斎藤 環(さいとう たまき、1961年9月24日 - )は、日本の精神科医、批評家。
医学博士、精神保健指定医、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授、公益社団法人青少年健康センター参与、オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン (ODNJP) 共同代表。
青春・青年期の精神病理学を専門とし、漫画やアニメなど現代文化を精神分析の立場から解釈する。著書に『社会的ひきこもり』(1998年)、『思春期ポストモダン』(2010年)、『承認をめぐる病』(2013年) など。
岩手県北上市出身で、下宿先から岩手県立盛岡第一高等学校へ通学して親が望む医師を目指した。1980年に高校を卒業して筑波大学医学専門学群で学ぶ。北杜夫を好み、医師と文筆業の両立を考えた。
1986年に筑波大学医学専門学群を卒業し、1990年に大学院医学研究科博士課程を修了して、医学博士の学位を取得。筑波大学で稲村博の指導を受けた。千葉県船橋市にある爽風会佐々木病院(現在は、病床のない「あしたの風クリニック:佐々木一院長)に勤務。
2007年10月30日放送の『爆笑問題のニッポンの教養』(NHK総合テレビジョン)に出演した。
2013年4月から筑波大学医学医療系保健医療学域社会精神保健学分野教授(筑波大学医学群看護学類・大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻社会精神保健学研究分野教授)。
2013年に『世界が土曜の夜の夢なら』で角川財団学芸賞を受賞し、2016年6月からODNJP共同代表を務め、フィンランド西ラップランド地方で開発された精神科医療のアプローチ「オープンダイアローグ」の普及を日本で目指す。
2019年、P-MODEL時代からのファンで、2000年からの付き合いであるミュージシャンの平沢進と『平沢進+斎藤環「平沢進・徹底解剖!」at ゲンロンカフェ』で対談。
斎藤は『戦闘美少女の精神分析』(太田出版)で、戦うアニメのヒロインはなぜ少女かを分析した。『文脈病』で触れたアウトサイダー・アートで知られるアメリカの画家・ヘンリー・ダーガーの絵画を引用し、カバーに美術家の村上隆によるフィギュア「ヒロポン」を用いた。大澤真幸、東浩紀、浅田彰などと交流を深め、2000年12月2日に勝山実と公開対談した。
各種の現代思想系雑誌、文芸雑誌、新聞、近年はサブカルチャー誌で執筆する。斎藤の作品は引きこもりに関する著作が多く、講演などで「ひきこもり救出」を語る 。
斎藤は2004年にヴェネツィア・ビエンナーレの国際建築展日本館の「おたく:人格=空間=都市」で、現代美術家の開発好明と共同作品「オタクの個室」を出展し、実在する18人のオタクたちの部屋をミニチュアで再現した。
生理学者の森昭雄による著書『ゲーム脳の恐怖』(日本放送出版協会)と「ゲーム脳」が話題となった際に、脳波に関する初歩的な間違いが多いと批判している。
オタクの特徴として、「虚構コンテクストに親和性が高い人」「愛の対象を『所有』するために、虚構化という手段に訴える人」「二重見当識ならぬ多重見当識を生きる人 」「虚構それ自体に性的対象を見い出すことができる人」を挙げている。斎藤もオタクと非オタクの分岐点として、特に「アニメに描かれた女性キャラクターのイメージを利用して、マスターベーションが可能であるか」を挙げている。
自身について、2005年にビデオニュース・ドットコムの番組「マル激トーク・オン・ディマンド」第236回「 猿でもわかるオタク入門」でオタクであることを否定しており、過去にゴジラファンであったが後に興味を失ったと述べている。フィギュアなどにはあまり関心がなくほとんど持っていない。
皇太子徳仁親王妃雅子の病状について紙媒体で、「……新しいタイプである『ディスチミア親和型うつ病』の場合、パブリックな仕事はできないが、プライベートでは活動的で元気に見える。困難な義務から逃避し、はたからは仮病、わがままにしか見えない、不幸にしてそうした側面が際立つうつ病である」と述べている。
安倍晋三について、自ら精神科医として「ヤンキーに憧れていたけど、ひ弱でなれなかった、という感じですかね。しかし心性はヤンキー的です。『新しい日本を』『国防軍』と威勢のいい発言を繰り返したり、『ヤンキー先生』こと義家弘介氏を大事にしたりするのはその証左でしょう。」と診断した。
「社会的ひきこもり」で、ひきこもりが6か月をこえた対象を治療対象としており、議論を引き起こした[要出典]。
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