この記事の共著者 : Erik Kramer, DO, MPH. かかりつけ医のエリック・クレイマー医師は、コロラド大学にて内科疾患、糖尿病、体重管理の治療を専門的に行っています。2012年にタウロ大学ネバダ校整骨医学部にて博士号を取得。
この記事には7件の参照文献があり、文献一覧は記事の最後に表示されています。
この記事は2,451回アクセスされました。
ナトリウムは体に欠かせない電解質です。ナトリウムには血圧を安定させる働きがあり、筋肉と神経細胞を適切に機能させるためにも必要です。血清ナトリウム濃度の低下、つまり低ナトリウム血症とは、基礎的な生化学検査(血液検査や尿検査など)の結果で血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満の状態を指します。一般的な原因は、火傷、下痢、過度の発汗、嘔吐、もしくは利尿薬のような尿の排出を促す薬の摂取などです。[1] 低ナトリウム血症を適切に治療しないと、筋力低下、頭痛、幻覚などが起こる可能性があり、最悪の場合は死に至ることもあります。[2] 低ナトリウム血症の症状があれば病院で診察を受け、症状が深刻な場合は救急医療を受けましょう。服用中の薬を変えたり、原因となる病気を治療したりすると血中ナトリウム濃度が高まるかもしれません。
ステップ
低ナトリウム血症の疑いがあれば病院で診察を受ける
-
1低ナトリウム血症のリスクが高い健康状態に注意しましょう。特定の健康状態にあると低ナトリウム血症のリスクが高くなるので、その兆候に十分注意を払う必要があります。低ナトリウム血症のリスクが高くなる健康状態は次の通りです。[3]
- 腎臓病、心臓病、肝硬変にかかっている
- 65歳を超えた高齢者
- トライアスロン、マラソン、ウルトラマラソンなどの激しい運動を習慣的に行っている
- 抗うつ薬、利尿薬(血圧の薬)、一部の鎮痛剤など、特定の薬を服用している
-
2低ナトリウム血症の症状が見られたら病院へ行きましょう。通常、軽度から中等度の場合は緊急性が低いものの、低ナトリウム血症のリスクが高い場合は、症状にいち早く気づくことが重要です。ただし、低ナトリウム血症の症状だと思っても、別の病気の症状の可能性もあるので注意が必要です。次のような症状が見られたら病院で診察を受けましょう。[4]
- 吐き気
- 頭痛
- けいれん
- 脱力感
-
3低ナトリウム血症の深刻な症状が見られたら直ちに治療を受けましょう。特に、血中ナトリウム濃度が著しく低下した場合は危険です。治療を受けずに放っておくと、死に至る恐れもあります。次のような症状が見られたら直ちに治療を受けましょう。[5]
- 吐き気と嘔吐
- 錯乱
- 発作
- 意識消失
-
4血中ナトリウム濃度が低いと思われる場合は、血液検査を受けましょう。低ナトリウム血症の症状がある、もしくは血中ナトリウム濃度が低いと思われる場合は、病院に行きましょう。血中ナトリウム濃度を確認する唯一の方法は、血液検査や尿検査です。[6]
- 低ナトリウム血症は重症化する恐れがあるので、血中ナトリウム濃度が低いと思われる場合は、検査と治療をすぐに受ける必要があります。
広告
低ナトリウム血症を治療する
-
1
-
2
-
3
-
4血中ナトリウム濃度が著しく低い場合は、点滴を受けましょう。低ナトリウム血症によって体液量が減少してショック状態に陥った場合は、生理食塩水の点滴を受ける必要があるかもしれません。これは、急性、または重度の低ナトリウム血症に見られる症状です。直ちに生理食塩水の点滴を受けると血中ナトリウム濃度が改善するかもしれませんが、通常この状態では入院が必要になるでしょう。[13]
- 敗血症や血液感染症が原因で、血中ナトリウム濃度が著しく低下する恐れがあります。
広告
水分の摂取量と排出量のバランスをとる
-
1
-
2活動量が多い場合はスポーツドリンクを飲みましょう。身体活動量が多くて汗をたくさんかく人やアスリートは、スポーツドリンクを飲むと安定した血中ナトリウム濃度を維持できるかもしれません。スポーツドリンクを飲むと、汗をかいて失われた血中のナトリウム電解質を補給することができます。運動の前後と最中にスポーツドリンクを飲みましょう。[16]
- スポーツドリンクには、ナトリウムやカリウムなどの体に必要な電解質が含まれています。
-
3医師に指示された場合を除き、利尿薬を服用するのはやめましょう。既存の病気を治療するために利尿薬を処方されている場合を除いて、利尿薬を服用するのはやめましょう。利尿薬は、尿量を増やして体内の水分貯留を防ぐため、「ウォーターピル」としても知られていますが、脱水症状を引き起こす恐れもあります。
- チアジド系利尿薬は、血中ナトリウム濃度低下の原因となることが知られています。[17]
広告
ポイント
- 食事で摂取するナトリウムの量については医師に確認しましょう。血中ナトリウム濃度を高めるために、ナトリウムの摂取量を大幅に増やしてはいけません。
出典
- ↑ http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000394.htm
- ↑ http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/expert-answers/low-blood-sodium/faq-20058465
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/diagnosis-treatment/drc-20373715
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/diagnosis-treatment/drc-20373715
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/diagnosis-treatment/drc-20373715
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
- ↑ https://www.aafp.org/afp/2004/0515/p2387.html
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
- ↑ https://www.aafp.org/afp/2004/0515/p2387.html
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/diagnosis-treatment/drc-20373715
- ↑ https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a609033.html#why
- ↑ https://www.aafp.org/afp/2004/0515/p2387.html
- ↑ https://www.aafp.org/afp/2004/0515/p2387.html
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/hyponatremia/symptoms-causes/syc-20373711
このwikiHow記事について
血中ナトリウム濃度を高める方法 - Wiki How 日本語
ナトリウムは体に欠かせない電解質です。ナトリウムには血圧を安定させる働きがあり、筋肉と神経細胞を適切に機能させるためにも必要です。血清ナトリウム濃度の低下、つまり低ナトリウム血症とは、基礎的な生化学検査(血液検査や尿検査など)の結果で血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満の状態を指します。一般的な原因は、火傷、下痢、過度の発汗、嘔吐、もしくは利尿薬のような尿の排出を促す薬の摂取などです。[1] X 出典文献 低ナトリウム血症を適切に治療しないと、筋力低下、頭痛、幻覚などが起こる可能性があり、最悪の場合は死に至ることもあります。[2] X 信頼性の高い出典文献 Mayo Clinic 出典を見る 低ナトリウム血症の症状があれば病院で診察を受け、症状が深刻な場合は救急医療を受けましょう。服用中の薬を変えたり、原因となる病気を治療したりすると血中ナトリウム濃度が高まるかもしれません。