『翔んで埼玉』(とんでさいたま)は、魔夜峰央による漫画。『花とゆめ』(白泉社)1982年冬の別冊および、1983年春の別冊・夏の別冊に3回に分けて連載された。
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翔んで埼玉 | |||
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ジャンル | ギャグ漫画 | ||
漫画 | |||
作者 | 魔夜峰央 | ||
出版社 | 白泉社 | ||
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掲載誌 | 花とゆめ | ||
レーベル | ジェッツコミックス | ||
発表号 | 1982年冬の別冊 - 1983年夏の別冊 | ||
巻数 | 全1巻 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画 | ||
ポータル | 漫画・アニメ |
実写映画化され、2019年2月22日に第1作が公開、続編は当初の予定から1年以上延期された後、2023年11月23日に公開された。
作者の魔夜は地元の新潟に住んでいたが、仕事が増えてきたため東京に引っ越すことを考えた。そこで、『パタリロ!』の掲載誌である『花とゆめ』編集長(当時)に相談したところ、「どうせ(関東地方に)出てくるなら同業者(漫画家)が多く住み交通の便が良い西武線沿線がよかろう」というアドバイスを得た。そのため魔夜は1978年 - 1979年ごろ、新潟から埼玉県所沢市に転居した。
転居前の魔夜は都会の関東地方に住めると浮かれていたものの、魔夜の出身地の新潟市と比較しても、当時の所沢市はまだそれほど開発されていない関東の一地方都市に過ぎず、さらに魔夜の自宅から車で10分もかからない距離の近所に、その編集長と上司に当たる白泉社の編集部長の2名が居住していることが判明した。「編集部から締め切りを催促されたり、連載打ち切りを通告しに来るかもしれない」という極度のストレスの中、4年間も地方都市の所沢に住み続けざるを得ず、その合間に憂さ晴らしとして執筆したのが本作品である。
自分が住んでいる埼玉県を「おちょくる面白さ」を狙ったものの、第3話まで執筆した後に魔夜がついに我慢の限界がきてしまい、神奈川県横浜市に転居する。その後も本作の連載を続けようと思っていたが、単に「埼玉県に対する悪意のある作品となってしまう」懸念から漫画連載を中断、「未完の漫画作品」となった。
ただし、魔夜によればそれは表向きの理由で、真の理由は「本当のことをいうと描けないんです。いま埼玉をディスってごらんと言われても、私の中にそういう部分がない」点を挙げている。また、連載時の状況について「一時的な気の迷いだったんでしょうね。錯乱していたのかもしれない。おっかない看守がふたりいて、独房の片隅で何とか自分を発散したい、ここから逃げ出したい!と、もう半狂乱で描いていたんでしょうね。相当追い詰められていたのではないかと」と語った。
なお、本作品では埼玉県以上に茨城県も「日本の僻地」という酷い描かれ方をしているが、これは魔夜の妻でバレエダンサーの山田芳実が茨城県出身であることから「身内の地元ならば少しぐらいおちょくってもいい」と考えたためである。ただし後日、本作品を起因として妻が親戚からクレームをつけられたという。魔夜は地域をおちょくるネタをよく使い、「埼玉と茨城に挟まれた」千葉県もパタリロにおいて『僻地』とされ、酷い描かれ方をしている。
1986年に、白泉社より短編集『やおい君の日常的でない生活』に収録される形で刊行されたが、このときはあまり話題にならなかった。また、この本のあとがきに、魔夜は本作が未完になったことへの懸念を示していた。白泉社版の単行本は後に絶版となった。
2015年2月に、魔夜峰央の娘で、魔夜の広報を担当する山田マリエ(現在は漫画家として活動)が、Twitter上で本作に言及した。このことをきっかけに、本作がネット上で徐々に注目されるようになっていく。2015年9月に、当時龍谷大学の講師であった中井治郎が、当時絶版だった『やおい君の日常的でない生活』を取り寄せ、Twitter上で本作の一部を解説付きで詳しく紹介したことにより、本作の衝撃的な内容がネット上で話題になった。
宝島社編集者(当時)の薗部真一によると、ネット上での本作に関する盛り上がりを見た「このマンガがすごい!」の複数の選者から、本作をぜひ復刊すべきとの推薦コメントが寄せられ、2015年12月に本作が宝島社から復刊されるに至った。本作の内容は2015年11月2日にテレビ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系列)でも取り上げられ、このことによりさらに大きな反響を呼んだ。宝島社は当初、初版2万5000部の発行を計画していたが、反響の大きさを見て、部数を20万部へと増刷した。
2016年2月時点で発行部数は50万部を突破した。本作のヒットを記念して宝島社は埼玉県各市の市長にコメントを依頼し、所沢市・行田市・飯能市の市長からコメントが寄せられた。埼玉県知事(当時)の上田清司も「悪名は無名に勝る」と肯定的なコメントを出している。作者の魔夜は発表30年以上を経た後の好反響について「なぜ売れているのか分からないが、この作品をきっかけに、他の作品も注目されればうれしい」と語った。
魔夜は本作が復刊される前、厳しい経済的苦境に立たされていた。出版不況などにより印税が減少し、愛用の腕時計などを売却して自らの生活費を捻出せざるを得ない状況まで追い込まれていた。仕事場の家賃も7~8年近く滞納した結果、累積滞納額は約1200万円にも上り、滞納を長年容認してきた大家からもついに退去を求められた。このことは、娘の山田マリエが自身の漫画でも取り上げている。しかし、2015年に本作が復刻されて大ヒットしたため、魔夜のもとには多額の印税収入が一気に入り、滞納していた家賃などの借金を全額返済することができたと、2019年6月18日放送のNHK「ごごナマ」で魔夜本人が語っている。
その後も本作の勢いは止まることがなく、映画公開後の2019年8月25日に投開票された埼玉県知事選挙の啓発広告として、埼玉県選挙管理委員会が本作品を採用した。「無関心は、ださいたま!」などと自虐的に知事選への投票を促すYouTube動画が15万回再生されたり、投票率も32.31%と16年振りに30%台を回復するなどの反響を呼んだ。さらに、10月27日に投開票された参議院埼玉県選挙区補欠選挙の啓発広告でも採用された。
2021年、作中の代表的なセリフである「埼玉県人には、そこらへんの草でも食わせておけ!」にちなんで、春日部市のスーパーや飲食店で4月1日から「そこらへんの草天丼」などのグルメが出始め話題となっている。なお、「そこらへんの草」は雑草ではなく、埼玉県産の新鮮な野菜を使用している。
魔夜によると埼玉県民から本作品に対するクレームは、2015年時点では「まだ無い」とのこと。本作は、2019年に実写映画化された。制作したフジテレビと東映では当初、埼玉方面からクレームが来る可能性を懸念していたものの、上映後には埼玉県民や埼玉県、県内自治体から本作を応援する声が多数届いたことに驚き、2023年に実写映画2作目が公開された。詳しくは#映画1作目制作の経緯を参照。
出身地・居住地によって激しい差別が行われている、架空世界の日本。東京都区部の名門校・白鵬堂学院に麻実麗という男子学生が転入してくる。容姿端麗で都会的な物腰を身に着け、学問・スポーツ共に優れた麗に学院の学生たちは魅了され、当初は麗に反発していた生徒会長・白鵬堂百美も、やがて麗を慕うようになる。
しかし、麗の正体は埼玉県で一・二位を争う大地主・西園寺家の子息だった。麗の父親は大金を使って麗を東京都の丸の内で証券会社を経営する麻実家の養子にし、さらにアメリカ合衆国に留学させることで都会的な物腰を身につけさせ、ゆくゆくは麗を政治家にして、埼玉県民に対する差別政策を撤廃させようと目論んでいたのだ。
だが、デパートで麗が埼玉県出身の家政婦おかよを庇ったことにより、麗もまた埼玉県出身であることが露見する。麗は百美に別れを告げて、所沢市へと戻り埼玉県民解放のための抵抗運動を始める。一方、百美は自宅を訪れた政界の実力者・階階堂進が地方出身者に対する差別政策を維持するために、麗のレジスタンスグループを殲滅しようと話しているのを耳にする。
百美は麗に危険を知らせるために所沢市へと向かい、麗を自分が勉強部屋代わりに借りている東京都心のマンションに匿う。しかし、マンションの住民にサイタマラリヤの患者が発生したことで、マンションに警察の手が伸びる。やむなく麗は百美を連れて埼玉県民居留地に身を隠すが、所沢でサイタマラリヤに感染していた百美が発症してしまう。埼玉県民居留地にやって来る医師などおらず、やむなく麗は百美を助ける代わりに警察への出頭を申し出る。しかし、警察の代わりに麗の身柄を拘束しに来た階階堂の部下は約束を反故にし、百美を助けようとはしなかった。
麗と百美が絶体絶命のピンチに陥る中、伝説の埼玉県民・埼玉デュークの部下が現れ、階階堂の部下を蹴散らし、さらには百美を助けるための血清を麗に渡して去っていく。危機を救われた麗と百美は埼玉デュークを探すための新たな旅に出る。(未完)
映画版で追加された主要な用語は#用語解説_(第1作)、#用語解説_(第2作)を参照。
翔んで埼玉 | |
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Fly Me To The Saitama | |
監督 | 武内英樹 |
脚本 | 徳永友一 |
原作 | 魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』 |
製作 | 若松央樹 古郡真也 |
出演者 | 二階堂ふみ GACKT 伊勢谷友介 ブラザートム 麻生久美子 島崎遥香 成田凌(友情出演) 中尾彬 間宮祥太朗 加藤諒 益若つばさ 武田久美子 麿赤兒 竹中直人 京本政樹 |
音楽 | Face 2 fAKE |
主題歌 | はなわ「埼玉県のうた」 |
撮影 | 谷川創平 |
編集 | 河村信二 |
制作会社 | FILM |
製作会社 | 映画「翔んで埼玉」製作委員会 |
配給 | 東映 |
公開 | 日本・2019年2月22日 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 37.6億円 |
次作 | 翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜 |
2019年2月22日公開。二階堂ふみとGACKTのダブル主演。なお、壇ノ浦百美役の二階堂は初めての男役を演じる。
原作が未完であることに鑑み、原作をベースとした「伝説パート」と、後年に埼玉在住のある一家が伝説と化した悲劇を聞いたことがきっかけとなり、郷土への愛を深めるという映画オリジナル展開「現代パート」が交錯する構成となる。埼玉県への対抗組織に属する千葉県出身キャラクターも登場する。
冒頭しばらく「埼玉県民として見ていられないくらいのひどさで埼玉を痛めつけ」県民にとっては不愉快な場面が続くが、公開直前の2月7日には、埼玉県知事上田清司(当時)へ表敬訪問し“公認”も得た。2月22日の封切初日には、埼玉県の『埼玉新聞』が特別号、協賛企業が「埼玉県民が愛する“高級野菜の種”」を上映館で配布するなど、埼玉県では歓迎一色となっている。
埼玉県出身者、千葉県出身者が多数キャスティングされている。ただし、主役の二階堂ふみ・GACKTは、いずれも沖縄県出身である。物語の額縁となる現代パートだけは、全員が設定どおりの埼玉、千葉出身者で固められた。
本作のプロデューサーの若松央樹(フジテレビ)は『電車男』(2005年)の制作時に、当時の同僚だった武内英樹と初めて協働し、また脚本家の徳永友一とも協働しており、このチームが後に本作映画版を制作することになる。若松と武内は『のだめカンタービレ』(2006年)などの人気ドラマで共に仕事をしていたが、徐々に協働の機会が減ってきたため、たまに2人で酒を飲みながら「また馬鹿なことやりたいね」「一緒に映画をやりませんか」と話していた。
その後、若松はフジテレビの映画制作部署に移動となり、武内と協働で映画を制作する機会がやってきた。若松は最初、映画原作として別の作品を提案したが、武内が「若松、これ面白いからちょっと読んでくれない?こっちやれないかな」と書店に平積みされていた本作のマンガを持ってきたのが、本作映画版が制作されることになったきっかけである。
若松も本作マンガ版を読んでみたところ、上述のとおり埼玉に対する激しい「ディスり」マンガの上、作者の魔夜峰央の都合によりわずか3話で未完として終わっていた。仮にドラマ化した場合、せいぜい15分程度で終わる短い内容だったため、若松は武内の提案に大変困惑した。
未完のため、映画として制作するためには新たな結末を用意する必要があった。そこで、若松は武内と何回も飲みに行って、千葉県出身の武内の「埼玉VS千葉で最終的に盛り上がる!」というアイデアを聞かされた結果、若松も「(映画として)なんとかなるかな…」と同調し、映画企画として成立させる方向に動き始めた。
しかしフジテレビ内には、コンプライアンスの視点から特定の地域である埼玉県を「ディスる」本作の映画制作に反対する声も強く、本作の企画は難航した。最終的に若松・武内のコンビなら面白い映画を作ってくれるだろうとの上司の判断により本作の制作にゴーサインが出された。
若松は『電車男』で武内と協働した際に、武内の「爆発的な演出力」「独特の世界観」を目の当たりにしており、本作において武内との協働を開始した際にも『電車男』当時のノリに近い印象で、「笑い」としての自信があった。日本のコメディ作品の数が足りないと感じていた若松は、独特の「武内ワールド」で冒険したいと考えるようになった。
本作1作目のエンディング曲にははなわのファーストアルバム「HANAWA ROCK」(2003年)の4曲目に収録されている『埼玉県』を使用することが決定したが、この歌の歌詞には、埼玉県について事実と異なる内容や卑猥な内容が一部含まれていた。そのため、コンプライアンス上の観点から弁護士を入れて『埼玉県』の歌詞の一部を修正した曲を『埼玉県のうた』として作成するとともに、ディスりをフォローするためのカップリング曲として『咲きほこれ埼玉』を収録した。『咲きほこれ埼玉』はテレビ埼玉開局40周年記念ソングに起用されるとともに、再録版の『ニュー咲きほこれ埼玉』が本作2作目のエンディングに採用された。
ただし、キワモノ的な内容の本作だけに、1作目が公開されるまでは若松・武内とも埼玉県民から暴動が起きるのではないかと、大変な不安を感じていた。そこで、観客などからのクレーム対応の想定問答集を作成し、フジテレビと東映の関係部署向けに配布した。しかし、本作の公開後にはこの懸念は全くの杞憂であったことがわかった。苦情はほとんど来ず、逆に埼玉県の様々な方面から「よくやってくれた」といった評価を多数得た。1作目は興行的にも大成功だったため、続編の制作が決定した。2作目の制作経緯については該当項目を参照。
日なたで卵を焼くことができるほど暑い夏のある日、埼玉県熊谷市に住む菅原家の一家は、娘の愛海の結納のため、父の運転する自家用車で東京都内に向かっていた。結婚を機に、東京都に引っ越して東京都民になりたいと愛海がはしゃいでいると、カーラジオのNACK5で、都市伝説を題材にしたラジオドラマが始まった。それは「埼玉解放の伝説の人物・麻実麗」の物語だった。
19XX年、東京では埼玉への迫害が続いていた。埼玉県人は通行手形なしでは都内に入ることもできず、過度に虐げられた生活を余儀なくされている。そんな東京の中でも、代々東京都知事を生み出してきた超名門校・白鵬堂学院に、海外から麻実麗という美少年が転校してきた。
差別を受ける埼玉出身のZ組生徒をなぜか庇い立てする麗に、不快感を抱く生徒会長・壇ノ浦百美は、全校生徒の前で東京各地の空気の匂いを当てさせる「東京テイスティング」という無理難題を吹っかけて、麗に恥をかかせようとするが、麗はそれを見事クリア。逆に百美は麗に心惹かれるようになってゆく。
しかし麗と百美のデート中に、麗の家政婦おかよがSAT(Saitama Attack Team、埼玉急襲部隊)に追われているところに出くわす。おかよは埼玉県民でありながら東京都内を歩いていたために逮捕されそうになっており、彼女を助けたものの、SATが差し出したシラコバトの絵柄が入った草加せんべいを踏み付けられなかった麗も埼玉県人であることが発覚してしまう。しかも彼は埼玉の通行手形制度の撤廃を目標とする地下組織「埼玉解放戦線」の一員だった。埼玉に対する激しい拒絶反応に苦しみながらも、愛する麗と共に逃避行を続ける百美。そしてこの騒動の陰では、埼玉より先に通行手形制度の撤廃を狙う「千葉解放戦線」が蠢いており、やがて事態は埼玉対千葉の全面戦争へと発展してゆく。
埼玉解放戦線、千葉解放戦線は流山橋付近の江戸川を挟んで対峙するが、実は百美が群馬県の赤城山で歴代の東京都知事が不正に蓄財した金塊を発見したことにより、事前に和解が成立しており、両軍は合流して東京都内に攻め込む。そして百美が不正蓄財を暴露したことにより、壇ノ浦建造は失脚する。百美と麗は埼玉デュークが計画していた、これといった特色のない埼玉の文化を、秘密裏に日本全国に広める「日本埼玉化計画」を開始する。
このドラマを聞きながら、埼玉出身の父・好海と千葉出身の母・真紀が夫婦喧嘩を始めてしまうが、埼玉と千葉の和解の顛末を聞いて感涙に咽びつつ仲直りする。それを傍から見ていて呆れる愛海だったが、婚約者の春翔も、結納会場に向かう自動車のカーラジオで同じドラマを聞いていて埼玉愛に目覚め、東京ではなく春日部市に新居を構えることを決意したと知り、愕然となる。そして、麗と百美は「世界埼玉化計画」に向けて動き出すのであった。
原作が未完になっているため、映画版では原作にない多数の設定が新規追加されている。
カッコ内は出身都道府県。
関東の人々
この時代はかつてのような埼玉・千葉・東京・神奈川の激烈な争いも終わり(?)、どの地域に住んでもどの会社に勤めても特に迫害はない。
カッコ内は出身都道府県。
回 | 放送日 | 放送時間(JST) | 放送局 | 放送枠 | 備考 | 視聴率 | 出典 |
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1 | 2020年2月8日 | 土曜 21:00 - 23:20 | フジテレビ | 土曜プレミアム | 『ヲタクに恋は難しい』公開記念、地上波初放送、完全ノーカット。 ゲスト - 高畑充希、山﨑賢人。解説ナレーター - バッキー木場。 関東地区は20:54に『まもなく翔んで埼玉』を別途放送。 | 16.7% | |
2 | 2022年10月1日 | 土曜 21:00 - 23:15 | 本編放送前にGACKTがVTR出演し、続編の撮影再開を報告した。そして2023年に公開を決定した。 | 6.2% | |||
3 | 2023年11月18日 | 土曜 21:00 - 23:15 | 最新作『飛んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて』公開記念。 | 7.5% |
翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜 | |
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監督 | 武内英樹 |
脚本 | 徳永友一 |
原作 | 魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』 |
製作 | 大多亮 吉村文雄 川原泰博 |
出演者 | GACKT 二階堂ふみ 杏 加藤諒 益若つばさ 堀田真由 くっきー!(野性爆弾) 高橋メアリージュン 和久井映見 アキラ100% 朝日奈央 天童よしみ 山村紅葉 モモコ(ハイヒール) 川﨑麻世 藤原紀香 片岡愛之助 |
音楽 | Face 2 fAKE |
主題歌 | はなわ「ニュー咲きほこれ埼玉」 |
撮影 | 谷川創平 |
編集 | 河村信二 |
制作会社 | FILM |
製作会社 | 映画「翔んで埼玉」製作委員会 |
配給 | 東映 |
公開 | 日本・2023年11月23日 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | 翔んで埼玉 |
2023年11月23日に『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』(とんでさいたま びわこよりあいをこめて)のタイトルで公開。第1作に引き続き、ダブル主演を二階堂ふみとGACKT、脚本を徳永友一、監督を武内英樹、プロデューサーを若松央樹が務めている。
2021年8月11日、続編『翔んで埼玉II(仮)』の制作決定が発表された。撮影が同月下旬に始まったが、主演のGACKTが重度の発声障害により活動を無期限休止することになったのを受け、撮影全体が一時中断となった。2022年10月1日、映画第1作のフジテレビでの放送前にGACKTがVTR出演。芸能活動を再開し、本作の続編撮影も再開することを報告した。2023年6月28日、同年11月23日に劇場公開されることが発表された。
監督の武内英樹が原作者の魔夜峰央に語ったところによると、この撮影中断期間を活用して何度も大阪や京都に行ってネタを大量に追加収集し、脚本に反映させている。
プロデューサーの若松央樹によると「(1作目の)興行では関東のシェアが70%ぐらいだったんですが、意外と関西のほうではそんなに当たってなかった」。また、1作目の公開後に「関東以外の地域の方から、ああいう映画をうちのところでもやってほしい」という声が多数寄せられたため、2作目の舞台を関西地方にすることが決まった。
本作の公式パンフレットに掲載されている制作者対談によると、最初の段階で「麗が埼玉県に海を作るため、和歌山県の白浜を目指す」というプロットが決まった。そこでシナハン(シナリオ・ハンティング)のため、関西地方では最初に和歌山市に行ったが、和歌山市では1作目を上映していた映画館がわずか2館程度しかなく、和歌山県では『翔んで埼玉』のことをそもそも誰も知らないということが判明した。そのため、和歌山県だけを舞台にしても話が広がらないと判断し、改めて大阪で取材を行った。
監督の武内は「関西で埼玉的なところはどこなんだということでいろいろと話を聞くと、結構奈良という意見が多かったんです。でも関東の感覚からいうと奈良ってすごいというか。平城京があるし、奈良時代もある。なかなかディスりづらいなと。」と述べており、プロデューサーの若松も「関東の人たちにとって奈良は修学旅行でも行く場所ですし、埼玉っぽいイメージがなかった」と述べている。そのため、制作側には本作の舞台を奈良県より滋賀県にするほうが良いのではないかという方向性が見えてきた。
武内は「そんな中で滋賀に行ったんですが、ここは琵琶湖以外、何もないなと思って」「かつ滋賀のフィルムコミッション(滋賀ロケーションオフィス)にアテンドしてもらったんですけど、そこの方々がものすごい熱心で。ぜひうち(滋賀県)をディスってくださいと」と言われたという。さらに、「調べてみると、滋賀ナンバーがゲジゲジと言われていることや、京都の人たちにかなりディスられているという自負が皆さんにあるようなことがわかってきて」、制作側ではこれだけ滋賀県側の情熱があるなら作品の中でもディスりやすいと判断し、本作の舞台の中心を滋賀県にすることを決定した。和歌山県も本作のプロット上重要な役割を果たすが、奈良県に関する描写はほぼ割愛されている。
さいたま市役所職員の内田智治は、妻・直子と臨月の娘・依希をさいたま市役所の軽ライトバンに乗せ、猛暑の中「埼玉県市町村対抗綱引き大会」が行われる熊谷市の熊谷あおぞら競技場へ向かっていた。その途中、カーラジオのNACK5から流れる「都市伝説・第II章」で、埼玉の新たなストーリーが語られる。
前作で埼玉県民の自由と平和を勝ち取った埼玉解放戦線の麗と百美だったが、「埼玉には横のつながりがない」という問題が新たに生じていた。百美は埼玉を横に繋ぐ武蔵野線の建設を提案するが、埼玉県内に鉄道路線を持つ路線族たちは東京やその先にあるネズミーランドにばかり目が向いており全く協力する気配がない。そこで麗は「越谷に海を作る」ことで路線族たちの心を一つにすることを考え、ビーチに必要な白い砂を手に入れるために和歌山県の白浜へ向かうことにする。阿久津が居ないことを不審に思いつつも千葉解放戦線の助力で船を用意してもらい和歌山へ出航する。
和歌山の救助依頼無線が来た直後に嵐に遭遇し船は難破、麗はメンバーと離れ離れになり和歌山の海岸へ流れ着く。そんな麗を助けたのが滋賀解放戦線のリーダーの桔梗 魁だった。白浜は大阪の植民地となっており、魁は白浜タワー(別名:アポロンタワー)に囚われている和歌山の姫君救出のために白浜に来ていたのだった。しかしふたりは大阪の戦闘員に見つかり、滋賀まで逃げ帰る。
麗は魁から大阪府知事・嘉祥寺 晃が支配する関西の現状や、京阪神地方の人間に滋賀県人・和歌山県人・奈良県人が虐げられている様子を知らされる。滋賀・和歌山・奈良の人間は、かつての埼玉と同様に京阪神地方に行く際に通行手形を要求されていた。そして、幼い頃マイアミビーチで子守唄として聞かされた「琵琶湖周航の歌」と、それを歌っていた女性の言葉「あなたは大きくなったら滋賀を救うのよ」の記憶が蘇り、弟の魁に協力し滋賀を解放することを決意する。
兵庫県西宮市の大阪甲子園球場は大阪府の管理下に置かれており、地上は野球場があるが、地下には大阪名物の粉もん工場と、京阪神地方に反逆した他地方出身者の収容所が設置されていた。
嘉祥寺を倒すため甲子園球場に乗り込んだ麗は、魁の裏切りにあって嘉祥寺に捕らえられ「粉もん依存症」にさせられてしまい、甲子園球場の地下に幽閉される。監獄内には遭難時に別れた埼玉解放戦線のメンバーたちがおり、彼らの協力で粉もん依存症を克服した麗は甲子園を脱出して滋賀へ逃げ帰り、その出自を聞かされたことで魁とも和解する。
嘉祥寺への対抗策として麗は「大阪で栽培されている粉の実を枯らすために瀬田川の水門を閉じて琵琶湖の水を止め、淀川を渇水させる」という作戦を提案する。滋賀解放戦線のメンバーからは「生まれ育った滋賀が水没する」ということで当初は反対されたが、魁の説得によって他県の解放戦線メンバーも含めて全員納得し作戦は遂行され、滋賀県は水没した。しかし魁の計らいにより近江牛や米の種は事前に水没を回避しており、種として残してあったので、後の復興の役に立つ。
水門を破壊するため嘉祥寺は京都市長、妻である神戸市長と共に滋賀へ乗り込み、激しい戦闘を繰り広げるも、滋賀解放戦線の秘密兵器「とびだしとび太」などの前に劣勢となり、ふたりの市長を切り捨てて撤退する。
しかし嘉祥寺の狙いは別にあり、大量の「粉」を搭載した通天閣ミサイルを東京へ撃ち込み、東京を丸ごと大阪にするのが真の計画であった。
嘉祥寺の不在を突いて甲子園球場に戻った麗は、地下の粉もん工場を壊滅させて大阪府の本拠地に乗り込むが、時すでに遅くミサイルは発射されてしまう。麗からの連絡を受けていた百美は路線族たちを動かし、埼玉県で密かに開発していた行田市の迎撃ミサイルを発射させ、大気圏外で衝突させることにより大阪側のミサイルを破壊することに成功する。この一連の出来事が明るみに出たために嘉祥寺は逮捕され、通行手形も撤廃、滋賀・奈良・和歌山は完全に解放された。
一方、迎撃ミサイル発射の重責を共有した埼玉県の路線族たちの心は一つになり、武蔵野線が開通された。武蔵野線は埼玉県民が大好きなネズミーランドにちゃっかり直通しており、埼玉から千葉にあるネズミーランドに電車1本で直接アクセスできるようになった。
直子は両親が滋賀県出身であったこともあり、たまたま綱引き大会に居合わせた大阪出身の女性に対して、現実世界と都市伝説を混同して攻撃を始める。そしてこのストーリーを聞いた直子や他の与野の人たちが感動している最中、依希が産気づいてしまうが、大阪出身の女性は実は大変人情深い助産師であった。依希の夫も遅れて出産の場に駆けつけ、さらにこの助産師の手により、依希は無事出産を迎える。しかし、都市伝説にかぶれてしまった依希の夫は突然、自分の子供の名前を「とび太」にすると言い始めるのであった。
『琵琶湖より愛をこめて』の主要舞台となる地域。東京を頂点とする前作の関東と同様に、大阪・京都・神戸が権力の座に君臨し、滋賀や和歌山の様な都会指数の低い地域が差別の対象となる、超地域格差社会が存在する。
カッコ内は出身都道府県。
関東の人々
関西の人々
阪流(はんりゅう)ブーム
伝説パートの世界ではなぜか日本全国で大阪文化が不自然に大流行しており、『大阪ラブストーリー』『大阪に不時着』などの阪流ドラマが大ヒットするとともに、阪流アイドルOTB(Osaka Takoyaki Boys)がビルボードランキングを獲得している。
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