地理経緯度
経緯度は基本的にその地表点の垂直ベクトルに基づき、そのベクトルの方向を球面座標で角度表現したものである。
- {経度 、緯度 }⇔{局所垂直ベクトル }。
地理座標系で用いられる地理経緯度(geographic longitude and latitude)は、地球を回転楕円体と見なし、その面の法線ベクトル方向に基づく。
経緯度の歴史(天文経緯度)
ただし歴史的には、地表の鉛直線に基づく垂直方向(天頂)が天球のどこを指すかによって決めた天文経緯度(astronomical longitude and latitude)が使われてきた。これは地球の重力の鉛直線偏差の影響(加えて地球の極運動の影響)を被っている。従って、距離・面積との関係も簡素にならない。
地理学・測地学の発展とともに、経緯度原点を国内に設け、その地点の天文経緯度を原点として位置づけ、接する準拠楕円体に基づく地理経緯度を用いる方式が行われた(地域的測地系)。
さらに近年は全地球的な準拠楕円体に基づく方式の採用が増えている(全地球的測地系)。
地理経緯度の変換式
地理座標(経度 、緯度 、高度(楕円体高) )とECEF直交座標系 との変換、および微小量の式は下記となる(地球楕円体の長半径 、離心率 )。
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微小量三成分はどれも互いに直交方向となる。 では回転楕円体となり、また子午線弧(経線弧)の曲率半径は 、卯酉線弧は (緯線弧は )となる。
から を求める変換計算については上記から導かれる の方程式を解く必要がある。
回転楕円体面に沿う最短距離の式
回転楕円体面に沿う最短距離(測地線距離) の微小量式も上記から得られる。 ( ) の下で、
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ただし、両極が特異点となる。
近距離近似式
これを一次式( → )としてそのまま二点間測地線距離 の短距離近似計算に用いることもできる(平面法と呼ばれることがある)。
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両極に特異性を持つが、短距離近似計算としては精度が良く多用される( もしくは の条件下)。
さらに中長距離へ近似精度を改善した計算法も歴史的に多くの研究者によって開発されている。それらは高次の級数計算もしくは反復を含んでいることが多い。
ガウスの平均緯度法(中間緯度法)
二点間測地線計算の球面近似の一種で 、中距離への近似精度が改善される ( Rapp (1991) §6.4 )。
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ここで子午線弧長 と近似して良い。上記と同様に与えた二点の緯度の中間値 を用いる。
経度・緯度を並べる順序
方位角との対応関係
方位角は上記と対応した関係が存在する:
方位角を として、局所座標系(地平面)の単位円は となる。
右手系経緯度の採用
下記では右手系経緯度が採用されている。
右手系経緯度を採用しているもののうち、polygonの頂点配列順については時計周り順(左手系)を採用しているものがある:
左手系経緯度の採用
下記では左手系経緯度(緯度、経度の順)が採用されている。
左手系地図投影法の採用
下記では左手系の地図投影法を採用し、平面座標の 軸は右横方向が正、 軸は下縦方向が正としている。
脚注
関連項目