オルデンブルク福音ルター派教会 (オルデンブルクふくいんルターはきょうかい、ドイツ語: Evangelisch-Lutherische Kirche in Oldenburg)はドイツ福音主義教会 (EKD)に加盟する20の福音主義州教会の一つである。他の州教会と同様に、オルデンブルク福音ルター派教会も公法上の社団である。この州教会本部はニーダーザクセン州オルデンブルクに置かれている。 オルデンブルク福音ルター派教会は ドイツ福音主義教会 (EKD)に属するルター派教会であり、ルター派世界連盟 (LWB)と世界教会協議会 (WCC)にも加盟している。ただし、ドイツ国内のルター派州教会組織であるドイツ合同福音ルター派教会 (VELKD)には加盟せずに、客員として参加している。地域レベルではニーダーザクセン州福音主義教会連合に加盟している。
オルデンブルク福音ルター派教会地図 | |
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基礎データ | |
面積: | 約5380 km² |
指導教職者: | 監督 トーマス・アドマイト |
加盟組織: | EKD, LWB, WCC , ニーダーザクセン州 福音主義教会連合, 正式加盟 VELKD, UEK, 客員加盟 |
教会地区 ( Kirchenkreis ): | 6 |
教会共同体 ( Kirchengemeinde ): | 110 |
教会員数: | 390,072 (2020年12月31日現在) |
全住民における 教会員比率: | 36.0 % (2020年12月31日現在) |
州教会公式ウェブサイト: | www.kirche-oldenburg.de/ |
オルデンブルク福音ルター派教会は110の教会共同体を有し、390,072人の教会員がいる(2020年12月現在)。この州教会の首座教会として、監督 が通常の説教をおこなうのはオルデンブルク・ランベルティ教会である。 オルデンブルク福音ルター派教会はオルデンブルク市内に福音主義アカデミーと呼ばれる施設を運営し、アマーラント郡ラシュテーデには教会立 成人教育センターを置いている。州教会所属牧師の研修をおこなう場として、ハノーファー福音ルター派州教会と共にロックム福音主義アカデミーも利用している。
オルデンブルク福音ルター派教会は領邦オルデンブルクの主要部分から構成される。1918年のドイツ革命によるオルデンブルク大公国の解体により、オルデンブルク自由州が成立した。当初はオルデンブルク自由州に属していたビルケンフェルト地区とリューベック地区は1937年になってプロイセン自由州に移された。1946年11月23日には、ブラウンシュヴァイク自由州(ソ連占領下にあり、ザクセン=アンハルト州に統合された東部のブランケンブルク郡とカルフェルデの飛び地およびヘルムシュテット郡を除く)、ハノーファー州(ソ連占領下のエルベ川右岸を除く)およびシャウムブルク=リッペ州とともに、オルデンブルク自由州がニーダーザクセン州に統合された。なお、この地域でおこなわれた上記の州や郡の境界変更はオルデンブルク福音ルター派教会の管轄地域には影響を及ぼさなかった。
今日のオルデンブルク州教会はオルデンブルク (Oldenburg)、デルメンホルスト (Delmenhorst)、ヴィルヘルムスハーフェン (Wilhelmshaven)の独立市、アマーラント郡、オルデンブルク郡 、クロッペンブルク郡、フェヒタ郡、ヴェーザーマルシュ郡などによって形成されている。
以下の教会共同体はオルデンブルク州教会ではなく、ハノーファー福音ルター派州教会に属している。
オルデンブルク福音ルター派教会はオルデンブルク邦の歴史と分かち難く結びついている。オルデンブルク伯領の地域において、宗教改革は1527年ごろから試みられていた。ルター派宗教改革はこの領邦に何度も導入されようとしたが、合法的なものにはならなかった。1573年、最初の教会規則がヘルマン・ハーメルマンによって導入されたことで、情勢が変わった。領邦教会の運営のために宗務局が設立され、各地の教会共同体を監督するために巡察がおこなわれた。1590年、マルティン・ルターの『小教理問答』が低地ドイツ語で出版された。
オルデンブルク伯領にルター主義を導入したアントン1世の孫にあたるアントン・ギュンターが、1603年にオルデンブルク伯位を引き継いだが、1667年に後継の男子を設けることなく没したため、伯爵家は断絶してしまった。それ以降の1667年から1773年まで、この地域は同族のデンマーク王国に統治された。その後、オルデンブルク伯領およびデルメンホルスト伯領は協定を結んで、16世紀初頭以来、オイティン城を中心に統治されていたリューベック司教領を領有した。1774年、伯爵位は公爵に昇格した。1803年の帝国代表者会議主要決議により、リューベック司教領は世俗化された。1810年から1814年まで、オルデンブルクはフランス帝国の一部として統治された。ナポレオン没落後のウィーン会議に際して、ロシア皇帝アレクサンドル1世にオルデンブルク公ペーター1世は協力し、これに報いるためとしてリューベック司教領だったオイティン、飛び地になるラインラント地方のビルケンフェルトが与えられた。オルデンブルク公国の領邦教会は常にオルデンブルク公、1829年以降はオルデンブルク大公によって統治された (summus episcopus)。
第一次世界大戦後、ドイツ革命によってドイツ各地の君主制が崩壊した。そのため、領邦君主による教会統治も終了した。オルデンブルク大公国も終焉しオルデンブルク自由州が成立した。オルデンブルク自由州はビルケンフェルト地区とリューベック地区も含める形でスタートした。1937年にプロイセン自由州ハノーファー県からヴィルヘルムスハーフェンを編入するのと引き換えにビルケンフェルト地区とリューベック地区はプロイセン自由州に移された。州教会に関しては、第一次世界大戦後にオルデンブルク福音ルター派教会とオイティン福音ルター派州教会、ラインラント福音主義教会ビルケンフェルト教会地区(2010年以降オーベレ・ナーエ教会地区)に分かれた。
1920年、オルデンブルク自由州に設立されたオルデンブルク福音ルター派教会は新たな教会規則を制定した。その後、州教会トップとして最高評議会議長が選出された。1934年にこの職は州教会監督と呼ばれるようになった。1971年、この州にある州教会の連携組織であるニーダーザクセン州福音主義教会連合が設立された。この組織において、ニーダーザクセン州にある州教会統合に関する議論が、機会があるたびにおこなわれている。
ドイツ福音主義教会 (EKD)に加盟している他の州教会と同様に、オルデンブルク福音ルター派教会において、女性も牧師に任職される。同性愛者カップルの結婚に際して、教会の礼拝において祝福することを可能にしている。2018年11月、オルデンブルク州教会総会は同性愛者カップルによる教会内結婚式を可能にする決定を下した。以前、教会が同性愛者を侮辱した上で、結婚式を拒んだことに関して、州教会監督トーマス・アドマイトは正式に謝罪した。
オルデンブルク福音ルター派教会の運営は監督、州教会総会、州教会最高評議会、教会委員会によっておこなわれる。
オルデンブルク州教会のトップである監督(1934年までは教会最高評議会議長、1640年から1853年まで総地区長)は州教会総会で選出される。監督は教会規則に基づいて、州教会の第1牧師として宣教と牧会をおこなっている。監督はオルデンブルクに駐在している。監督が通常の説教をおこなうのはオルデンブルクにある聖ランベルティ教会である。他の福音主義州教会とは違って、オルデンブルク福音ルター派教会の監督在任期間に制限は設けられていない。68歳になるとオルデンブルク州教会監督は大抵の場合、引退している。
州教会総会はオルデンブルク福音ルター派教会の最高執行機関である。教会共同体のために、州教会総会は教会生活に関する問題を論じ、教会規則を制定する。60人の総会代議員は通例、教会地区総会から選ばれる。一部の総会議員は州教会最高評議会によって任命され就任している。2023年現在、州教会総会を運営する議長はザビーネ・ブリュートヘンである。州教会総会は普通、年に2回開催されている。総会閉会時、合同教会委員会が総会に代わって重要な決定をおこなう。合同教会委員会の代表は監督であり、副代表は総会議長である。さらに、州教会総会代議員や州教会最高評議会のメンバーが合同教会委員会の運営に加わっている。
州教会最高評議会は様々な課題、懸案事項に取り組むことによって、教会運営をおこなう。最高評議会のトップの監督と、複数の最高評議会員によって最高評議会は運営される。2007年10月31日まで、3人の最高評議会のメンバーで運営されていたが、ディトマー・ポールマンの引退後、第46会期総会は最高評議会メンバー削減を決定した。それ以降、最高評議会は監督と2人の聖職者メンバーと法務担当メンバーによって構成されている。監督と同様に最高評議会メンバーも州教会総会から選出される。加えて、州教会総会は前回改選時において最高評議会特別規定を準用し、10年の任期を有する上に再選も認められる聖職者メンバーを選んだ。法務担当メンバーは監督と同じく終身任期である。
州教会最高評議会メンバーはあらゆる法的問題に関して、オルデンブルク福音ルター派教会を代行する。その際、州教会最高評議会議長として監督は対処する。教会運営問題において監督、最高評議会の法務担当者のみが法的問題に関する対外向け文書と委任状に署名し、押し印をする。さらに、監督と最高評議会の法務担当が教会職員と牧師の職務規定文書にも署名し、押し印する。神学問題が生じた場合、牧師代表としての監督が最高評議会を代表して担当する。 州教会最高評議会のメンバーは州教会のメンバーと共に州教会最高評議会ビルで働いている。州教会最高評議会は第1部局(教会共同体と牧会)、第2部局(法務と運営部門)、第3部局(教育と社会奉仕部門)という形で職務を担っている。
2023年3月現在、以下のメンバーによって最高評議会は運営されている。
現在、最高評議会構成員の任期に関して異なった扱いがおこなわれている。監督と法務担当の最高評議会員は終身任期になっている。残りの2人の聖職者最高評議会員は10年任期で任職されている。この任期規定は例外的事項と考えられるが、2001年以降、聖職者最高評議会員に関して10年という有期任期が継続していた。
監督辞任時、監督の最高評議会員任期を有期に変更するように、当時のヤン・ヤンセン監督は提起した。その後の第48会期総会は2023年5月に開催される予定の第49会期総会まで、最高評議会員の任期に関する規則改正を検討するように最高評議会に委任した。規則改正を将来的な問題にすることで、後任のトーマス・アドマイト監督改選時においては有期任期の導入は見送られた。
オルデンブルク福音ルター派教会の運営組織はヒエラルキー構造になっている。
以前のオルデンブルク福音ルター派教会には統合されたブラケ、エルスフレート、ガンダーケセ、ヴィルデスハウゼン等の教会地区を含めて14の教会地区があった。2007年以降、教会地区は組織統合によって、6つに減少している。
これらの教会地区に教会地区事務所が置かれ、運営されている。
110ある個々の教会共同体において、規模と構造に関して、大きな違いがある。フェヒタ郡にあるウルフェナウ教会共同体の教会員は139人であり、オルデンブルク市区教会地区にあるオスタンブルク教会共同体は2万4110人の教会員を擁する。教会運営を円滑におこなうために、教会共同体は適切な場所に事務所を設置している。
礼拝の概念はギリシャ語の"λατρεία"(ラトリア)に由来し、神による奉仕が語源になる。 福音主義教会の礼拝はローマ・カトリック教会のミサとは異なる強調点を持つ。 ニーダーザクセン州にあるオルデンブルク福音ルター派教会 、ハノーファー福音ルター派州教会 、 ブラウンシュヴァイク福音ルター派州教会は隣接州にあるブレーメン福音主義教会と讃美歌集を共同編集し発行している。その讃美歌集には主に2つの基本礼拝式文が収録されている。
第1基本式文は 聖餐式を含む伝統的なミサ様式を踏襲しており、第2基本式文は説教礼拝とも呼ばれる式文に聖餐式文を加えた形式になっている。前者はルター派、後者は改革派教会礼拝式文に近いが、ニーダーザクセン州、ブレーメン州にある福音主義教会共同体において、礼拝式文の選択は個別の教会共同体に任されているため、ルター派教会共同体においても第2基本式文を用いて礼拝をおこなうこともある。
【A 礼拝開始と祈り】
【B 宣教と信仰告白】
【 C 聖餐式】
【 D 派遣と祝祷】
【A 礼拝開始と祈り】
【B 宣教と信仰告白】
【 C 聖餐式】
【 D 派遣と祝祷】
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