ローグライクゲーム(英: Roguelike)は、『ローグ』と同様の特徴を持っているコンピュータRPGの総称である。プレイするたびにマップやダンジョンが新たに作られる等の特徴を持つ。
ローグライクゲームでは伝統的にすべての情報を文字で表示するが(テキストユーザインタフェース)、オプションでキャラクターや地形などの情報をグラフィカルに表示できるものもある。また、チュンソフトが制作している『不思議のダンジョンシリーズ』などのコンシューマー用のローグライクゲームでは、グラフィック表示が標準になっている。
ここではローグライクゲームを特徴付ける要素群を説明する。ただし、ローグライクゲームの全てが以下の要素を兼ね備えているわけではなく、同じ要素でもゲームごとに目指す方向性により、様々なアレンジが加えられている。
伝統的に主人公は「@」記号で表され、他のキャラクター(敵モンスターなど)はアルファベットで表される。ローグでは大文字のアルファベットしか使用されていなかったが、最近のローグライクゲームでは大文字と小文字で異なるモンスターを表していることも多い。例えばイヌ(dog)は小文字の「d」で表され、ドラゴンを大文字の「D」で表されるなどである。さらに文字の色を変えることによって異なるモンスターを表すこともある。例えば、レッド・ドラゴンは赤い文字の「D」で表され、ブルー・ドラゴンは青い文字の「D」で表されるなどである。ダンジョンの地形やアイテムなどはASCIIに含まれる他の記号が用いられる。以下は典型的な例である。
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主人公は1文字や2文字程度の短いキーコマンドで操作され、マウスオペレーティングや、テキストアドベンチャーのような長い文章からなるコマンドが操作に用いられることは少ない。こうしたコマンドは覚えやすくするために、英単語の最初の文字が使用されていることが多い。例えば、NetHackではプレイヤーは"r"を押すことによって巻物を読み(read)、"d"でアイテムを落とし(drop)、"q"で薬を飲む(quaff)。キー数の少ないコンシューマーや、それの影響を受けたタイトルでは一般的なRPGのような行動メニューからの行動選択が出来ることが多い。
ローグライクゲームではダンジョンは一般的にランダムに生成される。これにより、ゲームをするたびに同じダンジョンが使用されるゲームに比べてリプレイ性に優れている。多くのゲームで固定の階も使用されており、一般的にこうした階は特別な場所を表すために用いられている。魔法のアイテムを始めとした各種アイテムの見かけ(未識別時の名称)もゲームごとに変化し、一度使用してみるまでは種類が分からないものが多い。ランダム仕様についてローグの作者は、総ての内容を知っている自分自身も楽しめる様にするために考えたと語っている。
一般的にローグライクゲームはターン制の戦闘システムを用いており、プレイヤーが行動しない限りゲーム内の時間は経過しない。リアルタイム制のゲームはほとんどない。
ほとんどのローグライクゲームはシングルプレイヤーゲームで、操作するキャラクターも1人だけである。これは伝統によるところが大きいが、ターン制のシステムをマルチプレイヤーや複数のキャラクターをサポートするように拡張することが難しいことも理由の一つである。しかし、MAngband や Crossfire など、マルチプレイヤーのローグライクゲームも存在し、これらはオンラインで遊ぶことができる。
伝統的にローグライクゲームでは「死んだらおしまい」である。キャラクターが死ぬと、プレイヤーはゲームを最初からやり直さなければならない。セーブする機能はあるが、それはゲームを中断するために提供されている機能であり、キャラクターが死んだ場合には、セーブファイルは削除されるか、死んだとマークされる。「死亡」という表現の他に「戦闘不能になる」「入り口に戻される」などの設定が用いられることもあるが、ゲームオーバー時に最初からやり直しになるという意味では同義である。コンピュータの技術さえあればこの機能を回避して死ぬ直前のセーブファイルから再開することは可能であるが、多くのプレイヤーがこれを不誠実な(あるいは不正な)行為と見なしている。ゲームによっては死亡することなく遊ぶことができる「ウィザードモード」(チート機能)を提供しているものも存在するが、これは主にデバッグのためであり、こうした手段を使用してゲームに勝利しても正当な勝利とは見なされない。
キャラクターが死ぬと、所持金やそれまでの行動に応じてスコアが計算され、死亡した階層や死因(通常は止めを刺したモンスターとその方法)と共に記録される。ゲームによっては、インターネット上にプレイサーバやスコアサーバを設置し、他のプレイヤーとスコアを競うことができるものもある。ウィザードモードではスコアが記録されない。
ローグライクゲームでは食糧も重要な要素であり、キャラクターは定期的に食事をとらないと餓死してしまう(あるいは空腹時に体力や攻撃力などが減るなど大幅に不利になるペナルティがある)。食糧の獲得方法は、ダンジョンでランダムに生成される食糧を拾う必要があるものから、店で簡単に購入できるものまで、入手しやすさも含めてゲームごとに様々である。倒したモンスターの死体を食べることができるゲームもあり、その場合モンスターの種類により様々な(プラス効果から致命的な効果を及ぼすものまで)効果が付与されている場合が多い。
「International Roguelike Development Conference 2008」において議論された、ローグライクの持つ要素。 厳密な定義ではなく、いくつかの要素を無視しても構わない。
ローグは日本国内においては同じくコンピュータRPG黎明期のウィザードリィやウルティマと比べマイナーなゲームだったものの(ただしアスキーネットではチャット以外のコンテンツとしてローグのスコアアタックを売りにしていた)、日本において国民的RPGのドラゴンクエストシリーズのキャラクターと設定、グラフィックを用い、コンシューマでもプレイし易いようにアレンジされた『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が1993年に発売された後は一気に認知度が上がった。また、ファイナルファンタジーシリーズのキャラクターと設定を用いた『チョコボの不思議なダンジョン』は100万本のセールスを記録することとなった。そのため、コンシューマゲームが非常に一般的で、古来のPCゲームが認知されていない日本においては「不思議のダンジョン」シリーズの方が一般的に知られているために、コンシューマゲームユーザー層への表現として、ローグライクゲームを指して「不思議のダンジョン」系ゲームと呼ばれることがある。2000年代以降は『変愚蛮怒』『GearHead』『Elona』といったフリーソフトのローグライクゲームがネットユーザーの間で人気を博しており、「@」がローグライクゲーム主人公の通称として認識されることも多い。
「ローグライクゲーム」の元となった『Rogue』の派生シリーズ。全てPC用ゲーム。
『Moria』の派生シリーズ。全てPC用ゲーム。
スパイク・チュンソフトおよび同社の前身であるチュンソフトが開発もしくはタイトル使用許諾を実施したシリーズ。
『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターを用いた作品。販売は2以降旧エニックスおよびスクウェア・エニックス。
スパイク・チュンソフト独自の『風来のシレン』シリーズ。
『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターであるチョコボを主役に据えたシリーズ。第一作に関しては洞窟でセーブができる、純粋なターン制ではない等の特徴によりローグライクとは言い難い面もある。
『ポケットモンスター』シリーズのキャラクターであるポケモンたちを主役に据えたシリーズ。
『世界樹の迷宮』シリーズとのコラボ作品。
NEKOTOKAGE GAMES開発の『魔物娘と不思議な冒険』シリーズ。
ディースリー・パブリッシャーによるお色気要素の強いローグライクRPG。
日本一ソフトウェアによる終末世界を題材としたローグライクRPG。
「Brace Yourself Games」によるリズムアクションゲーム要素を取り入れたローグライクゲーム。
同人サークル「AQUA STYLE」による東方Project二次創作ローグライクゲーム。ここではコンシューマーゲームのみ記載。
★はアダルトゲーム。
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