『原爆詩集』(げんばくししゅう)は、峠三吉の詩集。東京の出版社が発売禁止を恐れてすべて発売拒否したため、オリジナル版は1951年9月、広島で自家版として500部ガリ版刷りで発行された。ベルリン世界青年学生平和祭参加作品で、当時峠と協働作業していた四国五郎が表紙装丁、挿画を描いた。翌年の1952年には5篇が追加されたものが青木書店から刊行された。
この詩集は、自らも被爆者である峠三吉が、広島市への原子爆弾投下を題材に戦争の皮肉さを訴えた作品で、中でも“ちちをかえせ ははをかえせ”で始まる『序』は名高く、『にんげんをかえせ』という題でも知られている。
この詩集を元に作曲したカンタータに、大木正夫の『人間をかえせ』(1961年,1963年)がある。
また、2016年7月15日に岩波書店から文庫版として発行されている。青木書店版を底本として誤記・誤植の修正のほかルビをつけている。この岩波文庫版には、大江健三郎とアーサー・ビナードが解説を寄せている。
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