来歴・人物
筑豊 の伊田町 (現福岡県 田川市 )に生まれる。戦後復興から高度成長期の時代に少年期を過ごし、映画 や昭和歌謡 などに囲まれて過ごした。武蔵野美術短期大学 への進学・上京を期に美術活動を開始する。最初は本名で活動し、1963年の読売アンデパンダン展でデビュー。画家中村宏 と「観光芸術協会」を結成、わずか2年で解散するも中村とともにアバンギャルド な作風と活動方針(雑踏の中で自作を掲げて歩く路上歩行展など)で一時代を築いた。この時代の立石は和製ポップアートの先駆けと評される。
1965年 、タイガー立石 のペンネームで漫画を書き始め、ナンセンス漫画の連載を持つまでに到る。公私に渡り関わりが深かった赤塚不二夫 に影響されたギャグタッチの作品を多く残した。ペンネーム・タイガーの由来は立石が寅年 生まれだからで、生涯美術作品にも虎 をモチーフにしたものが少なくなかった[要出典 ] 。
1995年に移住した養老渓谷 のアトリエ兼住居 - 以前は好事家が「明治資料館」として開業していた。1988年 にはつげ義春 が資料館を訪れ『貧困旅行記 』(1991年 発刊)に書いている。 1969年3月、妻とイタリア ミラノ へ移住。「環境を変えることこそが創作意欲を刺激する。ひとところへの安住・現状への満足は拒否」という立石のスタンスは、生涯最後まで貫かれたモットーであった[要出典 ] 。なお、立石はイタリア以外の国も含め計13年間ヨーロッパ滞在・活動継続したが、この間イタリアでは、コマ割り絵画(漫画 のコマ割りだけでなくストーリー性も持ち込んだ)を発表、また美術・商業双方の建築 ・デザイン ・イラストレーション などの実績を積んだ。1971年 にはオリベッティ 社配下のエットレ・ソットサス のデザイン研究所に在籍している。
1982年 に帰国。その理由は「安住への拒否」であった[要出典 ] 。1985年から千葉県市原市を拠点に活動を再開し、絵画や作陶を立石大河亞 (たていし たいがあ)、漫画や絵本はタイガー立石の名前で発表した。1990年代 には陶彫を開始、1995年 に養老渓谷 にアトリエ兼住居を移した[要出典 ] 。
1998年4月、肺がん のため、56歳で死去。
その他
作品には署名のかわりにペンローズの三角形 を描いた。 1960年代に流行した「ニャロメ」という言葉は、立石の造語である。この言葉は赤塚不二夫の漫画にも登場する。 作品
『虎の巻』工作舎、1982年/新思索社、1983年、ISBN 4783510873 『コンニャロ+デジタル商会 : タイガー立石作品集』筑摩書房 1983年 『思索ナンセンス選集8 タイガー立石のデジタル世界』思索社、1985年 『さかさまさかさ』野崎昭弘 文,タイガー立石 絵 福音館書店 1989年(たくさんのふしぎ傑作集) 『はてなし世界の入口』森毅 , 木幡寛 文,タイガー立石 絵 福音館書店 1990年(たくさんのふしぎ傑作集) 『昭和素敵大敵』 1990年、田川市美術館収蔵(立石大河亞名義) 『ままですすきですすてきです』谷川俊太郎 文,タイガー立石 絵 福音館書店 1992(幼児絵本シリーズ) 『すてきにへんな家』 福音館書店 1992年(たくさんのふしぎ傑作集) 、ISBN 4834011275 『ぐにゃぐにゃ世界の冒険』瀬山士郎 文,タイガー立石 絵 福音館書店 1992年(たくさんのふしぎ傑作集) 、ISBN 4834011216 『アナログ?デジタル?ピンポーン!』野崎昭弘 文,タイガー立石 絵 福音館書店 1994(たくさんのふしぎ傑作集) 『立石大河亜1963-1993展 : 筑豊・ミラノ・東京、そして… 』田川市美術館 編 田川市美術館 1994 『トトとポンチョ』福音館書店 1996(おおきなポケットまんが館) 『DE CHIRICO』 1996年,陶器製の立体作品。 『アンデスアンデスの汽車』 1998年(遺作) 『顔の美術館』福音館書店 1998(たくさんのふしぎ傑作集) 『とらのゆめ』 福音館書店 <こどものとも 傑作集>、1999年、ISBN 4834015807 / ビリケン出版 2008年 『立石大河亞展 : The endless tiger』立石大河亞 [画],田川市美術館 編 田川市美術館 1999 『「メタモルフォーゼ・タイガー立石大河亞と迷宮を歩く」展』品川文化振興事業団O美術館 編 品川文化振興事業団O美術館 1999 『タイガー立石と絵本展』田川市美術館 編 田川市美術館 2003年 『TRA』工作舎 、2010年 ISBN 9784875024255 『ムーン・トラックス──タイガー立石のコマ割り絵画劇場』工作舎 、2014年 ISBN 978-4-87502-461-3 『思いこみマジック = THE LOGIC OF MAGIC TRICKS』 瀬尾政博 文,タイガー立石 絵 福音館書店 2014(たくさんのふしぎ傑作集) 『世界が妙だ! = The world is strange! : 立石大河亞 + 横山裕一の漫画と絵画』 立石大河亞, 横山裕一 [画] 広島市現代美術館 2016 展覧会(回顧展)
「立石紘一 積算文明展」(銀座サトウ画廊、1964年) 「立石大河亞1963-1993 筑豊・ミラノ・東京、そして…」(田川市美術館、1994年) 「メタモルフォーゼ・タイガー 立石大河亞と迷宮を歩く」(O美術館、1999年) 「立石大河亞展 THE ENDLESS TIGER」(田川市美術館、1999年) 「Tokyo 1955–1970: A New Avant-Garde」(The Museum of Modern Art、ニューヨーク、2013) 「立石大河亞:タイガードラマの迷宮」(青森県立美術館、2015) 「世界が妙だ!立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」(広島市現代美術館、2016) 「パロディ、二重の声ーー日本の一九七〇年代前後左右」(東京ステーションギャラリー、2017) 「大・タイガー立石展」(千葉市美術館/青森県立美術館/高松市美術館/埼玉県立近代美術館/うらわ美術館を巡回、2021-2022年) 脚注
関連項目
外部リンク
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