ヤドカリを飼う方法

ヤドカリ(英語では“Hermit crab”。愛情を込めて“hermies”<ハーミーズ>と呼ばれます)はペットとするのにもってこいの生き物です。子犬ほど愛くるしいわけでもなく、じゃれ合うこともできないかもしれませんが、一緒に楽しく遊べて、他の生き物を世話することの意味を子どもに教えることができます。以下のステップで、ヤドカリの「カニ」住まいの準備と飼育の方法をみていきましょう。

方法 1
方法 1 の 2:

飼育場所を準備する

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    水槽は必ず適切なサイズのものを用意します。小さなヤドカリを2~4匹飼育するには、45 cm(31 L)や60 cm(65 L)の規格水槽がちょうどよいでしょう。60~75 cm規格(151 L)の水槽であれば小さなヤドカリを12匹、大きなヤドカリの場合は3、4匹を飼育できます。ヤドカリは社会的動物であるため、少なくとも仲間を1匹入れておく必要があります。ヤドカリに適した環境とは、十分な湿度を維持しながらも新鮮な空気が入る場所です。水槽や爬虫類用の飼育器は通常、こうした条件が整っています。水漏れする古い水槽をしまってあるのなら、それをすすいで使っても構いません。アクリル製のテラリウムであればさらに効果的です。湿度と熱をより効率的に維持できます。
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    水槽の湿度を適度に保ちましょう。湿度計と温度計を購入しましょう。湿度と温度を常に把握して、最適な温度(25~30℃)と相対湿度(75~85%)を維持することができます。ヤドカリは(硬化した)エラを通して呼吸しており、空気中に十分な湿度がないと正常に呼吸できません。理想としては相対湿度が最低でも75%程度はあったほうがよいでしょう。相対湿度が70%を下回るとヤドカリは窒息し、大変な苦痛を味わいながら数週間から数か月かけて徐々に体が弱って死に至ります。
    • 水槽の湿度を自然に上げるのに最適なのが、天然のコケを入れる方法です。コケは湿度を上昇させ、ヤドカリの餌にもなります。近くのペットショップで爬虫類用のコケを探してみましょう。天然海綿も効果的で、同じくペットショップで購入が可能です。ただし、天然海綿はすぐに汚れてしまうため、2、3週間ごとに交換する必要があります。
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    水槽の温度を適度に保ちましょう。ヤドカリは熱帯性の生き物であり、温かい場所で飼うのが一番です。適切な温度は25~30℃程度です。熱損傷はヤドカリにとって致命傷となり、また温度が低すぎると代謝機能が低下してしまいます。水槽の湿度を保つには、ヤドカリ用のアンダータンクヒーターを水槽の背面に設置するのがよいでしょう。環境が整っていないとヤドカリが昏睡状態に陥って動かなくなり、脚を失って死に至る可能性もあります。
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    床材を用意しましょう。床材とは水槽の底に敷く素材のことを指します。底砂に使用できるのは目の細かさがグラニュー糖程度の砂だけです。他の大きさのものではヤドカリに傷がつき、砂遊び用の砂には有害物質が含まれている可能性があります。脱塩素処理を施した塩水を使って砂を濡らし、砂の城を作れる程度の硬さにします。圧縮したココナッツファイバーを使っても構いません。水槽に入れるものと同じ塩水にココナッツファイバーを浸け入れて戻し、カビの発生を防ぎます。水槽用の砂利(巣穴が崩れてしまいます)やカルシウムサンド(塊ができ、悪臭を放つ可能性があります)など、ヤドカリが穴を掘ることができないものは床材として使用できません。床材には一番大きなヤドカリの少なくとも3~5倍の深さが必要で、ヤドカリがストレスを解消したり身を隠して脱皮したりできるよう、穴や洞穴を掘りやすい材質でなければなりません。
    • 爬虫類用のコケ(装飾用のコケやスパニッシュ・モスは不可)など湿ったコケに身を隠すことを好むヤドカリも多く、コケの中で脱皮まで行うものもいます。
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    床材は清潔に保ちましょう。床材が汚れているとカビの原因となり、ヤドカリに害が及ぶ可能性があります。床材は半年に1度は交換しましょう。また、1か月に1度は簡単に点検してカビやアリ、ダニが繁殖していないかを確認します。このうち一つでも発生していたら、すぐに床材を交換しましょう。部分的に掃除を行って、糞やヤドカリが餌入れから引きずり出したり砂の中に埋めたりした食べ物を除去するとよいでしょう。床材の清掃は、脱皮の最中(砂の中に潜り、脱皮と外骨格の再生を行っている段階)を避けて行わねばなりません。脱皮中のヤドカリは決して動かしてはいけません。
    • もっと徹底したければ、底砂を消毒するのもよいでしょう。砂はオーブンで消毒が可能です。ロースト用の大きな鉄板(砂の消毒専用に準備したもの)に砂を広げ、オーブンに入れます。120℃に設定して2時間ほど待ちましょう。
    • 脱塩素処理を施した塩水をフライパンに入れて2、3週間に1回、水槽内の貝殻や皿を煮沸しましょう。カビやバクテリアが発生してヤドカリに害が及ぶのを防止できます。ボウルや貝殻は冷ましてから水槽に戻しましょう。
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    おもちゃを用意します。ヤドカリはよじ登るのが大好きです。野生のヤドカリは実際、潮が引いて表に現れた大きな岩に登って食べ物を探します。木に登って昆虫や植物を食べることから“tree crab”(「木登りカニ」の意)と呼ばれることもあります。ただし、塗料が塗られたおもちゃを購入してはいけません。ヤドカリが塗料を飲み込んだ場合、体に害が及ぶ可能性があります。以下はおもちゃの例です。
    • 登って遊ぶおもちゃ:よじ登ることができるものは必須です。チョーヤウッド(スケルトンウッド)やその切り株が最適です。チョーヤは無害で複数の穴があいており、ヤドカリが脚をかけることができます。水槽の隅に立てかけておくとよいでしょう。ただし、ヤドカリがよじ登って逃げ出してしまうため、あまり高くなりすぎないように気を付けましょう。レゴブロックや麻ネットを使うことも可能です。
    • 天然のおもちゃ:海辺に落ちている自然の石や貝殻は、ヤドカリの水槽に散りばめるにはもってこいです。さらに、ハマグリの貝殻は餌を入れる皿としても大いに活躍します。必ず熱湯で煮沸消毒した後に水槽へ入れてください。
    • プラスチック製のおもちゃ:爬虫類用として販売されているプラスチック製の植物は、ヤドカリが登ったり身を隠したりするのに最適です。水槽のふたを閉めて、ヤドカリが逃げ出さないように気を付けましょう。また、ヤドカリがプラスチックを食べてはいないか必ず確認し、万一、食べている場合には直ちに取り上げてください。
    • 爬虫類用に販売されている半分に割ったパイン材は、決して使用してはいけません。ヤドカリにとってパイン材は刺激が強く、体に害を与えるおそれがあります。
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    ヤドカリの隠れ家を用意しましょう。ヤドカリには大半の動物と同様、脅威を感じたときに安心でき、隠れることができる場所が必要です。壊れた鍋や大きな貝殻の他、小さなヤドカリには、ペットショップで販売している半分に割ったココナッツの殻を使用するとよいでしょう。ヤドカリが抜け出せなくならないように気を付け、万一の場合にはヤドカリが砂に穴を掘って脱出できるものがよいでしょう。
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    水槽に生きた植物を入れましょう。中で飼っているものが何であれ、生きている植物は水槽に入れるのに最適です。具体的には、竹(「幸運の竹」として販売されているドラセナ・サンデリアーナではなく、本物の竹)やハエトリグサ、 チランジア(エアープランツ)、フウチョウソウなどといった植物が安全です。ヤドカリが食べてしまう場合もあるため、植物が大きくなる保証はないことをあらかじめ理解しておきましょう。
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    ヤドカリに水を与えましょう。種類を問わず、ヤドカリはすべて真水と塩水の両方を必要とします。水皿は二つ準備しましょう。ヤドカリは殻内の水の塩分濃度を安定させなければなりません。水皿の深さは、少なくともヤドカリが殻の中に水を取り入れる(ストロベリーハーミットクラブことサキシマオカヤドカリに関しては、体をすっぽり水中に沈める)ことができ、かつ皿から抜け出せる程度でなければなりません。そのためには、簡単に這い出せる浅い部分と、水の中に潜れるように深くなった部分とがある傾斜の付いた水場を設けてやるのがよい方法です。水場にはヤドカリがつかまることのできる石などを並べましょう。プラスチック製のものは滑りやすく、ヤドカリが坂を登りづらくなります。
    • 大きなヤドカリと小さなヤドカリを一緒に飼っている場合は、大きなヤドカリが貝殻の中に水を取り入れることができ、また小さなヤドカリも溺れることがないよう、水皿の中に小さな石や海綿を入れておくとよいでしょう。
    • たいていのペットショップでは海水魚(淡水魚ではありません)用の水槽用塩を入手でき、一回の使用量は少量なので長持ちします。絶対に人間の食用塩を使ってはいけません。凝固剤がヤドカリに害を及ぼす可能性があります。ヤドカリ専用としている塩であっても、たいていが食卓塩です。また、事前に混合してあるヤドカリ専用水は塩分濃度が不適切です。「インスタント・オーシャン」などの銘柄を使用しましょう。
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    水は必ず脱塩素処理(カルキ抜き)を施したものを使用しましょう。水道水にはたいてい含まれている塩素やクロラミン、重金属によってエラが膨れ上がり(その結果、窒息を招いて)、ヤドカリが死に至る場合があります。水をしばらく放置すると塩素は除去されますが、クロラミンはそのまま残ります。そのため、水道水を使用する場合は脱塩素剤が必須です。
    • 水道水を脱塩素処理したくない場合は、スプリングウォーターを使っても構いません。ただし、添加物が一切入っていないことを確認しましょう。味付けのために、ヤドカリには有害な硫酸マグネシウムを添加しているものもあります。
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方法 2
方法 2 の 2:

ヤドカリの世話をする

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    ヤドカリを購入する場合は、いろいろな種類がいることを頭に置いておきましょう。アメリカ国内では6種類のヤドカリが販売されています。すべてオカヤドカリ属です。パープル・ピンチャーは他に比べて丈夫で、複雑で細やかな世話もそれほど必要としないため、初心者には最も向いているでしょう。
    • アメリカで最もよく見られるのは、紫色の大きなはさみを持つことからパープル・ピンチャーの頭文字を取って“PP”とも呼ばれるカリビアン(学名:Coenobita clypeatus)です。野生のパープル・ピンチャーはカリブ諸島に多く見られます。アメリカ国内のペットショップで見かけるヤドカリはおそらくパープル・ピンチャーでしょう。他にはナキオカヤドカリ(学名:C. rugosus)やサキシマオカヤドカリ(学名:C. perlatus)、エクアドリアン(学名:C. compressus)、オカヤドカリ(C. cavipes)、コムラサキオカヤドカリ(学名:C. violascens)、オオナキオカヤドカリ(学名:C. brevimanus)がいます。
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    ヤドカリは丁寧に取り扱いましょう。ヤドカリを初めて飼うときには忍耐が必要です。ヤドカリは新しい環境に馴染むのに少し時間がかかります。ヤドカリを入手したら、数日間はかごの中に入れておきましょう。かごの前を通っても殻に閉じこもらないようなら、もう1日待ってから手に乗せてみましょう。ヤドカリに手の様子を探らせて、人に慣らすとよいでしょう。
    • 自宅に連れ帰ったヤドカリはその後、数日~2か月程度の「ストレス解消」の段階に入ります。この期間は餌と水を定期的に交換し、そっとしておいてやりましょう。ヤドカリの飼育経験が長い人が懸命に世話した場合でも、購入後のストレス(P.P.S.)によってヤドカリが死んでしまうことがあります。
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    ヤドカリは脱皮を行うため、予備の貝殻が複数必要であることを理解しておきましょう。ヤドカリが数週間、砂に穴を掘っていても心配は無用です。死んだ魚のような悪臭を放っていなければ問題ありません。この期間はそっとしておきましょう。脱皮は単独で行う必要があり、このとき邪魔をされるとストレスを感じて死んでしまうおそれがあります。ヤドカリの外骨格はしばらくするとやや窮屈になってきて、蛇と同様に脱皮を行って少し大きくなります。脱皮した後の外骨格は取り上げてはいけません。ヤドカリは脱皮後の外骨格を食べて、新しい外骨格を強化する必要があります。
    • ヤドカリが病気を抱えていても慌てる必要はありません。完全に身を沈められる厚さの床材と十分な餌、水を入れた隔離用の水槽をクローゼットの中に準備しましょう。ヤドカリが病気をうかがわせる行動を取っている場合は、脱皮の兆候かもしれません。この水槽に関しても、前述したとおり適度な湿度と温度が保たれていなければなりません。
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    ヤドカリに貝殻を与えましょう。成長するにつれ、ヤドカリにはさらに大きな貝殻が必要になります。水槽には常時、飼っているヤドカリの大きさに近い貝殻の予備を十分な数だけ用意しておくことが大切です。1か月に1回程度、ヤドカリが使っていない貝殻を水槽からいくつか取り出して、いろいろな形の貝殻と交換しながら使いましょう。
    • パープル・ピンチャーは入り口が丸くなった貝殻を好みます。開口部は楕円形よりも円形のほうがよいでしょう。エクアドリアンはパープル・ピンチャーに比べて腹部が扁平で、開口部が楕円形をした貝殻を好みます。
    • 塗装が施された貝殻は絶対に購入してはいけません。製造元が安全な塗料だとしている場合でも、塗料ははがれ落ちることもあり、それをヤドカリが食べると体に害を及ぼすおそれがあります。色が塗られたものと天然の貝殻とがあれば、たいていのヤドカリは、たとえそれが体に合わない大きさであっても天然のものを選びます。使用できない貝殻については「注意事項」の項を参照してください。
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    バラエティに富み、安定した食事を与えましょう。ヤドカリは生来、雑食性でほとんど何でも食べます。市販の食品はヤドカリに有害な硫酸銅などといった保存料を多く含むため、注意が必要です。スパイスが効いたものや辛いもの、保存料を含むものは一切与えてはいけません。
    • ヤドカリは新鮮なエビや銀色の海魚、フリーズドライのオキアミ、赤虫、その他魚介類が大好きです。こうした魚介類は通常、近くの食料品店で購入できます。
    • 料理をする際は下味を付けていないステーキや鶏肉を取っておき、軽く焼いてヤドカリに与えるとよいでしょう。ヤドカリは生肉も食べます。
    • 20匹以上飼っている場合は、近所の魚屋から魚の頭をもらってきましょう。たいていは喜んで分けてくれます。大きな水槽やラバーメイド社製の保存容器など大型で清潔な入れ物(透明、ふたなし、もしくはふたに大きな穴があいたもの)にすべてのヤドカリを移し、魚の頭と水皿を入れて数時間、食事をさせましょう。かなりの悪臭を放つためあまり頻繁には行わないほうが無難ですが、ヤドカリは大喜びするはずです。
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    ヤドカリが好む果物や野菜を知っておきましょう。肉の他、食べ物の切れ端(結局のところは何でも食べます)の中でもヤドカリは特にいろいろな果物や野菜が大好きです。餌はおおむね毎日もしくは毎晩入れ替えるようにしましょう。ヤドカリは食べ残した餌を砂に埋めるのが大好きで、これがカビの原因ともなり、水槽内が汚れてしまいます。
    • ヤドカリはパイナップルやりんご、梨、ぶどう、メロン、スイカ、マンゴー、パパイヤ、いちご、バナナなどといった新鮮な果物が大好きです。果物は切る前にきれいに洗い、農薬を除去しましょう。
    • ヤドカリはココナッツの皮にも目がありません。
    • ヤドカリは天然ピーナッツバターを塗った全粒パンのトーストや固ゆで卵、卵の殻(ゆでたもの)、ポップコーン(味付けをしておらず、塩やバターを加えていないもの)も食べます。
    • ネギ属に属する植物(タマネギ、にんにくなど)は一切与えないようにしましょう。
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    ヤドカリと遊びましょう。ヤドカリの中には人に構ってもらうのが大好きなものもいます。ヤドカリが起きているときに、水槽からゆっくりと出してやりましょう。ヤドカリが好きなことといえば、よじ登ることです。テレビを観ているときに、シャツの上をあちこち自由に登らせてやったり、(ランニングマシンのように)両手の上を歩かせて運動させたりしてみましょう。ヤドカリは絶対に落とさないこと、また湿度が必要なのであまり長時間にわたって水槽の外に出さないことが大切です。1 mの高さから落下するとヤドカリが死に至る可能性があり、落下に対する恐怖こそがヤドカリが挟む最大の理由です。落ちる心配のない場所に置いてやれば、挟まれる可能性も少なくなります。
    • ヤドカリには湿度が必要だということを覚えておきましょう。通常、室内の湿度は40%ほどしかなく、冷暖房が効いていれば湿度はさらに下がります。エラが低湿度の環境に晒されると、ヤドカリは人間が息を長く止めたときに似た感覚に陥ります。
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    ヤドカリは挟むこともあるため気を付けましょう。ヤドカリが挟むのは通常、恐怖や不安を感じたときだけですが、理由なく挟む場合もあるので心得ておきましょう。はさみの力を緩めようと霧吹きで水を吹き付けたり、蛇口の水を浴びせたりするとヤドカリが傷つき、さらに強くしがみ付いて離れなくなる可能性が高くなります。ヤドカリの取り扱いには十分に気を付けてください。手のひらを平らにして、手指をしっかりと閉じた状態にしておけば、ヤドカリがつかめる皮膚が(比較的)少なくなって挟まれにくくなります。
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ポイント

  • ヤドカリが挟むのは悪意からではなく、人の手から落ちるのを怖がっている場合か、もしくは空腹が理由です。ヤドカリを水槽に戻し、しばらく待ってから再度持ち上げましょう。また、手は揺らさないようにしましょう。ヤドカリがはさみの力をさらに強めることになります(餌が十分に入っているか確認しましょう)。挟まれた場合にヤドカリにしつけをするよう勧めるウェブサイトもありますが、これはいけません。ヤドカリは本能のままに動いているだけであって、しつけをしたところで理解できません。
  • ヤドカリは特別な装置がなければ繁殖できません。繁殖には熱帯性の環境、そして何よりも海が必要です。したがって、繁殖だけを目的として自宅に380 Lほどの水槽を準備できるのでなければ、ゾエア(幼生)を目にすることはないでしょう。
  • 水槽には水と砂を半分ずつ入れて、ヤドカリが水(塩素消毒処理を施していない塩水を使用)に浸かれるようにしましょう。
  • 車で長時間移動する前はヤドカリに餌を与えてはいけません。車酔いを起こし、死に至る可能性があります。
  • ヤドカリは音楽が大好きです。
  • お子さんがヤドカリを連れ帰った場合、怖ければ手袋を着用するように指示しましょう。
  • ヤドカリを扱っている最中は大きな音を出さないようにしましょう。ヤドカリにストレスを与えるおそれがあります。
  • ヤドカリを譲り受けたり購入したりする場合は、じっとして動かないヤドカリではなく元気なものを選びましょう。動かないヤドカリは病気を抱えている可能性があります。ただし、あまり活発でないヤドカリでも病気ではなく、単にストレスが原因である場合や、もともと恥ずかしがり屋のヤドカリである場合もあります。
  • 死んだ魚のような臭いがする場合は、ヤドカリが死んでいる可能性があります。ヤドカリの死骸を探す前に、悪臭の原因となっているものが他にないかよく見てみましょう。最近、ヤドカリに魚介類を与えませんでしたか。食べ物の残りは、数か月経っても水槽の中に残っていることがあります。ヤドカリは好んで食べ物を地中に埋めます。(ヤドカリが砂を掘っているところを見かけた場合を除いて)1か月に1回程度、床材を交換するのはそのためです。
  • ヤドカリは挟むことがあるので気を付けましょう。
  • ヤドカリに挟まれるのが怖いあるいは不安だという場合は、手に手袋や靴下を着用してみましょう。万一の場合でも皮膚を挟まれずに済み、それほど痛みも伴いません。
  • 友だちや自分のヤドカリを持ち上げる際、手はテーブルの上の低い位置もしくはテーブル上に広げましょう。1.2 mもの高さに比べてヤドカリが恐怖心を抱かないため、手を挟まれる可能性も少なくなります。
  • ヤドカリが汚れているようなら、室温の水に1分間浸けおいた後、5分間乾燥させましょう。
  • ヤドカリに元気がなくなってきたり目が白くなったりしているときは、脱皮の兆候です。同じ水槽で構わないので居心地のよい場所に移動してやり、霧吹きで蒸留水を吹き付けてやりましょう。1、2日待てば落ち着くはずです。ただし、ヤドカリに息を吹きかけたり触ったりしてはいけません。脱皮後の新しい外骨格は大変敏感です。色が戻るまではできるだけそっとしておきましょう。状態が落ち着くまでにはおよそ1か月かかります。
  • ペットショップで魚のコーナーをのぞいてみましょう。おもちゃがたくさん置いてあります。
  • ヤドカリが指の端にしがみ付いて離れない場合は、飼い主に対して愛情を抱いているか、あるいは単なる恐怖心やストレスによるものでしょう。
  • 小さなヤドカリが登れるよう、突起のある大きな貝殻を購入するのもよいでしょう。
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注意事項

  • 流木や「家具」、木製品、生きた植物を使って水槽の飾り付けを考えている場合は、必ず調査を行いましょう。幸運の竹(ドラセナ・サンデリアーナ)や常緑樹のように、木や植物の中にはヤドカリに有害な種類もたくさんあります。
  • 害虫駆除業者を定期的に呼んでいる場合は、ヤドカリの水槽を置いている部屋には害虫駆除剤を散布しないように指示しましょう。室内に煙が入らないよう、ドアの下にタオルを詰めます。可能であれば、水槽は数日間クローゼットの中に入れておきましょう。ヤドカリは害虫ではないものの、殺虫剤の影響は十分に受けるため注意が必要です。
  • 洗剤を使って水槽やおもちゃを洗ってはいけません。ヤドカリと砂を除去したら穀物酢を吹き付けて、きれいにすすぎましょう。おもちゃや貝殻(必ず空の状態であることを確認してください)、チョーヤウッドはカビを防止するために塩水で煮沸消毒し、タオルの上でしばらく乾燥させます。
  • ヤドカリを落としてはいけません。怪我や死につながる可能性があります。
  • ヤドカリは、まさに「カニ」です。はさみで挟まれると大変な痛みを伴います。子どもがヤドカリに触れる際は目を離さず、扱い方を指導しましょう。
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必要なもの

  • ガラス製もしくはプラスチック製の水槽
  • 水槽の上にかぶせる頑丈なふた:ガラス製またはプレキシガラス製、もしくはプラスチック製
  • 水入れ(二つ)
  • スプリングウォーターと塩水:食卓塩と水道水で塩水を作ってはいけません。水道水には体に害を及ぼす量の塩素が含まれています。脱塩素剤を数滴垂らし入れると効果的です。
  • 一番大きなヤドカリが潜るのに十分で、かつ小さなヤドカリが溺れない程度の深さがある水入れ:小さなヤドカリには、ハマグリの貝殻を開いて使うと効果的です。
  • 隠れ家:半分に割り、穴をあけて入り口を設けたココナッツの殻や、横に倒して半分まで砂に埋めた植木鉢はヤドカリの安息場所として最適です。また、橋を入れてやればヤドカリは喜んでその下に隠れます。
  • 予備の貝殻:ヤドカリがいま使用している貝殻と比較して、1)若干小さなもの、2)ほぼ同じ大きさのもの、3)やや大きなものを少なくとも一つずつ用意します。水槽内には常に予備の貝殻を入れておきましょう。塗料ははがれてしまうため、塗装が施されたものを使用してはいけません。はがれた塗料をヤドカリが口にすると、病気や死につながるおそれがあります。
  • 底砂:砂の城を作れる程度の硬さで、深さは少なくとも5 cmは必要です。
  • 穀物酢:清掃用(適宜)。
  • 新鮮な食べ物、もしくはオーガニックの餌:包装済みの食べ物には、ヤドカリにとって有害な保存料が含まれている可能性があります。
  • よじ登れるもの:チョーヤウッドや小さな橋など。
  • プーパースクーパー(糞を集めるためのスコップ):プラスチック製のスプーンでも可。
  • おもちゃ
  • 手袋:万一、ヤドカリに挟まれた場合に備えて。ヤドカリのはさみには十分に注意が必要です。
  • 温度計と湿度計:温度および湿度の管理用
  • 爬虫類用の水槽ヒーター(室内の気温が常時24℃以下の場合)

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カテゴリ: ペット・動物

ヤドカリを飼う方法 - Wiki ペット・動物 日本語

ヤドカリ(英語では“Hermit crab”。愛情を込めて“hermies”<ハーミーズ>と呼ばれます)はペットとするのにもってこいの生き物です。子犬ほど愛くるしいわけでもなく、じゃれ合うこともできないかもしれませんが、一緒に楽しく遊べて、他の生き物を世話することの意味を子どもに教えることができます。以下のステップで、ヤドカリの「カニ」住まいの準備と飼育の方法をみていきましょう。

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