暗殺(あんさつ、英: assassination)とは、政治的影響力を有する人物を秘密裏に殺害することであり、テロリズム行為の一形態にも分類される。広義では、暴力団抗争など、単なる非合法な殺害行為全般を指す。
人を密かに、あるいは不意に襲って殺害することであり、単なる殺人とは異なり、社会に対して影響を与える目的で実行される。必ずしも通常の殺人と暗殺を完全に区別できるものではなく、個人的動機の強い暗殺もありうるが、その場合にも政治的な緊張感の高まりや政治的不安といった要素は共通している。なお、政教一致社会においては、宗教的な理由での暗殺が行われることもあった。
また、暗殺のターゲットとなる要人は、国家元首や政府首班などが普通であるが、対立政党の党首や財界の指導者などが対象となる場合もある。
英語の「assassination」は通常「暗殺」と訳される。assassination は麻薬の一種であるハッシシを飲んだ人を意味するhashshāshǐnが語源であり、ハサン・サッバーフが部下にハッシシを与えて政府要人を殺害させたことに由来する。なお、ケンブリッジ英英辞書では、assassination は、要人の殺害と定義しており、政治的目的に限定していないが、英語圏の『オックスフォード現代英語辞典(OALD)』および米語圏における『ウェブスター英語辞典』は、特に政治的目的での殺害のことを言うと定義している。
暗殺には、権力者が加害者側のものと権力者が被害者側のもの、白色テロと赤色テロなど様々な区別があるが、平凡社のマイペディアでは、以下のように分類している。
まず、政治権力を持つ者が行う暗殺と、政治権力を持たない者が行う暗殺に大きく分けられる。さらに、前者は、1. 権力者同士が殺し合う場合(例としてガイウス・ユリウス・カエサルの暗殺)と、2. 権力者が刺客などによって反権力側の要人を殺す場合(例としてレフ・トロツキーの暗殺)に分けられる。後者は、3. 権力を持たない者が権力者を倒す場合(例としてアレクサンドル2世暗殺事件)と、4. 権力を持たない者が反権力側の要人を倒す場合(例として山本宣治の暗殺)に分けられる。このうち、2や4は右翼による左翼の暗殺、3は左翼による右翼の暗殺という形になることが多い。
王の殺害は多くの文化圏で古くから存在しており、暗殺の始まりは政治権力の出現まで遡る。古くは、紀元前336年のピリッポス2世の暗殺や、紀元前44年のガイウス・ユリウス・カエサルの暗殺が著名である。11世紀には、ハサン・サッバーフが暗殺のための秘密結社を作って、次々と要人の暗殺を行い、「Assassination」という単語の語源となった。暴君の暗殺が正当化されるかどうかは、ヨーロッパで近代まで議論の的であった。その後も第一次世界大戦の引き金となったり、各国のクーデターと関わるなど、政治的影響を与えている。
現代において、国家・組織による暗殺を公に宣言している国・組織と元首。
日本においては、民法第90条(公序良俗法)で公の秩序に違反する殺人などの依頼は無効である。また、刑法202条自殺関与・同意殺人罪で依頼されて殺人を行う嘱託殺人(英語:Contract killing)に対する刑が規定されている。
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