からは「遊び心は、みんなの中に。」をテーマにしたキャンペーンが開始され、定番フレーバーのTVCMでは「ファンタ坂学園」までのティーンに向けた内容からファミリーに向けた内容に刷新され、特定のCMキャラクターが起用されなくなった。
2007年に流れていたCMは、子供がファンタグレープにビタミンCが添加してあることを理由に親にファンタを買うようにねだるという内容だった。また、ファンタそのものが擬人化されているパターンも存在する。ただし、CM放送後の2009年時点においてファンタグレープにはビタミンB6が添加されており、ビタミンCはファンタオレンジ等に添加されている。
2011年3月15日、森永製菓のチューイングソフトキャンディ「ハイチュウ」のコラボシリーズに、「ハイチュウ×ファンタグレープ」と「ハイチュウ×ファンタオレンジ」が期間限定で発売された。日本コカ・コーラ社と森永製菓のコラボレーションによる製品で、ファンタの味を初めてキャンディ化。ファンタの爽快感と炭酸感をハイチュウで再現した。
また、2023年3月6日にクラシエフーズが輸入販売するタブレット型ソフトキャンディ「メントス」とのコラボレーション企画として、「メントス FANTAオレンジ」が発売された。
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