人和(レンホウ、レンホー)とは、麻雀における役のひとつ。子が自家の第一ツモより前にロン和了した際に成立する。ただし、地和と同じく、第一ツモより前に副露や暗槓があれば、無効となる。ローカル役であるとして、人和を採用しないルールも多く、採用している場合も細かい取り決めにバラつきが見られる。
現在多くの各種プロ団体・競技団体は人和を採用していない。しかし雀荘やオンラインの麻雀では採用されていることが多く、その際の得点の扱いについては以下のようなバリエーションがある。
オンライン麻雀では、麻雀格闘倶楽部・雀龍門は役満、MJシリーズは倍満打ち切りで採用している。一方、天鳳・東風荘・ハンゲームなどでは採用していない。(後掲#採用状況節も参照のこと)
人和を役として認めない場合、他に役がなければ役ナシのチョンボとなる。初対面の相手とセットを組む場合やフリー雀荘等で打つ場合は卓に着く前に確認しておくのが望ましい。
人和を採用しているルールでは、多くの場合「副露や暗槓のない初巡の、自分の第1ツモ以前のロン和」を人和としている。しかし、地域や時代によってこれとは異なる定義になっている場合もあり、以下のようなバリエーションが存在する。
そもそも極めて発生しづらい役である上、昭和初期から戦後すぐまでの時期にかけて、いくつもの団体・グループがバラバラに人和の定義を制定した経緯があり、ルールの整備・統一が長らくなされなかった。各地の雀荘・団体・グループなどで人和の定義が様々に異なっていたのはそのためであり、現在もなお人和の採不採・値段はまちまちである。トラブルを避けるためにも、人和を採用しているか否か、採用している場合はどのような定義になっているか、値段の取り決め等については事前の確認が必要である。
元々中国の一部の古典麻雀で、最後の捨牌をロンする和了を人和と言っていた。つまり現在の河底撈魚に相当する役を人和と言っていた。大正末期から昭和初期にかけて麻雀が日本化する過程で、中国麻雀にはない「河」のルールが整備され、新たに河底撈魚という役が発生すると、元々の人和(河底ロン)は忘れられていった。時期を前後して昭和3年、天和・地和(親の第1打でのロン和了、原義の地和)に対する役として、「子の第1ツモでの和了」(現在の地和)および「第1打に対するロン和了」を人和の名で呼ぶようになり、人和という名称の役はこれ以後広まることになった。 ただし、人和の定義と地和の定義は、昭和初期の段階から終戦まもなくの麻雀復興期(昭和20年代前半ごろ)を過ぎてもバラバラのまま纏まらなかった。やがて地和の定義が「第1打ロン」から「第1ツモでの和了」に移ってゆくと、第1打でのロン和了が人和と呼ばれるようになった。地和の定義は「子の第1ツモでのツモ和了」で固まったが、人和の定義はその後も引き継き混乱したまま、「親の第1打でロン和了」「第1巡以内のロン和了」「自分の第1ツモまでのロンアガリ」など数通りが広範囲に広まった。現在は「チー・ポン・カンの無い自分の第1ツモ以前のロン和了」という定義がもっとも普及しているが、役の値段とともに扱いは完全には定まらない状態となっている。
ルール | 種別 | 採不採/値段 | 通常役と | 定義/備考/細目 | 出典 |
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東風荘 | ネット麻雀 | 人和なし | - | ||
雀賢荘 | ネット麻雀 | 人和なし | - | ||
ハンゲーム麻雀4 | ネット麻雀 | 人和なし | - | ||
Maru-Jan | ネット麻雀 | 役満 | - | 東家も子の第1打でロン和了すれば人和となるルール | |
ロン2 | ネット麻雀 | 満貫 (4飜役) | 認めない | 他で跳満以上の場合は高点法適用。 | |
天鳳 | ネット麻雀 | 人和なし | - | ||
雀魂 | ネット麻雀 | 人和なし(一部可能) | - | 4人友人戦において、ローカル役をありルールにすることで適用 | |
闘牌王 | ネット麻雀 | 満貫 (4飜役) | 言及なし | ||
雀龍門M | ネット麻雀 | 役満 | - | ||
雀バト | ネット麻雀 | 役満 | - | 2012年2月29日にサービス終了。 | |
麻雀ロワイアル | ネット麻雀 | 役満 | - | ||
NMB48のカジュアルパーティー | ネット麻雀 | 倍満 (8飜役) | 認める | ||
麻雀格闘倶楽部 | アーケード麻雀 | 役満 | - | ||
セガNET麻雀 MJ Arcade | アーケード麻雀 | 倍満 | 認めない | ||
セガNET麻雀 MJ Arcade / Mリーグ卓 | アーケード麻雀 | 人和なし | - | ||
日本プロ麻雀連盟 | 団体等公式ルール | 満貫 | 認めない | ||
麻将連合 | 団体等公式ルール | 人和なし | - | ||
101競技連盟 | 団体等公式ルール | 人和なし | - | ||
全国麻雀段位審査会 | 団体等公式ルール | 4飜役 | 認める | ||
日本学生競技麻雀連盟 | 団体等公式ルール | 人和なし | - | ||
ヨーロッパ麻雀協会 | 団体等公式ルール | 役満 | - | ||
『新現代ルールによる図解麻雀入門』 | 市販ルールブック | (三倍満) | 役満 認めない | 1979年発行、天野大三/青山敬共著。 定義が「チー・ポン・カンのない純粋な1巡目での和了」(即ち第1ツモでのツモ和了もしくは相手の第1打でのロン和了)となっており、かつ、東家も子の第1打でロン和了すれば人和となる。 | |
『カラー版 麻雀教室』 | 市販ルールブック | (三倍満) | 役満 - | 1986年発行、栗原安行著。 定義が「第1ツモでのツモ和了もしくは相手の第1打でのロン和了」となっており、かつ、東家も子の第1打でロン和了すれば人和となる。 | |
『平成版 麻雀新報知ルール』 | 市販ルールブック | 人和なし | 認めない | 1997年発行、井出洋介監修。 新報知ルールでは人和を採用役から除外しているが、人和についての一般的な解説を掲載しており、「人和は定義・値段がグループによって違う」「人和は他の役とは複合しない」「高点法適用可」としている。 |
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