ゲートウェイドラッグ(英語: Gateway drug)とは、オピオイドやコカイン、ヘロイン、覚せい剤など他の更に強い副作用や依存性のある薬物の使用の入り口となる薬物である。この考え方のもとで、タバコ、アルコール、MDMA、有機溶剤(シンナーなど)、脱法ドラッグ、大麻などの乱用薬物を指す際に用いられる。
ゲートウェイドラッグの使用は、より副作用や依存性の強いドラッグ(ハードドラッグ)の使用の契機になると言われる。未成年者の視点から見たゲートウェイドラッグとして、酒やタバコなども指摘されている。この場合、酒やタバコの使用がハードドラッグ濫用の入り口(ゲートウェイ)となる場合があるとされる。日本では2013年の危険ドラッグ規制から、大麻を代用して検挙されるケースが増加している。
これらの理論において、ゲートウェイドラッグの使用がドラッグ乱用につながり兼ねない理由として以下の事柄が挙げられている。
全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)の医学研究所(Institute of Medicine)が1999年に発表した報告書では「マリファナが、その特有の生理的作用により(他の薬物への)飛び石となっていることを示すデータは存在しない」としている。ニューヨーク・タイムズ誌では、大麻使用経験のある1億1100万人のうち、その後にハードドラッグへ発展したのはわずか4%であるとの調査結果を発表し、根拠のないゲートウェイドラッグ理論を否定した意見を報道した。
『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版改定版(DSM-IV-TR)においては、大麻が実際に他の物質にすすませるかは判明しておらず、社会的、心理的、神経化学的な基礎の詳細は不明であるとしている。大麻の使用は、オピオイド(モルヒネやヘロインなど)の乱用や依存のリスクを55%低下させているとの統計もある。
エナジードリンクの消費量がアルコール依存症の危険性の増加につながることは立証されてきており、こうした他の薬物における論文などで、エナジードリンクがアルコールのゲートウェイドラッグとなるというように用いられることもある。
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