チチェスター伯爵(英語: Earl of Chichester)は、イギリスの伯爵位。
過去に3度創設されている(第1期と第2期はイングランド貴族爵位)。現存する第3期のチチェスター伯爵位は、元首相初代ニューカッスル公爵トマス・ペラム=ホリスが1762年に叙されたスタンマーのペラム男爵を前身とし、1801年に2代スタンマーのペラム男爵トマス・ペラムが連合王国貴族爵位として叙されたのに始まっている。
初代ダンズモア男爵フランシス・リー(-1653) が、1644年6月3日にイングランド貴族爵位としてチチェスター伯爵位を受けたのが最初の創設である。彼には男子がなかったが、同伯爵位は娘婿の第4代サウサンプトン伯爵トマス・リズリー (1608–1667) への特別継承権(Special remainder)を認めていた。そのため彼の死後には4代サウサンプトン伯爵が2代チチェスター伯爵位を継承したが、彼にも男子がなかったので彼の死とともに爵位は絶えた。
ついでチャールズ2世の非嫡出子チャールズ・フィッツロイ (1662-1730) が、1675年9月10日にサウサンプトン公爵位とともにイングランド貴族爵位として叙されたのが二度目の創設である。彼はさらに1709年に母からクリーヴランド公爵位を継承している。しかし3代クリーヴランド公爵・2代サウサンプトン公爵・2代チチェスター伯爵であるウィリアム・フィッツロイが子供無く死去したことで爵位は消滅した。
現存する第3期のチチェスター伯爵は、ペラム家によって世襲されているものである。ペラム家が最初に称号を得たのは、庶民院議員として活躍したトマス・ペラム(1540–1624) が1611年5月22日に叙せられた「カウンティ・オブ・サセックスにおけるロートンのペラム準男爵 (Baronet Pelham, of Laughton, county of Sussex)」である。その曾孫である4代準男爵サー・トマス・ペラム(1653–1712)もホイッグ党の庶民院議員として活躍し、1706年12月16日にはイングランド貴族爵位「カウンティ・オブ・サセックスにおけるロートンのペラム男爵 (Baron Pelham of Laughton, county of Sussex)」に叙せられた。
その息子であるトマス・ペラム=ホリス (1693–1768) は、母方の伯父にあたる初代ニューカッスル=アポン=タイン公爵ジョン・ホリス (1662-1711) の財産を継承した関係で1715年8月11日にニューカッスル=アポン=タイン公爵位を新規に授与された。彼は政界においてホイッグ党幹部の貴族院議員として活躍し、首相(在職:1754年 - 1756年、1757年 - 1762年)を務めた。しかし彼には子供がないため、爵位は絶えることが予想され、晩年には彼に特別継承権付きの爵位を2つ与えられた。1つは1756年に与えられた甥(妹の息子)の9代リンカーン伯爵ヘンリー・クリントンへの特別継承を認められたグレートブリテン貴族爵位「ニューカッスル=アンダー=ライン公爵」位であり、そしてもう一つが、1762年5月に与えられた従甥(3代準男爵の次男の孫)のトマス・ペラム (1728–1805) への特別継承が認められたグレートブリテン貴族爵位「カウンティ・オブ・サセックスにおけるスタンマーのペラム男爵 (Baron Pelham of Stanmer, county of Sussex)」だった。
このトマス・ペラムもニューカッスル公の後援でホイッグ党の政治家で活躍していた。1768年にはニューカッスル公の死で第2代スタンマーのペラム男爵を継承し、さらに1801年6月23日には連合王国貴族チチェスター伯爵に叙せられた。これが現在まで続く第3期のチチェスター伯爵位の創始である。
2代チチェスター伯爵トマス・ペラム (1756–1826) は、トーリー党の政治家として内務大臣(在職1801年-1803年)などの閣僚職を務めた。
8代チチェスター伯爵ジョン・ペラム (1912–1944) は、第二次世界大戦に従軍したが、作戦行動中に交通事故を起こして死亡した。
2015年現在の当主はその息子である9代チチェスター伯爵ジョン・ペラム (1944-) である。
現在の当主9代チチェスター伯爵ジョン・ペラムは以下の爵位を有している。
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article チチェスター伯爵, which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0"); additional terms may apply (view authors). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses.
®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.